認知症の進行はどうなってるの?遅らせることはできるの?

Dementia

最近、テレビで「認知症」について特集が組まれている番組をよく見かけるようになりました。多くの人は「高齢者」と呼ばれる65歳以上の家族がいると思います。高齢者なら誰もがなるかもしれない病気が認知症です。
認知症の症状は人によって異なりますが、様々な段階があるのはご存知でしょうか?
今回は認知症の段階についてご紹介させていただきます。

 

認知症の進行とは

以前は認知症の事を「痴呆症」と言っている時代がありました。
痴呆という言葉を国語辞書で調べてみると「愚かな人」と出てくることから、「認知症になるとボケる」と思われているのだと思います。認知症は単にボケてしまうものではなく「病気」なのです。単純にボケているわけではなく病気と言うことをご理解いただけたらと思います。
認知症は現在の医学では完全に治すことは不可能と言われています。その為、日々進行していってしまうのです。「認知症は治らないなら治療なんてしても無駄」だと思われる方も少なくないと思います。認知症は早期治療がとても大切となっていきます。早期に治療を開始することによって認知症状だけではなく、進行を遅らせることが可能となっていきます。

認知症は一度発症してしまうと「治らないと言われているから」と放置してしまうとものすごい速さで進行してしまい、最終的には寝たきりになります。
今までは「おばあちゃんボケてるから」と笑えていた状況とは違い、意思疎通も困難となってしまいます。
現在、ただ「もの忘れが激しい」だけならば次項より詳しくご紹介させていただきますので、認知症の進行の状態や段階があることを知っていただきたいと思っています。

 

 

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認知症の進行段階

認知症段階について主な症状とその例を取り上げさせていただきます。

【段階1: 認知機能の障害なし】

これは専門の検査を受けない限り、本人でさえも気付くことはありません。しかし、この段階ではすでに認知症との闘いは始まっています。認知症は脳の障害によって発症する病気な為、この時点で脳の変化は始まっています。

【段階2: 非常に軽度の認知機能の低下】

① 言葉を忘れる
② 物をどこに置いたか忘れる

【段階3: 軽度の認知機能の低下】

① たった今起こったことを忘れる
(例)食事したことを忘れる、話していた内容を忘れるなど
② 同じ質問をする
(例)「今、何時?」「ご飯食べた?」

【段階4: 中等度の認知機能の低下】

① 現在の月や季節を忘れる
(例)1月1日、冬、お正月など
② 支払いに苦戦する
(例)980円の買い物をしたとします。
小銭で980円持っているのにも関わらず、1000円や10,000円で精算します。
そのため、財布は小銭(特に10円玉)が多くなります。

【段階5: やや重度の認知機能の低下】

① 現在地・住所が分からなくなる
(例)買い物へ行って、帰り道がわからなくなる
② 季節に合わせた服装が出来なくなる
(例)真夏にダウンコート着るなど、「寒い」と着込むようになります。

【段階6: 重度の認知機能の低下】

① 家族を他の人と勘違いする
(例)実娘を見て「誰ですか?」と尋ねる
② トイレの介助が必要になる
(例)パンツ内に失禁してしまうようになったり、トイレの使い方がわからなくなったりする。

【段階7: 非常に重度な認知機能の低下】

寝たきりになる。全て介助が必要になる。
以上が認知症7段階の主な症状です。段階3くらいで家族や周囲の人は認知症だと気付くようになります。「ボケてるだけだから」と放置するリスクにお気付きになっていただけましたか?

 

 

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認知症の進行の各段階でできること

各段階で出来ることはたくさんあります。「介護は難しい」「専門じゃないから」と思わなくて大丈夫です。段階1,2では家族や周囲の人は気付きにくい為、サポートをするのは困難だと思いますので、段階3からご紹介させていただきます。

【段階3,4】

この段階になると公共料金の支払い忘れや過払い等が考えら、公共料金を口座振替にしたりそのための手続きなどで防ぎ、いつも行くスーパーがICカード使用可なら予めチャージしておいて、ICカードで買い物してもらうのも良いと思います。また、出来ない事へのストレスを感じていきますので、仕事や家事の負担を減らすためにも退職を促したり家事を代わって行う事がストレスの軽減となります。また、本人が一人暮らしされているのならば、介護食の配達を行っている会社に毎日配達してもらうのもひとつの手です。

