認知症って治療ってどんな方法があるの?薬物療法は?

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現在認知症の兆候がある家族がおられる時に、最も気になる事が認知症の治療についてではないでしょうか。家族の気持ちとして、これから認知症と「どの様に向き合っていけばいいか」は重大な問題です。
そんな家族の悩みの治療法について、様々な情報を紹介致しまので重要な治療情報として最後迄読んでみて下さい。

 

認知症の治療とは

認知症は今後益々増加傾向にあり2025年には700万人で高齢者の5人に一人は認知症を発症するとの厚生労働省の報告もあります。そのような認知症大国となっていく日本ですが、現在認知症を発症した患者を元の状態に戻すことが出来る治療法はまだ開発されていません。認知症は今は日本だけの問題ではなく、世界的な難病問題として主要国では重要な社会福祉問題として取り上げられています。しかし、治療法に関しては世界的にみても未だ完治できる治療法はありません。

日本の認知症治療対策

現在認知症を発症している患者の殆どがアルツハイマー型でその次がレピー小体型認知症で、日本はいづれの認知症患者数においても、世界でトップクラスなるくらい発症者が多い為に、認知症に関しての医療技術もそれに伴って、世界でトップクラスの位置にいます。

その中で現在世界的に注目されている物が医薬による予防・治療をめざした研究開発を行った成果の一つは、1994年に小阪憲司氏らによって発見されたレビー小体型認知症と、杉本八郎氏らが開発した2014年に認可された治療薬ドネペジルです。

脳神経生化学分野は世界中がしのぎを削っており、つい最近も頭蓋骨基底部の血管系でなくリンパ系の免疫機能が、鬱病(うつ病)や認知症の発症と関係する可能性が発見されたり(ガーディアン5日)、より高次な道徳的判断は脳内の灰白質を増やすことが発見されたりと(サイエンスデイリー3日)認知症誘因である灰白質喪失を予防する可能性が期待されるなど成果が相次いでいます。いずれ認知症の予防や初期段階での治療が可能になる日も遠くないかもしれません。

こうした成果を必要とする患者に最も合理的な形で提供するためにも、OECDが指摘した医療マネジメントのあり方で、日本では「新オレンジプラン」の実行は待ったなしに進める必要があります。

新オレンジプランとは

高齢者の増加に伴い認知症への対策も急務となっている現在にその指針となる戦略が厚生労働省の認知症施策が「新オレンジプラン」です。この計画は「認知症の人の意思が尊重され、出来る限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らしを続けることが出来る社会を実現する」ことを目的に、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて策定されました。正式には認知症施策推進総合戦略といいます。

認知症の人は2025年には約700万人にのぼると言われており、その状況に対応するための環境整備は重要なポイントです。認知症高齢者にやさしい地域づくりに向けて認知症という病気に対する啓蒙も含め、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を包括的にケアするための戦略です。
新オレンジプランでは社会全体が認知症に対する認識を改めて考え直して、 国民全員に認知症の理解を定着させることを主眼としています。では認知症の薬に関しての状況については見てみたいと思います。

日本の認知症の薬の開発状況

認知症薬の開発は世界共通の課題とされており、多くの大学や研究所、企業等がそれに取り組んでいます。日本でも、製薬企業の多くが認知症治療薬の開発を進めています。中には新薬の開発ではなく、ジェネリック医薬品を製造販売しているメーカーもあり、とくにトップ企業のほとんどが、認知症治療薬に携わっていると言えるでしょう。

現在開発されている薬のほとんどは現在販売されているものと違い、病気の改善を目指しています。さらにその薬の幾つかは治験の最終段階である第3相(事項「認知症の薬はこうして出来上がります」参照)まで進んでおり、もし治験が上手くいけば認知症が治る未来も遠くはないのかもしれません。認知症の薬が発売され一般の患者さんが使用できるまでには、10〜18年ほどの長い研究開発期間を要します。最初に薬になる可能性のある化合物について試験管内での作用を調べ、その中でも薬として役に立ち、かつ副作用が少ないと思う化合物を、ラットなどの動物を使った試験を経て、ヒトを対象とした治験に進みます。

治験とは、人での有効性や安全性を調べる試験の中でも、厚生労働省から薬として承認を受けるために行われる臨床試験のことです。方法や施設について、それぞれ省令等で厳しく定められており、患者さんの人権を最優先に行われます。

