ワーカビリテイが介護に必要 !?利用例は?

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ワーカビリテイって分かりますか?
この言葉が分かる方は、建築業界に勤務されている方がお分かりになることです。元々は建築用語として”生コンの打ち込み作業のしやすさを表す用語で、「施工軟度」とも言う”意味を持っています。
ではなぜその建築用語が介護で使用される様になったかその理由についてこれから説明させて頂きます。

 

ワーカビリテイとは

元々はワーカビリティーは、コンクリートの練混ぜから運搬、打込み、締固め、仕上げまでの一連の作業に関するコンクリートの施工特性を表すものです。判定の基準は、構造物の種類や施工箇所、施工方法によって異なります。このため、ワーカビリティーは「良い」、「悪い」、「作業に適する」などの、評価に使われます。ワーカビリティーは、コンシステンシ(建築の時の土質)ーと材料分離に対する抵抗性を合わせた性質で、これらに影響を及ぼす因子は、すべて、ワーカビリティーにも影響を及ぼします。セメントはの種類、粉末度、風化の程度などもワーカビリティーに影響を及ぼします。

一般的に、粉末度の高いセメントを使用した場合、セメントペーストの粘性が高くなり、流動性は小さくなりますが。逆に、粉末度が2 800 cm2/g以下の低いものを使用した場合は、セメン
トペーストの粘性が低くなりすぎ、流動性は大きくなっても材料分離が生じやすく、ワーカビリティーは悪くなります。風化したセメントや異常凝結を示すセメントは、ワーカビリティーを著しく悪くします。練混ぜ不十分で不均質な状態のコンクリートはワーカビリティーが悪い。一方、過度に練混ぜ時間が長いと、骨材が砕かれて微粉の量が増したり空気量が減少したりするため、ワーカビティーは悪くなってきます。ワーカビリテイを要約すると、コンクリートが固まらない状態の施工のし易さの度合いのことです。流動性や粘りなどさまざまな要素がからんできます。

 

 

 

ワーカビリテイと介護

介護・福祉にワーカビリテイが採用されている、実例としてはまだ多くはありません、その理由にはいくつかの問題があるからだと思われます。問題点の発掘の前に介護・福祉におけるワーカビリテイの基本的な考え方について説明したいと思います。
介護におけるワーカビリテイは ※1ケースワークの過程において展開される ※3.ワーカーと※2.クライエントの関係において、クライエントがワーカーの働きかけに応えて、自ら問題解決に取り組んでいこうとする意欲のことです。

地域福祉では、福祉サービスの利用者(クライエント)が問題解決のために、当事者や家族との関係、地域社会への意識改革、支援専門機関への認識、支援体制の整備などを通じて、問題解決への能力を高めていくことを言います。クライエントが問題解決へ取り組む機会として三つの要素が考えられます。又クライエントのワーカビリティを高めることがソーシャルワークの役割とされています。
☞ 【One Point Advice】
※1.社会事業のひとつの方法で、精神的・肉体的・社会的な生活上の問題をかかえる個人や家族に個別的に接し、問題を解決できるように援助すること
※2.社会福祉制度を利用する人。福祉サービスの対象者や当事者、非援助者、受給者、来談者など本人やその家族をいう
※3.ソーシャルワーカー、ケースワーカー
※4.Parlman Heles Harris(1905年~)アメリカのソーシャルワーク研究者

●ワーカビリティの3つの要素

①動機付けーサービスを利用して問題解決に取り組んでいく意欲を高める。
②能力ーサービスを利用して問題解決に取り組んでいく「能力」を高める
③機会ーサービスを利用して問題解決に取り組んでいく「条件」をさがす。

ワーカはこの考え方に基づいてクライエントが、抱える自らの問題の解決の為の意欲向上に努めて、いく事がワーカビリテイ本来の目的とされています。
介護の分野におけるワーカビリテイは、※4.パールマンが自我心理学を取り入れ独自のソーシャルワーク理論の開発を行い、その開発結果からクライエント(利用者)が問題の解決に挑む事をワーカビリテイと呼ぶようになりました。その理論の中で提唱されているのがクライエントが問題解決する為には4つのPから成り立つとパールマンは提唱しています。
①人(person)ー利用者
②問題(problem)ーその人と環境との間に調整を必要とする問題
③場所(place)ーソーシャルワーカーが所属し、ケースワークが具体的に展開される機関施設
④過程(process)ーソーシャルワーカーと利用者との間に築かれた相互信頼関係を媒介として展開される援助の過程
介護に携わるソーシャルワーカーやケースワーカーはこの4つの基本的な理念に基づき、クライエント(利用者)に対して、先に挙げましたワーカビリティの基本理念の3項目を考慮して、クライエント(利用者)が自ら抱く問題を自ら解決できるよう意欲的にさせる事、その為にクライエントと家族の関係の構築、地域社会へ認識の付与なども問題解決には欠かせないものです。クライエント(利用者)が問題点の解決を、自ら解決するための理論として考えられたのがワーカビリティの本来の目的です

