高齢者の生活保護が多くなっている!?支給条件は?注意点は?

Poverty-And-Public-Assistance-1

昨今、日本では生活保護の不正受給について何かと話題に上がります。生活保護は中高年を始め、若年層だけだと思っていませんか?
高齢者でも生活保護を必要とし受給している人が多くありません。「なぜ年金貰っている高齢者が生活保護を必要とするのか」
そんな疑問に寄り添いながら、高齢者の生活保護についてご紹介します。

 

高齢者の生活保護とは

「生活保護」とは国が「人間として最低限の生活」を保障する為に作られたものであり、若年層の為の制度ではありません。高齢者だって「人間として最低限の生活」をする権利はあります。
東京在住の65歳以上の高齢者約2500万人のうち何人の方が生活保護を受給しているかご存知ですか?2.2%の高齢者が受給しています。2.2%と言うと一見少ないように思うかもしれません。約60万人の高齢者が生活保護を受給しているのです。
なぜ、こんな多くの高齢者が生活保護を必要とするのかをご紹介させていただければ、ご理解いただけると思います。

高齢者の生活水準

一括りに「高齢者」と言っても、一人ひとり生活水準が違います。
一般的な生活を営む事が出来る自立と呼ばれる高齢者、介護を必要とする高齢者、実家族がいるけれど疎遠になってしまった高齢者など様々あります。
何とか高齢者自身で一般的な生活を営む事が出来れば、まだ年金や過去の貯蓄で生活出来るかもしれません。ですが、介護を必要とする人が年金だけで全て生活を補えるかと言えばそうではありません。

介護保険の使用

介護保険をご存知でしょうか?介護保険とは、介護を受ける際にとても必要となるサービスです。
介護保険と言っても介護必要レベル(要介護度)によって異なります。要介護度は要支援2→1、要介護1→2→3→4→5と7つに分かれています。介護度が一番低いのは要支援2、一番高いのが要介護5となります。
要介護5となれば主に寝たきりの方です。寝たきりとなれば常時介護が必要となります。
日々の衣食住だけではなく、人として生きて行くための最低な食事や排泄はもちろん、買い物や医師が自宅まで診察に来る訪問診療だって必要となり、それも介護保険を使用する事になります。
「高齢者の病院受診は1割だから安い」と思っている方も多くないと思います。
平成29年8月1日より新制度が始まり、高齢者でも病院受診が3割になったケースがあります。これは会社員時代に高所得だった方なので今回のケースとは異なりますが、「高齢者だから必ず安い」と言う訳ではないのです。

 

 

yakusho

 

 

高齢者の生活保護の決まりごと(条件)

前項で介護保険について述べましたが、介護保険を使用しているから必ず生活保護を受けられると言う事ではありません。生活保護を受ける為にはいくつかの決まりごとがあり、当然ながら審査もあります。

生活保護を受けるための決まりごと

生活保護を受ける為に「年金を貰っているかいないか」ではなく、世帯年収や総資産が鍵となっているのです。
決まりごととしては大きくわけて2つあります。それが以下となります。
①世帯の総年収額が生活保護基準額を下回っている場合
②土地や持ち家、株などの資産がない場合
詳細は後ほどご紹介させて頂きますが、「人として最低限」の生活を送るための制度となりますので、生活保護基準より上回る年収や資産がある場合は、生活保護受給適用者とはならないのです。

生活保護条件の意味

高齢者といえば先に配偶者がご逝去されている可能性が多いですが、実子世帯と同居と言う場合が多く、審査基準として高齢者単体ではなく同居実子世帯も含めた世帯総年収や総資産となるのです。
世帯年収を月額にして生活保護基準より上まった場合、受給不可となる可能性がより高くなります。
また、高齢者になれば土地や家をご先祖より引き継いでいたりローンの支払いが終了していたり、ご自身持ちの土地や家などの資産になっている事が多いと思います。
土地や持ち家がある場合、「土地や家を売れば少しはお金になり、最低限ではなくなる」ということで受給が難しくなります。
何度も繰り返しになりますが、「人としての最低限」の生活を送るための制度となりますので、持ち家があると言うことで「住む場所には困らない」と見られてしまうのです。
株や生命保険なども同様です。売却すればお金になります。「今すぐ」お金にならなくても、いずれは持ち主であるあなたのお金になり、「生活出来る」と思われ、審査が通らなくなります。

 

高齢者の生活保護と年金

高齢者が生活保護を受けるにあたって頭に浮かぶ事があると思います。
「年金貰っているから生活保護を受けられない」
そのお考えは一旦切り離していただいて構いません。
生活保護は「世帯年収」「総資産」となりますので、年金受給は別物と考えますが、年金受給額が生活保護基準をうわまった場合は別になるので要注意です。

高齢者の年金受給

年金と言えば20歳以上の国民なら必ず支払いの義務が生じています。また、同時に高齢者の大切な生活資源となっています。国民年金、厚生年金など色々とありますが、支払い額が異なっているのをご存知でしょうか?
国民年金は平成29年度現在月額16,490円、厚生年金は給料によって異なり高収入ほど支払い負担額が多くなっています。また、過去に国民年金と厚生年金では年金の受給額も異なっており、過去に納め続けた年金の種類や年金額で受給額も異なっています。ここでは国民年金でご紹介させていただきます。