このようにこくなの製薬会社をはじめとして多くの研究機関での開発が進んでおり最近ではIPS細胞がパーキンソン病への治療法はとして、実用化も遠くないことも報道されてり、認知症にも明るい兆しはあることだと信じたいものです。

 

 

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認知症の治療の種類

認知症の治療は薬物療法とリハビリテーションなどの非薬物療法が主体です。いくつかの ※1. 特殊な場合を除き、認知症を完全に治す治療法はまだありません。しかし、病状の進行を遅らせることはできるのです。そのため治療は、残された機能を維持しながら、不安、妄想、不眠など、日常生活の支障となる症状を軽減・改善することが目的となります。症状を抑え、進行を遅らせることで、本人が穏やかに生活できるとともに、介護者の負担軽減にもつながります。

※1.脳腫瘍・慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・脳血管障害等の外科的治療の対象となる疾患。他にも脳症や、薬の副作用によるせん妄状態など治療可能な状態もあります。

薬物治療

認知症の治療で中心的な役割を果たすのが薬物療法です。認知症の進行を抑えたり、脳の機能低下を遅らせる効果が期待できます。薬物療法は、大きく分けて以下ふたつとなります。

①認知症の原因疾患に対する治療
②認知症によるさまざまな症状に対する治療

■原因疾患に対する治療

認知症の症状で中核症状に対しては、抗認知症薬による治療を行います。現在日本で使用されている認知症の薬は4種あり、大きくふたつに分類されます。 神経伝達物質の減少を抑え、スムーズな情報伝達を助ける「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」と、カルシウムイオンが脳神経細胞に過剰に流入するのを防ぎ、情報伝達を整える「NMDA受容体拮抗薬」です。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

アリセプト(ドネペジル塩酸塩)
レミニール(ガランタミン臭化水素塩酸)
xリバスタッチパッチ/イクセロンパッチ(バスチグミン)

「NMDA受容体拮抗薬」のメマリー(メマンチン塩酸塩)は、上記の3剤とは異なる働きを持ち、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と併用して治療を行うこともあります。この4種は主にアルツハイマー型認知症に処方されますが、アリセプトに代表されるドネペジル塩酸塩については、レビー小体型認知症の治療にも使用されています。

■様々な症状に対する治療

行動・心理症状(BPSD)を改善するために薬による治療を行います。抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬などの向精神薬のほか、漢方製剤が使われることもあります。不安や幻覚・妄想、せん妄、徘徊については、抗精神病薬や、双極性障害治療薬。興奮には抗精神病薬のほか、抑肝酸(ヨクカンサイ)という漢方製剤が処方されることがあります。また、うつ状態や性的逸脱行為などにはSSRI、SNRIなどの抗うつ薬、睡眠障害には睡眠薬などが使用されます。

非薬物療法

非薬物的療法とは、薬物を用いない治療的なアプローチのこと。脳を活性化しできるだけ長く残存機能を維持したり、生活能力を高める目的で行います。本人の症状や気持ちに合わせて、無理のない範囲で行います。
非薬物療法はさまざまあり、以下のようなものが挙げられます。

非薬物療法に種類

・運動や作業を通して「本人らしい生活」が送れるよう支援する理学療法・作業療法などのリハビリテーション
・簡単な計算や音読、字を書き写すなどを行う認知リハビリテーション
・見当識への刺激を与えることで、認知機能の低下を防ぐリアリティ・オリエンテーション
・過去の思い出を語ることで、記憶を刺激して感情の安定を図る回想法
・脳に刺激を与えたり、自発性の改善を図る音楽療法、芸術療法、園芸療法など
・動物とのふれあいを通じて感情の安定をめざす

現状認知症の治療は薬物療法も非薬物療法でも完治できる為の治療法ではありません。あくまで防止策の一方法か進行の抑制です。しかしもうそんなに遠くない時期に待ちに望んだ治療法は完成する事だと思われます。これから日本は高齢者の社会になっていき、それ同時に認知症の発症者も増加してくる事は明確です。認知症の薬は研究段階から実用化迄10年以上かかるものですが多くの人が1日でも早い実用化を待ってます。

 

 

