看取りは看護の役割が大きい!どんな役割?

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看護とは病気の人を良くするために患者の治療をしていくことですが看取りの看護は異なります。看取りの時は死期を前提にして看護をするからです。看取りの看護をする場合、様々な点に注意を払いながら、高い技術力と家族も支援していくケア力が必要です。看取りでの看護の役割りはとても大切になってきます。
そんな看取りの介護についてご紹介します。

 

看取りと看護とは

看取りの時の看護は、死期が迫っていることを前提に看護や治療にあたります。体の機能が回復の見込みがないと判断された時から看取りの看護が始まります。特に、余命宣告をされているがんのような病気の人にとっては、看護の役割りがより重要になってきます。

看取り時期の看護の役割りは、患者と家族が日々の痛みや苦痛から少しでも開放されて、人生の最期の時までその人らしさを保てるよう助けることです。最期まで患者を支えることが看取りでの看護の重要なことになってきます。熟練の看護師でも看取りの時期の看護は、人によって病状、精神状態が違い、困難なケースが多いため悩むことがあります。

看取りケアにおける看護師の役割りの事例より

久保田豊子さんと前田三枝子さんの「看取りケアにおける看護師の役割り」の事例をもとに看取りで看護の役割りについてを考察します。
次にあげるのは結腸癌や病的ろう孔などがある60歳の男性患者N氏の事例です。そこではN氏の看取りケアを次の6項目に分類しています。

看取りケアの事例

1、今までの価値観からの開放を促進させるケア
2、患者と家族が悔いを残さないためのケア
3、死の予期悲嘆の中でも希望を見つけて生をつなげるケア
4、死の受容、不安、恐怖を繰り返す患者に対してそばにいて支えるケア
5、家族参加の看取りケア
6、病的ろう孔のケア

ここでN氏は、死を受け入れ、今までは人に迷惑をかけないことをモットーに生きてきたが、身体的な変化に戸惑いを隠せませんでした。そこで、看護師は自分を客観視する目的で人生の振り返りを提案しました。N氏は一人で両親を介護し頑張ってきたこと、少年時代のこと、母との関係、友人との趣味などを語り、そのことにより死を受容し、人に絶対に迷惑をかけないという価値観を見直すことができました。

N氏は最後まで経口摂取を希望し、2時間おきにろう孔のガーゼ交換をうけていました。まだ動ける間に本人の希望の残された家族のための財産整理を綿密な看護師のスケジュールをもとに家に外出し、その後病院に戻るということができました。思い残すことがないと安堵したN氏は終の棲家である病室に油絵や写真を飾り、好きなCDもかけて楽しみました。イベントにも行ける場所へ行くことを目標にし、家族や他部門の協力も得てN氏の希望に沿ってケアを行いました。

看護師はN氏が「眠ったら目が覚めないのではないか」という不安に傾聴し、病室の照明を明るくして、ゆっくりとコミュニケーションをとりながらろう孔のガーゼ交換を行い、マッサージなどをしながら寄り添いました。最期までN氏に関わった看護師たちは質の高い看護を提供し、終末期にあるN氏に寄り添い、終末期でもよりN氏らしい生き方ができるようなケアを行ないました。そのように看取りに看護は切り離せない大切な役割を果たしています。

 

 

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看取りで看護計画を立てる

看取りで看護計画を立てる場合、アセスメントが重要になってきます。患者の病状や精神状態は一人一人異なるためアセスメントで次の点をポイントにしていきます。

1、患者本人と家族の意思確認を行う

・利用者本人の意思を確認する
・家族は間では合意がなされているか
・緩和ケアなどの医療の希望や延命措置をするかどうかの選択はどうか

2、心身の痛みのケアはどうするのか

・体の痛みの緩和、薬の副作用への対処などのケア
・死に対する不安、不眠、恐怖感、うつ症状、死期が近づき、自責や後悔、様々な悩みに対する問題などの精神的症状の緩和ケア
・残された家族への財産管理、社会的役割の喪失感、収入などの経済問題

このようなアセスメントをもとに終末期の診断や病状の説明を患者や家族に行います。医師と連携をとりながら、ターミナルケアの看護計画書を作成し、それに基づいた看護が行われます。病院では24時間体制で看護することができますが、在宅を本人が希望する場合は、看取り加算が付きますが、訪問看護が入る回数は増え、医師だけでなく、家族やケアマネージャー、介護との連携が大切になってきます。

 