生活保護受給を必要とする理由

(例)東京都区部在住の65歳以上の単身生活保護受給高齢者
最低生活費 約81,000円 – 年金受給 約45,000円(月額)
約36,000円がいわゆる赤字となります。
仮に単身であり借家住まいでも81,000円かかる場合、高齢者が不足分の36,000円を稼ぐのはとても困難です。若年層なら働けばなんとかなるかもしれませんが、高齢者が今から就職活動をしても働くのはほぼ不可能だと思います。赤字の36,000円を補うために必要となるのが、生活保護なのです。
生活保護基準額は自治体によって異なっている為、一概には言えませんが36,000円を補うためにとても必要で高齢者にもありありがたい制度となっているのです。

 

 

hellowork_mendan

 

 

高齢者の生活保護と施設や住む場所

すべての高齢者が自宅にて暮らしているとは限らず、多くの高齢者が介護施設で生活をしています。
いわゆる「老人ホーム」ですが、老人ホームでもさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?

老人ホームの種類

現在、日本には多くの老人ホームがあります。一概に老人ホームと言っても詳しく見てみると様々なタイプの老人ホームがあるのです。簡単にはなりますが、ご紹介させていただきます。

①特別養護老人ホーム

これは一般的に皆様が想像されている老人ホームであると思います。入所金や生活費が他ホームより低額で負担が少ないですが入所条件が厳しく要介護3以上でなければ入る事が出来ません。

②老人保健施設

これは主に病院が経営している老人ホームで、リハビリや治療目的を念頭におかれています。入所に要介護1以上で特別養護老人ホームよりかは優しいですが、3ヶ月ごとに入所可能かの査定が行われます。3ヶ月経って病状が良くなり1人で生活出来るレベルに‥となった場合、退所せざるを得えなくなります。

③有料老人ホーム

民間が経営している老人ホームで今の日本には多数あります。入居金が数百万かかる施設も少なくありません。数百万払っても一生住まわせて貰えるわけではないのです。賃貸マンション等と同様、月々の賃料や管理費はもちろんの事、一定の食費や光熱費も支払わなければなりません。

④グループホーム

要介護を必要とするけれどまだ料理や洗濯が出来ると言う高齢者が多く住んでいます。有料老人ホームと同様、民間が経営している為、生活費だけではなく賃料等も負担しなければなりません。

老人ホームでかかる主な生活費

皆様のなかで「介護施設入れたらもうお金かからない」と思う方もいらっしゃると思いますが、それは大きな間違いなのです。施設入所してからも色々とお金がかかるのです。
①施設へ入所する為の入所金(入所金ゼロと言う施設もあります)
②賃料、管理費
③食費や水道光熱費
④介護用品(車椅子や福祉用品)代
⑤介護保険使用した介護サービス代
⑥紙おむつ等代
など、本当に細々と負担しなければならなくなります。

介護保険だけで賄えるサービスもありますが、要介護度が高くなるにつれて負担額も多くなっていきます。
高齢者だって人間です。長く生きていれば「出来る事が増えていく」よりも「出来る事が減っていく」のが現状です。これを年金だけで補っていくのはほぼ不可能と言えます。身寄りのない高齢者が生活保護を必要としているのはこういった背景もあります。

 

支給金額と注意点

前項までは生活保護の受給を希望する理由を述べさせていただきました。本項は生活保護の審査が通った後のお話をさせて頂きます。
生活保護と言っても、受給者によって受給額が異なるのはご存知でしょうか?
生活保護基準額とは自治体によって異なっているのです。「私にはこれくらいかな?」と仮定しながら見て頂けると幸いです。

生活保護支給額の例

生活保護基準とは各自治体によって決まっており、仮に100,000円だとします。
生活保護基準 100,000円 – 世帯収入60,000円 = 生活保護支給40,000円
この場合、生活保護基準を満たさない40,000円が生活保護として支給されるのです。この世帯収入には年金額は入らない為、仮に年金額を足して100,000円を超えても40,000円は支給される事になります。

生活保護支給時の注意点

生活保護を受けるにあたって注意しなければならない事があります。

①生活保護は個人ではなく世帯

いくら個人で収入がゼロに近い金額で生活保護の条件にあてはまったとしても、世帯で100,000円をうわまっていたら、支給はされません。

②申請時に資産がある

すでにお伝えしていますが、土地や家などの資産がある場合、資産を売却して資金繰りを求められることがあります。

③本当にこれ以上収入が増やせないのか

年金受給だけでなく、シルバー人材や高齢者雇用創出事業を活用して、少しでも収入を増やすことが出来ないかが求められます。

④戸籍上には身寄りがいる

家庭の事情により疎遠状態になっている家族がいる場合、「その家族に援助を求められないのか」と行政より求められることがあります。

 

 

pose_makasenasai

 

 

まとめ

今回は高齢者の生活保護についてご紹介させて頂きました。高齢者だからこそ「働けないけどお金がかかる」と言う実態と共にご紹介させて頂きましたが、ご理解して頂けましたでしょうか?生活保護受給して生活している高齢者は年々多くなっています。その高齢者の方々に幸せな余生を過ごして頂けるような手助けになればと思います。

qna