終活とはを現役介護士が考えてみた

HospiceUK1

仕事柄、高齢者との繋がりがとても多く、色々なことを感じて向き合わなければならないことがあります。そのなかでも「死」は切っても切り離せません。老衰で眠るように亡くなる方は本当に数えるほどで、何十年生きていたとしても死は突然訪れます。悔いのないような死に方をするために何が必要なのでしょうか?今回はそのことを考えてみたいと思います。

 

終活とは

もしある日突然「あなたの寿命はあと1年」と言われたら、あなたはどうしますか?今の年齢が10歳の小学生だとしても80歳の高齢者だとしても、この世に生きていたという証が必ずあります。その証を誰にどのように受け継いでいきますか?
医師から余命宣告をされたとしても高齢で死の階段を上っていたとしても、死後のことなんて生きている私たちにはわかりません。死んでしまうという恐怖、知らないところへ行かなければならない恐怖などで、何も考えられなくなると思います。何も考えられなかったとしても、時間は確実に進んでいます。
生きている今だから出来る「死の準備」が行えることをご存知でしょうか?遺産相続や銀行への手続き、それから「私が死んだら誰に連絡をしてほしいのか」など、実は今だから出来る事が本当にたくさんあります。この「死の準備」に対する準備を「終活」と言います。
終活とは、平成21(2009)年に「週刊朝日」によって造られたまだ新しい言葉ではありますが、すでに世間で広く知られてきています。ある調査では90%の人が終活という言葉を「知っている」という結果が出ています。また、終活という言葉が世間で認知されてきた事によって、終活をサポートしてくれる様々な資格までもが誕生しています。

 

 

fufu_roujin

 

 

終活とはの意味は一つじゃない

「終活とは」であげた意味で「死の準備」とあえて書かせて貰いました。
終活という言葉が造られた時、葬儀やお墓など人生の終わりに向けての事前準備のため、あるいは自分の死後に家族の負担を減らすために行う活動ことを指していました。世間に広く知れ渡った今、終活の考え方も変わってきています。
以前は確かに「終末期に行う活動」として行われ、死があっての終活と言っても過言ではなかったと思います。しかし、現在では次のように捉えられています。

終活のイメージ

1. 人生のエンディングをより良く迎えるための準備
2. 最期まで自分らしく生きていくための活動
3. 残されていく大切な家族のために、自分に感謝を伝える活動

以前は暗いイメージのあった終活が、今では明るく行う活動となってきています。せっかく親から与えられた一生に一度きりの人生です。最期まで明るい人生を過ごして、そして、エンディングを悔いのない良いラスト迎えたいと誰もが思うと思います。
100人いれば100通りの終活があります。その100通りの終活は型に収めるなんて出来ません。出来るのは自分だけなのです。より良い最期を迎える為にしっかりと自分で自分の人生を見つめ直す活動を、現在では「終活」と呼ばれ世間にもそう浸透していっているのです。

 

終活とはのポイント

終活とは、部屋の片づけと似ているところがあると思います。部屋の片づけをしていると、懐かしいものが出て来たりします。部屋の片づけをする際、「要る物」「要らない物」と分けると思います。その要る物を自分の人生に置き換えて、家族や友人に託していく事だと思います。
いざ終活を始めてみたのは良いものの、誰に聞いたらいいのかがわからずに「気が付いたら部屋中が物だらけ」なんてこともあるかもしれません。それは当然です。今自分の周りにいる人は、誰も死を経験した人がいないのです。掃除が出来ない・苦手という人は、誰かに手伝ってもらったりしますよね。終活も同じです。
最初に終活をサポートする資格があるとご紹介しましたが、終活が誕生してから様々な資格が出来ているのです。

終活の資格の種類

1. 終活ガイド

お葬式費用や病院・介護施設の選び方などを教えてもらえます。

2. 終活アドバイザー

エンディングノートの作成のアドバイスや終活の相談、自治体への同行をしてくれます。

3. 終活カウンセラー

終活に困ったや悩んだ時に相談に乗ってくれるだけではなく、相続や遺言・保険・介護などの専門家への橋渡しをしてくれます。

4. 終活ライフケアプランナー

エンディングノートやお墓の選び方などを教えて貰えます。

5. 終活マイスター

相談・紛争事を各専門家に繋げてもらえ、対策や解決の道筋をつけてもらえます。

6. 終活士

安心な終活を行えるように各専門家や各専門業者と連携して対応してもらえます。

7. 終活診断士

終活について診断してもらえます。
生前や死後の手続きや介護や看取りなど、不安に抱くことを教えてもらえます。
これらを見ると終活は「一人でやらなければならない」ものではなく、医師や弁護士などとも連携しているのがわかると思います。みんなで「エンディング」を作るのです。

 

 

PIC-20140407172918

 

 

注意点

終活を行うのが良いとされていますが、メリットがあるのと同時にデメリットがあることを知っておいて欲しいと思います。終活を始める人がどのような人なのかを、しっかりと見極めることも大切です。
高齢者に「お墓」の話をすると、冗談話で返ってくることも多いですが「早く死んでほしい」と言われたように受け取る人もいます。また、将来のある若者でも精神病を抱えている人などにも要注意です。心が塞ぎ込んでいる精神病の方に、死の話をしたら明日には本当に亡くなっているかもしれません。あくまでも終活は「自分の死のため」と思って取り組んで欲しいと思います。
死とはとてもデリケートなものです。誰もが必ず訪れるものかもしれませんが、頭では理解していても心は受け入れるのは本当に最期の最期だと思います。終活をすることによって、自分の死について向き合うことになります。自身の死を意識する事によって、恐怖を抱く人もいれば落ち込んでしまう人もいます。
高齢者がよくいう「もう先は長くない」「早く死にたい」というのも、死について頭では理解していますが、本当に死が迫ってくると「生きたい」と思うものです。
サークル活動の一環と思って気軽に始めるのは避けていただきたいと思います。

 

 

roujin_egao

 

 

まとめ

今回は終活とはを介護士視点で考えさせていただきました。テレビなどでは終活について、特集が組まれることがあるので、良いことだと思う人も少なくないと思います。しかし、終活はゲームではありません。終活を行ったがために人間関係が破壊してしまったら元も子もありません。本当に必要ではない限り、むやみに推奨するのも控えた方が良いと思います。

qna