療養病床が廃止になる!?現役介護士が療養病床廃止を考えてみる

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療養病床という施設はご存じだと思いまます。両親や回りの方で医療を兼ねて入所されている方は現在かなりの人数がおられます。現在施設として大いに利用されている3大施設特別養護老人ホーム・介護老人保健施設に療養病床でそのひとつが廃止になります。
今回は廃止至る背景、今後の動向などをを報告させて頂きます。

 

療養病床とは

医療法において、病院の病床は5分類(一般病床・療養病床・精神病床・感染症病床・結核病床)に整備されています。
療養病床とは、主として長期にわたり療養を必要とする患者のための病床で、病床面積や談話室の設備が必須であり、又、医師・看護師・介護士の配置人数が定められています。
療養病床には、次の2つの形態があります。
①医療療養型病床:慢性期の状態にあって入院医療を必要とする患者に対するサービスを医療保険で提供する病床
②介護療養型病床:要介護認定された患者に対するサービスを介護保険で提供する病床必要に応じて医療も受けられます。
療養病床に対して、主として急性期の入院治療を必要とする患者のための病床が「一般病床」です。

[医療区分について]*1.

平成18年以降、医療必要度により「医療区分1~3」分類されております。
各病院には入院関して病院独自の医療区分を設定しています。全てが医療区分1~3の該当者とは限りません。

[ADL区分とは]*2

医療区分が病気や医療処置による分類に対して、ADL区分は身体機能による分類となります。
①ベッド上の可動性 ②移乗 ③食事 ④トイレの使用 の4項目に対して、
手助けや見守りを受けずに自分で行える状況から、すべての動きにおいて介助または介護を必要とする状況までを6段階に点数化し、24点を最高得点として、ADL区分3段階と分類する事となります。
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*1医療療養病床は、もともと患者の状態に関わらず、すべて入所させていたため、軽症で入院の必要性のない患者も入院させている病院が多くありました。そのため、世間から「療養病床は社会的入院の温床である」というイメージがもたれていました。
その状況を改善するために、平成18年7月より ”医療区分” と ”ADL区分” を用いた9段階の入院基本料の分類制度が導入されました。
*2 ADLとは食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指す。基本的日常生活動作(Activity of Daily Living)を言います。

 

 

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療養病床の役割

療養型病床での看護師の役割は、入所した人が安全に生活できるように医療の専門職としてリハビリテーションや介護職の人々とチームを組み、生活を守ることです。
具体的な仕事は医療処置や全身状態の観察、合併症の予防、感染対策、リハビリテーション、緩和ケアなどになります。一般病床と大きな違いはありませんが、病状が安定している患者さんが多いので、医師の補助的な仕事よりも、介護に関わる仕事の割合が多くなります。また、療養型病床では一般病床よりも患者さん当たりの看護師の人数が少ないので、看護師が受け持つ患者の数は多くなりますが、必要な医療処置は少ないので、比較的ゆったりと勤務することができます。

更に、療養病床の機能を明確にしておけば、急性期病院の後方支援としての役割が果たせると考えられます。 また、現在、認知症の患者に合併症の治療が行える場所が余りない為に。精神科病棟では内科的治療が充分に行えない事や、認知症で問題行動がある場合、急性期病院での受け入れが難しいなどの問題があります。このような患者をどこで効率的に診るかを検討する必要があると考える。多くの療養病床では、認知症患者を診る役割も担っていると思われます。

PEG(胃ろう)患者の受け入れ体制

経管栄養いわゆるPEG(胃ろう)の状態は、現行の介護施設では人員配置からして受け入れ困難であり医療療養病床で対応すべきと考えられます。今後胃ろうの状態の方々の受け入れを介護施設で行うには人員配置基準の見直し、法的見直し(権限委譲)、教育実施等などを実施していかねばならず、先ず計画立案が必要な段階です。 したがって、受け入れ態勢が整備されるまでは早急に政策判断を見直し医療*3.区分1のADL3の報酬をコストに見合った額に修正することを提案すべきだと思われます。

療養病床の役割の課題

医療療養病床の役割については、次のような事を検討すべきではないでしょうか。
・誤嚥(ごえつ)性肺炎の要介護者が在宅、介護保険施設から入院するのは、一般病床か、療養病床か?
・急性期病床から、亜急性期病床を経て、在宅等に戻るのか、療養病床を介して戻るのか?
・脳卒中は、回復期リハを経て戻るか、療養病床を経るか?
・緩和ケアは、緩和ケア病棟だけで提供するのか?
療養病床は医療設備の整った、介護施設として現在も、これかも認知症や胃ろうの患者の療養先として他の施設にはない療養先として利用頻度は高くなることと予想されますが現実は思っているようにはいきません。

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*3医療区分による入院報酬
療養病棟入院基本料1(1日につき)    単位:点
医療区分1   医療区分2   医療区分3
ADL3               952                        1,397                     1,795
ADL2               900                       1,370                     1,741
ADL1               800                       1,215                      1,454

 

療養病床のメリット・デメリット

メリット(機能性・価格)