看取りの看護観察項目

看取りの看護観察は身体的な状況だけでなく、精神的な状況も観察しないといけません。

観察項目リスト

①細かいバイタルチェック(心拍数、呼吸、体温)の変化
②食事の量や服薬の有無
③睡眠はきちんとできているか
④せん妄があらわれていないか(脳の機能低下や薬による体の状態変化などが原因となる)
⑤清拭の時に褥瘡の有無や本人が感じる身体的痛みをチェックする
⑥ケアにつくときは話の中で精神的に不安定になっていないかをチェックする
⑦チアノーゼの状態をチェックする
⑧のど元や肺にごろごろといった喘鳴がないか(死前喘鳴)
⑨下あご呼吸をしていないか(下あごを大きく上下して、あえぐような呼吸を繰り返すことで、脳に酸素が十分に届いていないことが原因)これは死が直前に迫ったことのサインで医師にすぐ連絡する
⑩家族が患者の死と向き合っていられるか、家族の不安は大丈夫か

 

 

 

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看取りの看護これから

現在は病院で最期を迎える人が80%になっています。しかし、今後超高齢化社会のため、病院のベッド数が足りなくなるかの制があり、病院は急性期の患者のみ受け入れる場所になりつつあります。比較的安定期の患者は在宅か介護施設での療養になってくるでしょう。
ターミナルの患者の場合、ホスピスが終の住処になることもあります。

厚生労働省は「地域医療包括ケア病棟の主な役割」について次の点をあげています。
出典元:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000156003.pdf

地域医療包括ケア病棟の主な役割

1、急性期の患者を受け入れる

入院患者の重症度、看護必要度の設定(重症度、看護必要度A項目1点以上の患者 15%以上)

2、在宅、生活復帰支援

在宅復帰率の設定

3、緊急時の受け入れ

二次救急病院の指定(介護施設からの入院)
在宅療養支援病院の届け出

超高齢化社会なので、2030年には160万人に達すると予想されます。すると、病院だけでなく介護施設も入れなくなる可能性があります。そのため、在宅で最期を迎える人が増えてくる可能性があります。すると訪問看護の役割りが大切になってきます。訪問看護は直近5年で1,5倍に増えており、今後も在宅看護の必要性から増えてくると思われます。

終末期に関する療養の希望の意識調査では、「自宅で療養して必要になれば入院したい」「自宅で療養して必要になれば緩和ケア病棟で入院したい」「自宅で最期まで療養したい」という人が平成20年には63.3%にも上ります。しかし、希望とは裏腹に、60%以上の国民が自宅での療養は困難と考えています。

今後、在宅での終末期の緩和ケアを行うためには、経口麻薬の投与法等に関する教育、普及が重要であると厚生労働省に報告されています。自宅でのモルヒネの持続皮下注射、鎮静薬の持続皮下注射、皮下輸液、中心静脈栄養、ポート管理、輸血、胸水・腹水穿刺、経口麻薬の投与、抹消静脈点滴など在宅で行うことは困難とした診療所は50%以上に上っています。

現在の看取りの看護として、訪問看護ステーションでは、利用者の希望に応じた「看取りを含む在宅療養生活の継続支援」に積極的に答える姿勢が整っていると答えた訪問看護ステーションは53,7%と半数ほどが在宅での看取りを連携して行っています。今後、在宅で看取りが増えるにつれて、在宅看護の重要性がますます高まってくるでしょう。

 

看取りで看護をするときの注意点

いつでも対応できる体制を整えておく

病院や患者の最期の看取りには家族を呼ぶことになっていますが、呼ぶタイミングが難しい時があります例えば、急変する場合もあるので、どのタイミングで家族に連絡するかはあらかじめ、病院側で話し合っておいたり、家族の希望を聞いておいたりすることが必要でしょう。

介護施設では医師や看護師が24時間常駐しているわけではないので、医師や看護師、介護士の連携が大切になってきます。その時も医師への連絡方法などを事前に打ち合わせておくといいでしょう。在宅では、家族が主にみていますから、訪問看護ステーションは24時間対応している所が多いので、変わったことがあればすぐに連絡してもらうように連絡を密にとる必要があります。

家族や専門職同士の連携を密にとる

医師、看護師、介護士などの専門職の連携は欠かせないでしょう。お互いの連絡を密にとる必要があります。特に、在宅の看取りの場合は、家族が看ていることが多く、家族とのコミュニケ―ションで患者の様子を知ることができます。その時に注意しなくてはいけないことは、家族はターミナルの患者を抱え、不安や疲れを感じていることがあります。家族の介護を批判するのではなく、家族の不安をきいて、不安を軽減するように注意しなくてはなりません。

 

 

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まとめ

看取りで看護の役割りは非常に大切なものとなっています。患者の体や心のケアを行うだけでなく、死を受け入れる家族も不安や辛い思いをしています。その家族への支援も看護師は行っています。これからは在宅で看取りをしてく人が増えていく可能性があるので、訪問看護士の重要性がますます高まってくでしょう。

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