介護の派遣はどうなの?待遇は?

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介護の業界は、深刻な人材不足が続いています。各事業所も様々対策を講じて求人活動を行っている状態ですが、現実は、新卒は勿論中途採用者もうまく採用できる状態ではありません、そこで多くの事業所が頼りにするのが介護職員の「人材派遣」です。
しかし、この業態を活用する利点や問題点もありますので、その点を紹介させて頂きます。

 

介護の派遣とは

一般的に会社などに就職するにはまず第一に正社員を希望していきますが、中にはパート・アルバイト・派遣といった非正規社員もあります。介護の業界も通常は採用社側も正社員として採用の募集をしますが、現実は「きつい」「汚い」「給与が安い」等を理由に採用に至っていません。
そこで利用されるのが「介護職の派遣」です。

介護職の派遣の利点・問題点

■派遣社員として勤務する利点

介護業界の正社員の給与は厚生労働省の基準賃金調査報告で平均23万と報告されていて、他の業種よりかなり低い水準になっています。しかし派遣社員の時給は現在の派遣社員の月収から逆算すると1,800円くらいにもなり、現状では派遣社員として勤務する方が手取りの給与(現在平均30~32万)だけを考えると利点はあります。

■何故派遣社員は給与が高いのか

介護職員を採用する側の事業所は、派遣社員は派遣費用のコストが割高になることは、十分に理解した上で派遣社員を採用しなくてはいけない事業所としての理由があるからです。
介護派遣の時給が異常に高くて正社員よりも稼げてしまう理由は、介護職の離職率の高さが原因です。急に職員が辞めてしまうと、採用担当は急いで人材募集をはじめます。人手が足りないと現場が回らなくなる事も理由ですが、最大の理由は介護保険制度をクリアするため。
介護保険制度では、一定数以上の職員を配置しなければいけないという基準があり、これに違反すると介護報酬が減額されたり、最悪の場合罰則を受けて廃業してしまうケースもあるそうです。焦る理由はこれです。

採用する事業所も割高になる派遣社員の採用は避けたいのが本音だと思いますが、今の介護業界の募集状況を見る限り一般の職員を即採用できるような状況ではありません。そのような同じ環境の全国の事業所はこぞって派遣社員を採用して「穴埋め的」措置をとらざる得ない状態になっています。

そのような状態になると経済の基本となる「需要」と「供給」の変化により派遣社員のコストは益々上がっていき、採用する事業所の負担は大きくなります。

■介護派遣社員特有な位置付け

社員の雇用形態にはパートやアルバイト等の雇用形態がありますが、では派遣社員とどのように違うのかというとパートやアルバイトは事業所と雇用者の間で直接雇用契約を結びますが、派遣社員を採用する場合は派遣会社との派遣社員契約になります。その事により、労働時間や残業等が厳しく契約で取り決められているために、パートやアルバイトのように「ちょっと残ってくれる」「サービス残業」等が気がるに言えません。
派遣社員は派遣法という法律で管理されていて、残業は25%加算等の規定があり、介護派遣社員を利用する時は次の事をよく理解した上で派遣社員を利用される事をおすすめします。

派遣利用時ポイント

◾派遣社員は事業所の都合に合わせた時間や曜日、人数、回数等を指定できる。
◾質の悪い派遣社員はキャンセルして代わりの人材を要求出来る。
◾派遣コストが割高になる
◾就業規則が事業所に合わせられない、派遣法が基準となる

 

 

 

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介護の派遣の役割

派遣の役割と題しましたが、介護でも他の業種でも「一旦現場に出ると」派遣も正社員も雇用形態による役割の違いはないと思います。介護の場合を考えると、介護資格有し者と無資格者では当然扱える内容や役割は違ってきますが、資格者であれば、在宅でも施設でも正社員も派遣も役割は「利用者の為に快適で心豊かになるサービスを提供」する事ではないでしょか、現場に出た時に名札に「私は正社員です」「私は派遣です」とは書いていません。利用者から見たらよくて「○○会社の●●さん」か一般的には「ヘルパーさん」くらいです。但し現場での指揮、命令、判断が必要な時は正社員の指示を受ける必要性は派遣される時に派遣会社から指導されます。介護でも異業種でも現場に出ての役割は雇用形態での差はなく、いづれも「プロと意識をもってもてる技・知識」を顧客の為にいかす事ではないでしょか。しかしは「自分は派遣だからそこまでする必要がない」と思いサービスにあたっている派遣社員が多いようです。

派遣社員への依存度

今の正社員の現状は、現場の介護業務の他に、事務作業や委員会活動など、やらなければいけないことが多く、忙しすぎて、また人が辞めての悪循環です。このような状態のために派遣社員に対する依存度は当然高くなりますが、介護派遣の仕事内容は、決められたシフトの業務に限られています。正社員と同じシフト内容であり、忙しさも平等です。しかし、追加の事務作業や雑務がありません、それに伴い残業もほとんどなく。こういった決められたことだけを行う事務的な考えだけでは、色々な局面を迎える介護現場で、利用者の為の本来の介護ができる介護のプロとしての意識を持ち続けることが出来るのでしょうか。