【段階5】

この段階になると自分で身の周りのことを行うのが困難になります。着替えなどを含めた日常生活のサポートが必要となります。また、GPS付きの携帯を持たせて位置情報の確認とともに何かあった時の為に、「いつも必ず持っていく物」に緊急連絡先や自宅住所を書いておくのも大切となっていきます。

【段階6】

この段階まで来ると自宅で介護するのは本人にも家族にも相当なストレスや負担がかかります。施設に入所し専門家に任せるのが双方にとって良いと思います。また、現在の話はすぐに忘れてしまう為、古い写真(20~40歳代頃)の写真を見て思い出話をするのも良いと思います。昔話をしているうちに最初は「誰ですか?」と言っていた本人が自然と家族を家族と認識していきます。

【段階7】

本人は主張出来なくなります。その為、医師や施設との連携をしっかり取り体調管理や栄養管理をした方が良いと思えます。この頃には食事が摂れなくなって、流動食を摂っているかもしれません。
このようなサポートなら家族にとってもさほど難しくはないと思います。ほんの30分でも1時間でもいいので、本人との時間を共有する事が大切になっていきます。

 

認知症の進行を遅らせる方法

前項のような認知症の進行を遅らせるのに大切なのは、家族の協力だと思います。家族の協力を経て病院へ行き、日々の生活もサポートすることが大切と言えます。
「治らないから」と病院を否定するのは大きな間違いです。認知症の治療は「進行を遅らせる」と言われています。世界中で認知症の研究がされ、どんどん新しい薬も出来てきています。また、進行を遅らせるだけではなく、周辺症状(徘徊や昼夜逆転、暴言暴力など)の治療・改善の方向は見出せるのです。例えば「徘徊の原因は昼夜逆転?」と分かれば夜寝る為に睡眠薬が処方されます。「なるべく夜は寝てもらう」と言う「治療」が行えるのです。
また、認知症になる高齢者は「自分より年下の人に」と思う人は多くありません。高齢者の方々が生きてこられた時代背景に「戦争」があります。戦時中、自分の身を守る術を身に付けて、自分以外の世話をしている余裕はなかったと思います。そのためか、高齢者の方々は自分のことは自分で行いたいと言う人が多くいらっしゃいました。しかし、認知症が原因で一人で行うのは困難になってしまっているのは事実です。その現実を本人に理解してもらい出来ないところを家族がサポートすることで、本人の生活が成り立つようになります。それを出来るのは家族のサポートがとても大切となっていきます。
「介護なんて大変そう」と思うかもしれません。実際に、家族の介護をするのは本当に大変です。しかし、いくらでも方法はあります。子供時代、にして貰ったことをそのまま親や祖父母に恩返ししていけばいいのです。仮に施設入所したならば、面会に行くのは学校の授業参観だと思えばいいのです。通院や服薬のサポートは幼少期に熱出して病院に連れていってもらったと思えば良いのです。家族が出来る事は本当に単純なことです。

 

注意点

認知症になって一番ツラいのは家族ではなく本人です。
家族や周囲の人が気付く前から、本人は気付き悪化させていっています。また、家族が頭ごなしに「認知症」と決めつけて、本人と接するのも良くありません。本人は「認知症になってしまった」と並みならぬ不安を抱えています。
「今まで何の問題もなく出来ていた事が出来なくなる恐怖」は私たちにはわかりません。朝起きて身支度するのですら出来なくなるのです。そう言った不安を拭う事だけでもとても大切なサポートになります。「出来ないから」と全てを手伝ってしまう事も良くありません。「出来ないこと」を上手く甘えることが出来ないのが今の高齢者の方々です。現在の時代の価値観で捉えるのではなく、高齢者が生きてきた時代背景も考え、接して手助けして行く事がとても重要なことです。
医師の診断結果や治療方針に基づいて、今まで一人で生きていた認知症本人と全世界を共有して生活をしていくことが大切だと思います。
認知症状や介護でツラくなって当たってしまう事があるかもしれません。そう言った時は各自治体に相談窓口があるので、本人には強く当たらずに外部にも相談して家族が潰れてしまう前に助けを求めた方が良いと思います。

 

 

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まとめ

認知症は「ボケ」と思って放置するのは本当に危険な事です。認知症を甘く捉えずに現在の段階を知るところから始めてもらえればと思います。また段階が進んでしまったとしても、今から出来る事はたくさんあります。まずは病院受診をして、医師と相談する所から始めたら良いと思います。
今回は認知症の進行についてご紹介させていただきました。

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