バイタルサインを見逃しちゃダメ!やり方は?注意点は?

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「バイタル」と言う言葉を医療ドラマなどで耳にしたことがある人は少なくないと思います。バイタルとはバイタルサインの略語で医療機関や介護施設では当たり前のように使われています。そもそもバイタルとは何なのでしょうか?なぜ、バイタルは必要なのでしようか?

今回は「バイタルサイン」についてご紹介させていただきます。

 

バイタルサインとは

バイタルサイン(Vital signs)とは「生命兆候」と言う意味の医学・医療用語であり、医療機関や介護施設の現場では「バイタル」と呼ばれています。
バイタルは体調の良し悪しが数値化して測れる健康の判断材料になります。「意識状態が悪い」「血圧が高い」「呼吸が速い」など、毎日計測していくうちに日々の状態や変化などをいち早く察知することが出来るのです。

測ることに意味がある

毎日バイタル測定をしていくうちに、体調に変化があった時などにすぐに気付けるようになります。医療機関や介護施設では日々の状態を把握する目的で毎日測っている施設が多くあります。また、寝たきりの方や認知症で、言葉では体調を伝えることが出来ない方であっても、体調が良い時悪い時は日々のバイタルを見ていればわかるようになります。

バイタルサインが必要になってくるシーン

バイタルが必要になるシーンはたくさんあります。
① 降圧剤などによる血圧の急激な変化が見ることが出来る
② 入浴前に測り、入浴しても可能な体調であることを把握する
③ 救急車にて搬送される時に救急隊に症状をきちんと説明出来る。
④ バイタルをとっていることで、他施設や医療機関へ正確に報告出来る。
など、様々ありますが、一番の強みは医療機関へのスムーズで性格な報告が出来るところだと思います。日々のバイタルが分かっていることで、医師も治療方針を短時間で決めることが出来ますし、継続している治療が合っているかの判断材料にもなります。

 

 

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バイタルサインの種類

「脈拍」「呼吸」「体温」「血圧」「意識レベル」の5つがバイタルサインの基本であり、介護施設では「脈拍」「体温」「血圧」を測っているところが多くあります。新生児や乳児、思春期、成人、高齢者では正常値が異なってきます。ここでは「高齢者」の正常値などについて紹介いたします。

種類別の正常値

① 脈拍

「60~70回/分」の間とされています。

② 呼吸

「16~20/分」の間とされています。

③ 体温

「36.0℃~37.0℃」の間とされています。
しかし、理想の平均体温は「36.5℃~37.5℃」と言われています。

④ 血圧

「最高 120 / 最低 75 」の前後とされています。

⑤ 意識レベル

これは緊急搬送時などに救急隊によって使われますが、1ケタ・2ケタ・3ケタで表現されます。3ケタだと、意識状態がないと言われています。通常時は「はっきりしている」などと表現されます。

上記が正常値と言われています。これは個人差があり、これが全て正しいわけではないのを念頭に置いといていただけたらと思います。

正常値でなくても悪いわけではない

正常値について説明させていただきましたが、正常値ではないから「悪い」と言うことでもありません。
元々高温体質であったり高血圧だったりする人がいます。医師の指導の下、薬を服用していて「(血圧が)高いなら高い」で毎日継続していれば問題があるとは言い切れないのです。

 

バイタルサインのチェックの仕方

バイタルサインのチェックのことを「バイタルチェック」「バイタル測定」などと言いますが、バイタル測定をする際に注意するべき点をご紹介させていただきます。

バイタルチェックの流れ

ここでは介護施設で主に行われている方法でご紹介いたします。

① 脈拍・血圧

これらは電子血圧計を使用して同時進行で計測・結果が出るのが一般的です。
電子血圧計には上腕用と手首用があります。それぞれ、血圧計にもイラストで描かれていますが、イラスト通りに行わないと、異常値が出たりします。
計測前に大きく深呼吸してもらい、計測中は話してはいけません。会話していて測っている時や、興奮しているときは結果が高く出る為、要注意です。

② 体温

腋下(脇の下)に入れて測ります。水銀部分を腋下中央にあてて縦に体温計を入れます。
また、熱発している時に腋下を冷やすことがあるかもしれませんが、両腋下行うと計測がしづらくなる為、体温を測れるようにする為にも片側のみ行うのが良いでしょう。

バイタルチェックをしている時、「話していると血圧が上がるから」と黙ってみているだけの人がたまにいますが、それは却って血圧が上がってしまいます。リラックス状態をキープしてもらって測ることが大切です。

 

 

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バイタルサインのポイント

バイタルサインの正常値は<バイタルサインの種類>でご説明させていただきました。ここではバイタルサインのポイント(異変時)についてご紹介させていただきます。

脈拍が異常な時の対応

脈拍は起床後と運動後や興奮時では数値が正常値を大幅に超えて結果が出ますが、それを「頻脈(ひんみゃく)」と言います。頻脈とは一分間に100回以上の状態とされていて、高齢者では脱水も発生しやすくなっています。運動後や興奮している時は、直後の結果だけではなく水分を摂ってもらい再度計測することが重要です。また、一分間に60回を下回った場合は「除脈(じょみやく)」と言います。

血圧が異常な時の対応

血圧も脈拍と同様、起床時と運動後や興奮時では大きく異なります。また、降圧剤(血圧を下げる薬)を服用している場合や、人によっては最高血圧が100を下回ることが普通の人もいます。血圧に対しては個人差は当然だと思っていてください。降圧剤を飲んで血圧を下げている場合、内服前の血圧と内服30分後以降の血圧も測っておくのも良いと思います。
血圧が低い場合は、仰向けで寝かせて足を高くし、しばらく時間をあけてから測るとより良い数値が出る為、緊急時に血圧が下がってしまった場合はこれを意識することが大切です。

 

注意点

バイタルサインには色々な病気の発見に繋がる場合があります。毎日計測することで初めてわかることもあります。入浴前のみしかバイタルを測らない施設もありますが、毎日測ることでわかることがある方がメリットは大きいと思います。

バイタルの重要性の理解

バイタルの重要性を理解していただけましたでしょうか。毎日測ると時間がかかるため、面倒と思ってしまいがちですが、自分の為、高齢者本人の為にバイタルは必要となってきます。
実例をひとつあげさせていただくと、119番をしている間にバイタル測定し続けていたら、施設から病院へ向けて出発する時間が通常より短縮していたことがありました。バイタルは「今」の状態も必要ですが、「過去」のものも一緒にデータ化しておくことで、一連の流れとして見られるので良いと思います。バイタルサインは命綱と言っても過言でもないと思います。「何かあってから」では遅いのです。日頃からつけておくことで命が救われるならやっておいても損はしないでしょう。

血圧が高い人への声掛け

高血圧の人に血圧測定を頼むと「高い」と言われる機会が多いですが、それは介護者も分かっていると思います。しかし、高血圧だとしても薬で下げて、高いならば高い状態をキープ出来ているのなら良いと医師は言います。それでいいのです。血圧を下げることは出来ますが、血圧を上げることは出来ません。その旨を声掛けしてからバイタルチェックをすることで、少しリラックスしてバイタル測定をすることが出来るようになります。

 

 

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まとめ

今回はバイタルサインの必要性を主にご紹介させていただきました。バイタルはとても重要な判断材料です。「いつも変わらないから」と測るのをやめてしまうのではなく「継続して行う」ことで見えてくる病気があります。

それを高齢者本人へ理解していただき、また、介護者もバイタルの必要性をきちんと理解し把握することで必要性が見えてくるのではないでしょうか。

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