ますます需要は拡大する介護業界の「営業職」とは?

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夏も終わり9月も半ばを過ぎると、介護施設では敬老会といった行事が催されます。
職員が歌や寸劇を披露したり、景品が当たるビンゴゲームをやったりしますが、施設の性質上、地域住民にも開放される事があります。こういった行事は施設をより身近に感じてもらう事により、将来の施設利用を促すという営業活動の一端を担っています。
今回はそんな介護施設の営業活動やそこで従事してる人をご紹介したいと思います。

介護の営業とは

そもそも「営業」とはどうのような業務を意味しているのでしょうか。法律上は、営利を目的とした企業活動全般を指して使われる事がありますが、ここでは「職業としての営業(営業職)」にフォーカスし考えてみたいと思います。
企業は個人または集合体が、ある目的、営利企業の場合は営利を目的とし、一定の計画に従い継続的に経済活動を行います。その経済活動は、商品(有形商材)・人材(無形商材)などを開発・育成し、それを商材として顧客に提供し対価を得る事で成り立ちます。営業職はその商材と顧客を繋げ購入を促進し、売買契約を結ぶ事で売上を作り出す事を仕事としています。その内容は顧客開拓から商材の売り込み、契約の締結や既存顧客のケアなど、多岐に渡ります。また企業と外部との接点となる為「会社の顔」と称される事もあり、ひいては顧客が潜在的に持つ需要を吸い上げ、商材に反映させるというマーケティングや企画部門を含むとも考えられます。

次に、介護業界では何を商材として取り扱っているのか、具体例を挙げて分類してみましょう。高齢者に対し開発・提供される車椅子や杖などの福祉用具や配達されるお弁当などはカタチあるものなので、有形商材となります。

一方、介護支援専門員(ケアマネジャー)や訪問介護、デイサービスなどは利用者に対し、それぞれカタチのないサービス(相談や介護など)を提供している為、それは無形商材と言えます。介護施設や食事提供のあるデイサービスは、カタチのない商材(介護など)とカタチのある商材(食事など)、つまり有形・無形の両商材を販売している事になります。

 

 

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介護の営業の業務内容

続いて、介護業界における営業職の業務内容を考察してみましょう。前述の通り、営業とは商材と顧客とを結び付け、売上を生み出す事です。その営業とは、最終顧客に対し行う営業(直接営業)と、複数の顧客を有する媒体に対し行う営業(間接営業)とに分ける事ができます。

介護の直接営業

介護業界では、最終顧客である高齢者に対し直接商材を紹介したり販売したりする事が直接営業となります。しかし、高齢者を狙った詐欺業者が蔓延る昨今では、電話や訪問販売から始める営業は警戒の対象となり、性質上不向きだと考えられます。

高齢者に対する対面営業には安心できる環境が必須です。例えば、市町村が開催する高齢者向けのイベントは、主催者が公の機関という事で、不信感が和らぎます。そういった介護イベントで、自社の商材を紹介する事は、それを利用する最終顧客に直接アプローチする事になります。また、対面式ではない直接営業としてポスティング(チラシ配布)がありますが、家族などと共に確認できる事から、安心して内容を確認できるという効果があります。

介護の間接営業

多数の高齢者を抱えている媒体に営業を行う最大のメリット、それは顧客獲得の効率化です。デイサービスや福祉用具事業所などのサービス事業者は、主にケアマネジャーに対し営業活動をします。ケアマネジャー1人につき40人程の利用者を抱えているので、1人のケアマネジャーに商材を売り込む事は、最大40人のエンドユーザーに届く事になります。また、介護施設の営業は、この先施設入所の可能性がある高齢者が対象となり、ケアマネジャーや病院が主な営業先になります。

ケアマネジャーの営業先は、この先在宅生活が考えられる高齢者が対象となるため、病院や地域包括支援センターなどになります。

 

 

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介護の営業にも資格って必要?

介護の営業業務を行うにあたり、特有な資格はありません。しかし、各顧客に適した商材を売り込むためには、当然扱う商材を熟知していなければならず、同様に自身の仕事が該当する分野に精通している必要があります。

介護の営業はその業務を単独で行うより、他の業務と兼務している事が多いのが実情です。介護施設の入退所に係る業務を担当している生活相談員(保有資格/社会福祉士等)は、将来の利用者を獲得するために、在宅高齢者を抱えているケアマネジャー事業所に営業をかけます。訪問介護事業所のヘルパーを束ねているサービス提供責任者(保有資格/介護福祉士等)は、自事業所の空き状況をケアマネジャーに報告し、仕事を割り当てられるよう働きかけます。

サービスを商材としている介護においては、サービスを提供する事が商品を販売する事にあたり、サービスをこなす事自体も営業に含まれると考えられます。

福祉用具の営業では、専属の営業が活動する事もあります。しかし、福祉用具貸与・販売事業所が介護保険適用の指定を受けるには、2名以上の有資格者(福祉用具専門相談員)の配置が義務付けられていて、合わせてその資格が研修受講のみよって取得できるという性質上、有資格者が営業を行っているケースが多く見られます。

 

介護の営業の年収と手取り

会社には様々な部門があり、それぞれの役割を果たす事によって経済活動が成り立っています。営業には売上を作り出す役割が課せられますが、経理や総務など、直接売上には関わらなくても、会社の運営には欠かせない部門もあります。そういったバックオフィス(間接部門)に要される費用(人件費)も、営業職(直接部門)が作り出さなければなりません。

このような背景から、営業の仕事は、自分の給料の3倍の利益を出して成立すると言われています。

営業系の年収を職種別に見てみましょう。マイナビ転職(就職・転職支援サイト)調べによると、海外営業が最も高く507万円(全年代の平均年収)、次いでメディカル営業の489万円となっています。どちらも非常に高い専門性が求められ、かつ高額な商材を扱った取引が継続して行われている点が、高い年収に繋がっていると推察できます。

介護系の求人サイトを閲覧すると、営業職(福祉用具専門相談員)の年収は300~350万円ほどで東北・九州地方がやや低く、関東・関西地域がやや高く設定されていて、ノルマ(売上目標)を達成する事が求められます。またノルマがなく歩合制を取り入れている企業もありますが、その場合は基本給が低くなると考えられます。

介護企業大手の営業部長クラスになると、その年収は800万円ほどまで引き上げられます。

 

 

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まとめ

一般的に65歳以上を対象とした介護保険サービス事業では、安定的な売上が見込める反面、財源による頭打ちがあるのも事実です。また、拡大する介護業界で競合他社に太刀打ちするには、営業の任務は重大です。

そこでは安定的な売上に加え、周辺分野からも収益に繋げられる、広い視野と自由な思考が必要なのかもしれません。

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