 

介護の派遣の待遇

■正社員より高くなる月収・時給

パートやアルバイトとは違い、給与形態が派遣会社に依存し、残業すればその分だけ給与に反映されますので短期間で高収入を得る事が出来ます。但し、会社によっては社会保障が無かったり、ボーナスが無い場合もありますので注意が必要です。しかし、たとえボーナスが無かったとしても正社員の年収を上回る事も十分可能です。また、介護職は得てしてサービス残業が多い職種です。施設によって30分刻みで残業代を出す所が多いのですが、派遣会社によっては10分刻みで出すところもあります。更に、時給も正社員より平均100~200円程度高く、正社員の場合で平均で1150円程度。派遣社員は平均で1350円程度です。その差は約200円です。

一ヶ月フルタイムで働くとすれば、出勤日数22日だとして、1日8時間で176時間です。月で176時間分で16,000円も変わってくるのです。しかも派遣社員であれば経験者は1400円以上の時給が普通です。だからどう考えても派遣社員の方が時給がいいということになります。離職理由の一つである「低賃金」という問題を覆す事が出来ます。その代わり良くあるのが給与の事で職員からやっかみを受ける場合もあるので、時給を聞かれても答えないので下さいと通達をする事もあります。
なお、介護福祉士の給与について、一例として挙げたいと思います。

給与例

【施設勤務、22日勤務 勤続年数3年】
基本給15万円+夜勤手当1回7000円×3回=21000円+資格手当2万円+職種手当2万円+通勤手当(距離10km)1万円として大体20万前後になります。
事業所によって、夜勤手当が9000円の所や資格手当が5000円とまちまちですが、大体平均18~24万前後です。派遣社員ならその1.5倍くらいにはなります。

■残業代の違い

介護の現場は思わぬことが発生する環境が多くあります、正社員の場合、定時間で終わる予定が様々な出来事で残業ということになっても、殆どがいわゆるサービス残業で片付けられますが、派遣社員の場合だと派遣会社から給与をもらっているために、残業は会社へ報告する義務があり、派遣法でも残業は25%加算という法律
化されているために、残業をした場合には正社員と月に2~3万は違ってきます。

■夜勤手当ての大幅な各差

介護の仕事で夜勤の仕事はつきものです。正社員で働いていると例え16時間夜勤だったとしても、正社員の基本給のうちに収まってしまいます。増えるのは夜勤手当の数千円のみ。派遣社員であれば16時間であれば16時間きっちり時給が出ますし、さらに深夜勤務になりますので時給はさらに1.35倍になります。(法律で定められています)

以上のように金額的な面だけを考えると派遣社員が例え年2回のボーナスがなくても年収では正社員を勝るかもしれませんが、派遣社員には次のようなリスクを伴ないますので、そこをよく考えるとどちらが自分のためかをよく見定めてから判断されることです。
・将来の安定性がない。
・自分で社会保障費(保険・年金等)を支払っていかなくてはいけない。
・勤務先では責任ある役職に就くことがほとんどできない。
・派遣先の都合により突然の派遣中止もありゆる。

 

 

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介護の派遣の注意点

派遣社員は契約の形は色々ありますが、基本的には登録制で、登録者の中から派遣先へ紹介していきます。そのためには、登録する際に派遣会社をよく調べて、介護派遣社員として登録するなら、介護の業界に精通しているか、バックアップ体制はしっかりしているか等を聞いた上で登録を行うように注意してください。中には悪質なノルマを抱えた介護の知識もないような派遣会社も存在しますので、何社かに複数登録するのも会社を選択するひとつの方法かもしれません。

■派遣社員の行える事の明確化

派遣社員はあくまでも派遣会社と契約を交わしており、派遣会社は人材を派遣するときに様々規約の基づいた派
遣契約を派遣先と交わして両社合意の上での派遣となります。その規約以外の業務をさせられた場合、例えばデイサービスに派遣され、突然送迎の運転手が休んだ場合に、送迎を頼まれたりする事があるようですが、そんな時は必ず断るか、派遣会社に連絡して指示を仰ぐようにすることが最も注意することです。基本的には人命に関わる事は派遣契約では除かれている事が殆どです。その他にも介護の派遣先では要介護者の状況で色々な事が発生することが多くあります。
その時にも自分の役割分担というものを派遣が開始されるときに、派遣会社と派遣先の施設などによく確認をして業務にあたるようにしたほうが、責任問題が発生したときにすべて自分が背負うような事にならないようにしてください。

 

 

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まとめ

介護業界の深刻な課題として挙げられている、人材不足の一時的な対処法として契約社員による対処はこれからの介護業界を支えてく対処法ではないような気もします。
高い派遣コストを支払うならば自社の正社員や新規社員へ待遇改善、職場環境の改善等を行い支えてくれる「柱になる人材」の育成をもっと真剣に考えるべきではないでしょうか?

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