認知症相談はどこにしたらいいの?医療機関?公的施設?

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「親が認知症っぽいのですがどうしたらいいのでしょうか」最近このような質問をSNSや介護の相談などでよく見かけます。
介護保険開始以後「認知症」という言葉はとても広まっていますが、実際家族に認知症のような症状が出たときに、どうしたら良いのかわからないという人が多いのではないでしょうか。
今回はご家族や身近な人が「認知症かも知れない?」と感じた時に、どこに相談すれば良いのかをご紹介させていただきます。

 

認知症相談とは

認知症の相談については2つの状況が考えられます。

相談をする状況

1.家族に認知症の疑いがあるとき。
2.近所の人(家族以外の人)に認知症の疑いがあるとき。

1の場合は公的機関か医療機関に相談を行うのが一般的です。
公的機関(市役所や地域包括支援センター、社協など)に行けば、受診に適した医療機関や今後介護保険を利用する場合などのことを教えてくれます。
医療機関は本当に認知症なのか、また、どのような認知症かなどを診察してくれます。
2の場合ですが、具体的には近所の一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯の人の様子が最近おかしい。道に迷ったり転んで血だらけでもそのまま過ごしていたりなど、明らかにおかしな状況で認知症が疑われるのにそれを支援する人がいないような場合です。他人なのでいきなり医療機関に連れて行くことはできないと思います。

このような場合は市役所の福祉科でも良いのですが、地区の民生委員に相談をしてみるのも良いと思います。地区の民生委員の方がその人の家族や親戚など状況をよく知っている場合もあります。
認知症に関しては早期発見し早期治療開始が大切だと言われています。もしご家族であれば例え認知症でなかったとしても疑わしければ受診をして損はないと思います。

 

 

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認知症相談の役割

民生委員

行政機関や社会福祉協議会等とつながりがあります。行政機関や病院に行くほどでもないのではないか、どうなのかわからないなど、判断がつかないときなども相談してみると良いですと思います。

行政機関(公的窓口)

国や自治体は介護保険の保険者です。介護保険についての説明や、受けられるサービスなどを教えてくれます。医療・地域・介護保険と総合的につながりがあるので、とりあえずどうしたらいいか分からなければ市役所の福祉科などに相談してみると良いです。

医療機関

認知症についての診察をしてくれます。おかしいなと思っていることや本人の状態が認知症なのかどうなのか、また、どうやって治療・療養していくかなどの相談に応じてくれます。ただし、医療機関といっても様々な科があります。認知症は主に精神科、脳神経外科、神経内科、物忘れ外来、老年科などがありますが診療所の内科などでも見てくれるところもあります。それぞれの専門分野がありますのでその特徴を理解しての受診をおすすめします。どの医師も必ずしも認知症に精通しているわけではありません。

ボランティア

病院等であれば認知症家族の会や、地域によっては認知症カフェ等の取り組みをしているところもあります。そういったところでは家族同士、認知症の当人同士の交流により具体的なヒントやアドバイスな生活面の相談を通じて仲間作りの場としても活用できます。

 

認知症相談サービス紹介

市役所等の福祉科、または福祉相談窓口

相談者ではなく認知症本人在住の市区町村の市役所に行ってください。介護保険は市区町村によって多少違いがあり、サービスによっては在住市区町村外のサービスを受けられない場合もあります。その為必ず認知症本人(介護を受ける本人)の在住市区町村である必要があります。
市役所の福祉課はその自治体の福祉をまとめているところですので、状況に合わせて相談窓口や医療、介護などのサービスを教えてくれます。

精神保健福祉センター

心の健康に関する相談事業を行う公的機関です。精神科医やソーシャルワーカーなどの専門のスタッフが相談を受けています。
相談だけではなく、診療、デイケア、リハビリテーションの機能を持つところもあります。
当道府県や政令指定都市に1箇所設置が定められています。

地域包括支援センター

地域の高齢者や介護家族の相談を受けて必要なサービスへつないでくれます。認知症の初期症状の相談にも乗ってくれます。地域の介護や医療に詳しい特徴があります。 市役所に聞けば最寄りの地域包括支援センターを教えてくれます。
市役所の福祉課との違いは福祉化では基本的に各サービスなどを紹介してくれるだけですが、地域包括支援センターは実際にサービスなどと繋げたりしながら支援してくれます。

社会福祉協議会

ボランティアや民生委員との連携が特徴です。介護に関しても生活相談事業を行っています。市役所に聞けば最寄りの社会福祉協議会を教えてくれます。
都道府県と市区町村に別れ、各行政単位に1つ設置されています。

高齢者総合相談センター

「シルバー110番」とも呼ばれています。高齢者やその家族からの相談を受けています。法律、年金、税金、医療、福祉など生活全般の相談に答えてくれるのが特徴です。

 

 

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認知症相談の注意点

医療機関で受診する際、「医者なんだからなんでも知っているはず。」という思い込みは大変危険です。医師にも専門分野があります。また認知症の相談に関しても医療面の専門であることを忘れないでください。認知症の方の様々な生活での症状とその解決方法を知っているわけではありません。実際、認知症の方の日常の困った状態を医師に相談し続けた結果精神薬ばかり追加されて廃人のようになってしまうということもよくあります。相談する相手の特徴を知っておくということもとても重要なことです。
また認知症といっても原因は様々です。受診する診療科と原因の組み合わせによって得意不得意があります。

脳神経外科

主に脳の手術などに関わる科です。脳の血管や脳内の圧力異常などの治療を行います。
慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症といった病気が原因の認知症に向いている。

神経内科

神経の病気を診る内科です。めまいや痺れ、頭痛、意識障害など幅広い症状を診察します。
アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症を得意とします。
ただしパーキンソン病と似たレビー小体型認知症はパーキンソン病と間違えやすいという面もあります。

精神科

脳と体の関係からくる病気の診る科です。うつや統合失調症などの治療を行います。
認知症の問題行動、興奮や焦燥などの治療に関わることが多いのですが、落ち着くための薬は副作用も強く、ぼうっとしてそのままだんだんと寝たきりになってしまったり、効果がはっきりしないために薬をいつやめて良いかわからず使い続けるなど、問題も多いことから介護施設等によって一切精神薬は使わないというところも増えています。

老年科

高齢者のための総合診療科ですので認知症についても知識や経験のある医師が多くいます。認知症だけではなく高齢者の特徴に強い面があります。ただ高齢者の総合的な診療であり、各専門性にはやや弱い面もあります。

物忘れ外来

認知症の専門で、必要であれば他の診療科ともつなげてくれるので安心できます。通える範囲であるならばまずは物忘れ外来に受診するのも良いと思います。

 

 

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まとめ

認知症は早期発見早期治療が大切です。ただ実際には高齢者のみの世帯も多く異変に気づかなかったり、まだ大丈夫だろうという思い、本人の拒否等により相談が遅れる状況もあるかと思います。認知症は一人で抱え込まず、まず相談しやすいところへ相談し、周囲の理解と協力を得ていくということがとても大切だと思います。
今回紹介させていただいたいずれの窓口でも、今後どうすればいいのかというアドバイスはもらえます。認知症は家族・地域・介護・医療など様々な人と関わっていくことがベストだと思います。個人や家族だけで抱え込まずに、さまざまな機関を利用していくと本人にとっても家族にとっても、良い結果へとつなげられるのではないでしょうか。

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