療養病床の最大のメリットは医療機関と介護施設の両方に備わってる事で、さらに在宅で対応できない様な医療行為に関する介護についても療養病床では対応可能なため、一般病棟と比べ長期の療養も可能であり、介護職員も配置されているために家族も介護の心配をする必要性もないことが最も大きなメリットと思われます。
やはり医療ケアや機能訓練などの施設が充実しているという部分にあります。脳梗塞などで寝たきりとなってしまっている場合、長期間寝たままになるため床ずれになってしまったり、胃ろうになってしまう危険があります。これは予防のために医学的な管理が必要となりますから、医療ケアが充実しているかどうかというのは非常に重要となります。介護を必要とする方の症状には、医療的なケアが必要不可欠な事も多く、そういった方にとって医療ケア施設が充実している療養病床は魅力的な場所と言えます。もうひとつのメリットである機能訓練施設の充実も、非常に大きなメリットです。現在は歩くことができなくても、機能訓練を行っていくことで将来的には再び歩けるようになるというケースは多く、そのためには機能訓練施設の充実が欠かせません。

将来的に機能回復を目指してリハビリをするのなら、やはり施設の充実している療養病床を選んできちんとした機能訓練を行う事が望ましい事です。

また、利用料金が比較的安い、入居一時金が必要ないといった費用面でのメリットもあります。療養病床に入所する場合、どうしても長期間となりますので料金が安いというのは魅力的なメリットと言えます。費用を抑えつつ、充実した施設も揃っているため安心して医療的な介護が必要となる方が入所できるという事こそ、療養病床のメリットです。

デメリット(将来の存続)

デメリットとして考えられるのは。療養病床は、制度の廃止が2017年度末に一旦は廃止の方向性になるなど、今後、渡期に立たされてい8る施設でもあります。今も尚、療養病床のあり方は、議論されています。
2015年4月の介護報酬改定に伴い、介護療養病床の新しいタイプとして、「療養機能強化型介護療養型医療施設」が新たに設けられました。このような制度の変化がある可能性が大きく、施設の存在が今後どうなるか分からない所にあります。

 

 

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療養病床が廃止になる背景

療養病床の廃止に伴う新施設は、2018年4月からスタートします。ここでは、療養病床が廃止される経緯と理由をお伝えします。

●廃止の経緯

厚生労働省は、2016年12月に、2017年度末で介護療養病床を廃止する方針を発表しました。実は、2006年にも同じ方針が厚生労働省から発表(2011年度末での廃止を検討)されましたが、当時は本来の移行先であった「介護老人保健施設」などへの移行が進まず、改正を延長した結果、2017年度末での廃止に至りました。

廃止の理由

2011年度末での廃止を検討していた段階で、厚生労働省は、療養病床と介護療養病床の入院患者の状況を調査し、「医療の必要性の高い患者と低い患者が同じ比率で混在する」という統計を出しています。
そこで、介護療養病床に入院する医療措置の必要性の低い患者を「従来から介護保険サービスを提供する介護施設」に移し、医療措置の必要性の高い患者は「医療療養病床」にスライドさせることで、より効率的なケアを実施できるようにするだけでなく、以前から抱える高額医療費の問題や、看護スタッフの人員不足もまとめて解決しようというのが、療養病床を廃止する理由です。

●転換の現状

介護療養病床

2006年の時点で全国の介護療養病床数は約12.2万床でしたが、現状は5.9万床減の約6.3万床です。2011年以降、介護療養病床数の新設は認められていないものの、大幅に減少しているということは、すでに廃止に伴う影響が出ていると考えられます。

療養病床

2006年の時点で全国の療養病床数は約26.2万床でしたが、現状は1.5万床増の約27.7万床です。大幅減少している介護療養病床とは対照的にほぼ横ばいですが、2018年4月から実施する転換の対象になるのは「療養病床全体で約14万床」のみです。そのため、入院比率で上回る療養病床の入院患者があぶれ、行き場所がなくなることを懸念した「反対派の意見」もあります。療養病床を廃止する本来の原因は全て政府の財政再建によるものと思われるます。現在の介護施設の中で最も 経費がかかる療養病床を廃止することにより 、財政再建の 一環となる思われているようですが、これから重度の患者や認知症の患者などの受け入れ先はどこを目指せば良いんでしょうか。

転換する施設の内容を把握する

療養病床の廃止制度は、あくまで基本方針です。実際に転換できる施設の総数は公表されていないため、在宅復帰を視野に入れた動きもあります。しかし、「家族による在宅介護が難しい場合はどうするのか」「十分な在宅医療や在宅介護サービスを提供できるのか」など、転換の裏には解決しなければならない問題も多く抱えています。

療養病床に入院している人は、受け皿となる施設の特徴をよく比較検討しておきましょう。新施設に関する相談相手には、病院の窓口であるソーシャルワーカーやケースワーカーだけを選ぶのではなく、ケアマネジャーやサービス提供責任者といった介護現場のスペシャリストも選択肢に入れることが重要です。

 

 

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まとめ

療養病床が廃止になるということは現在入所している患者さんや、今訪問看護や医療関係者の介助により在宅介護での生活を行っている介護者も在宅介護ではこれ以上不可能な環境になった場合療養病床に入所を検討していた要介護者の身の振り方はどのようにしたらいいのでしょうか。

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