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認知症の治療の最新情報

「夢の認知症の新薬」が開発された事が世界的に驚きにわきました。
今年の8月に発表された治験でアメリカとスイスの研究チームが60代から80代の初期アルツハイマー病患者165人を2つのグループに分け、一方の患者群に「アデュカヌマブ」という新薬を月1回、1年間接種し、同様に他方の患者群にプラセボ(偽薬)を接種した。すると、アデュカヌマブを与えた患者の脳内に、アルツハイマー病の原因である蓄積したアミロイドベータがほとんどのケースで減少し、健康な人と同じレベルになったケースもあったという。
1906年にドイツの精神科医アルツハイマー博士によって、世界的に知られるようになったアルツハイマー病。博士の研究によると、病に侵された脳には健常者では見られない「老人斑」というシミがあることがわかった。その老人斑の正体は「アミロイドベータ」というたんぱく質。アミロイドベータが徐々に蓄積してかたまりになると、神経細胞が次々に死滅していき、記憶を中心とする脳機能を低下させる。同時に脳全体が次第に萎縮し、体の機能が失われていく。
アデュカヌマブは脳内のアンドロイドベータを除去する働きのある抗体であり、健康な高齢者から採取した免疫細胞の遺伝子を用いて製造されたバイオ医薬品なのだ。そもそも、アデュカヌマブの存在が初めて明らかになったのは、2015年3月にフランス・ニースで開かれた国際アルツハイマー・パーキンソン会議だった。米国のバイオ製薬バイオジェン社がアデュカヌマブを用いた臨床試験の中間結果を発表した事が発端となったものです。

日本ノーベル賞をとったIPS細胞や世界には優秀な研究者は多くいます。その結果上にあげましたような驚きの新薬の開発に成功していますが、アルツハイマー博士による認知症の発見から約100年以上もたった現在でも未だに治療薬、治療法が発見されていません。それだけで認知症と言う病気は難しい病気だと言う事は よく理解できると思います。
しかし、世界の優秀な研究者により1日も早い治療法の発見を期待している認知症の患者は世界中で待っていると思います。

 

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注意点

認知症の家族の介護を毎日行うなかで生活の中での認知症患者の健康管理面での注意が最も重要事です。

健康管理面での注意

■リハビリでの注意

片麻痺(カタマヒ)の程度と認知症の程度により、リハビリの内容は大きく異なります。 認知症の症状と進行具合によってリハビリをしていかなければ事故につながることもあるので、認知症の専門医と理学療法士とともにプログラムを考えていくことをお勧めします。

■寝たきり状態での健康管理面

寝たきりによる機能の衰えは、筋肉・骨・関節・皮膚・心臓・呼吸器・消化器・尿路等身体の多くの部分に生じます。 筋肉では筋萎縮(キンイシュク)や筋力低下を、関節では関節拘縮(カンセツコウショク)を、皮膚では褥瘡(ジョクソウ)等をきたすとともに、肺炎や意欲低下、認知症等精神機能の低下も現れます。車椅子などを利用し、できるだけベッドから離れた時間を持てるようにすることが大切です。

■脳卒中の再発の注意

肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病によるものが多く、適度な運動、食事の改善が再発防止に役立ちます。 ウオーキング、ジョギング、自転車、水泳などの有酸素運動を継続して行うこと。塩分を控えバランスの取れた食事をすること。

また、喫煙、飲み過ぎ、過労・ストレス、睡眠不足も避けるべきでしょう。急激な温度変化は、心臓の負担になるか血圧の急上昇を引き起こし脳卒中発症の引き金になることがあるので注意しましょう。

■夜間の排尿が増えた事による注意

高齢者には夜間の排尿回数が増える人が多くみられます。 夜間頻尿の場合で排尿の度に尿量も多い人は就寝前の水分の摂取量が多いか、糖尿病、腎臓病等が考えられます。また、尿量が少ない場合は膀胱炎、前立腺肥大等が考えられます。しかし、夜間不眠からトイレに行く事もあるので、この場合はその高齢者の不眠や不安への対処が必要となります。

 

 

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まとめ

認知症はまだまだ厄介な病気です。発症すると自分自身も病気との戦いに大変な日々を送りますが、もっと大変なのが介護する家族と言われています。

現在はまだまだ治療法は確立していません。将来は色々な治療法が開発されることだと思いますが現在は事前防止策をご自身で心がけ認知症に対する意識を高めておくことだと思います。

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