 

 

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ワーカビリテイの介護利用例

ワーカビリテイが現在介護で実際に運用されている物としては現在認知症患者の介護保険の認可申請や更新時に行う、「日常生活自立支援基準」の設定時にワーカビリテイの手法の取り組みや自立支援法での調査綱目への導入が検討されています。ここに認知症高齢者の日常生活自立支援基準の一例を紹介しますので、その中でワーカビリテイの理念である利用者自ら問題の解決への意欲がどのように生かさせれいくか考えてみましょう。

日常生活自立支援基準

認知症高齢者の日常生活自立度とは簡単に言うと、認知症の方にかかる介護の度合い、大変さをレベルごとに分類したものです。これから増加してくる認知症患者の自立度を判断する為にワーカビリテイの考え方も取り入れられ事だと思われますl

■ 日常生活自立度(Ⅰ)

軽度の物忘れがありますが火の不始末や薬の飲み忘れは見られず、家族や支援をする人がいれば日常で困る事はほとんど無い状態といえます。 認知症ではない、年齢相応の物忘れの方もこのレベルで判定されている方をよく見かけます。軽度認知障害(MCI)の場合もありますので、物忘れがあって心配だと思われる方は一度専門医を受診される事をお勧めします。

■ 日常生活自立度(Ⅱb)

客観的に認知症の進行度合いを観察する上で、自宅外と自宅内ではどちらが認知症の方にとって活動しにくいでしょうか? 答えはもちろん自宅外です。何故なら住み慣れた自宅の中ではある程度生活習慣に根付いた行動が出来るため、自宅外と比較すると活動しやすいと思われます。しかし自宅外では環境が常に変動し、新しい事の記憶や適応能力が低下した認知症の方にとっては、外に出る事が毎回「未開の地での冒険」のようになってしまいます。従って、自宅内での活動にも支障がみられるようになるということは、それだけ認知機能が低下したと判断する事ができるのです。

■日常生活自立度(ⅲa)

認知症の中核症状・周辺症状が共にⅡレベルより悪化し、支援を受けていても在宅生活が困難となった状態です。食事や排泄といった日常生活において重要な行動が自力では出来ず、周辺症状により介護者へ重い負担が掛かるようになります。このような症状が日中を中心に発生している頃がこのレベルです。

ここに紹介しました日常生活自立支援基準は一例ですが、認知症患者も含め高齢者、障害者等もそれぞれにこのような自立支援基準は設けられています。それと共に多く問題も抱えています。ワーカビリテイーでいうクライエント(利用者)がこのような日常生活での自立で多く問題を解決していく意欲的向上は可能な事でしょうか?もし利用者自信が意欲的で積極的行動に出れるようになれば、色々な効果も期待できる事です。

 

ワーカビリテイの注意点

ワーカビリテイを実際介護現場で活用している、状況はあまり見受けられません。なぜならばワーカビリティに限らず海外で開発された様々な介護の技法や介護療法が、今まで色々な国から話題になり伝わってきていますが、世界で高い評価を得ても、日本国内ではなかなか定着しません。それには大きな日本人特有な壁の存在があるからだと思われます。

定着しない海外の介護システム

国内でワーカビリテイに限らず海外の介護システムが世界でも評価されているのに、なかなか定着しない原因の1つが日本人の国民性と言うものにあると思います。欧米人は子供の頃から自立、自主性、発言力、自己主張と言った個人中心の考え方があります。日本人は逆に協調性、団体、組織といった、個人を主張して自立するような国民性になっていません。日本人は個人を主張することに対しての考え方が子供の頃からだ定着していません。
今回のワーカビリティにおいてもクライエントいわゆる利用者が自ら問題を解決するということに対して 日本人の感性から見て「要介護者に何故そこまで」という言葉が出てくると思います。日本の介護業界においては、まず頼るというシステムが定着していて「介護職に頼る」「介護保険に頼る」「家族に頼る」 というような頼る文化性があります 。介護現場でも要介護者の自立と言うものを積極的にすすめていますが実際は、ヘルパーや周辺の介護職がサポートして全てやってもらう状況が殆どではないでしょうか。

「利用者に問題を解決する為の意欲の向上」が出来れば「考える事」「意欲的意識」等で認知症の防止策や老化防止等への効果も期待できるすばらしい事実になることです。

 

 

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まとめ

ワーカビリテイも利用者が自ら自立して、様々な問題も自分自身で取り組んでいくような気力や精神力があれば可能性はあると思われますが、まずそこに至る迄の心の強化が必要ではないでしょうか。特に大半の高齢者の場合に多いのが物事に対する意欲、欲望、集中力の欠乏が高くなってくる為です。

高齢者も要介護者も意欲的何かに取り組んでいく事は色々な防止対策になります。

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