看取る意味を現役介護職が考えてみる!意味は一つじゃない?これからは?

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最近は看取り士という資格も出てきて「看取る」という言葉がよく使われるようになってきています。よく「父の最期を看取ったな」どと使われます。そのため、看取ることの意味について考えさせられる機会が多くなっています。
今回は「看取る意味」について考えてみましょう。

 

看取る意味とは

よく最期を看取ったと言われますが、その場合使われる意味は「最後を看取る」という意味で使われています。看取るはもともと「病人の世話をする」意味で、拡大解釈して「最期を看取る」という意味にとられるようになっています。看取るは常用漢字ではないのでマスコミの表記や公用文では「見取る」が使われているようです。

昔はほとんどの人が家で最期を看取ることが普通でしたが、最近では8割以上の人が病院で最期を看取るようになってきました。病院で看取る割合が世界的に見てもオランダは35,3%スウエーデンは42%日本は80%以上と非常に多いです。
国際長寿センターの「日本の看取り、世界の看取り」を見ると、日本人は欧米人に対して死に対する不安を強く持っていて、家族の意向に従うという人が多いのに対し、欧米人は本人の意向を重視してほしいと思っている人が多いという結果になっています。

また、日本では「たとえ会話ができなくてもできる限り長い時間を共に過ごす看取り」「可能な限り介護や医療を受けてもらう環境を調えての看取り」を望む割合は比較的少ないようです。宗教的儀礼は比較的軽視されています。

最近では一人暮らしの高齢者が多く孤独死が増えています。それ以外に高齢者施設でなくなる方も増えてきています。看取る意味とは、自分とつながりのある人を最後まで見守ることでその人とのつながりを思い出の中にしまい込み、自分も最期まで看取れたことで満足できるのではないでしょうか。

 

 

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看取る意味は一つじゃない

看取る意味は、命の最期を見取るという意味と病人のお世話をすると言う意味の2つがあります。最近は看取るというと、命の最期を見取るという意味に使われることが多くなっています。ですから、病人の世話をしている時にその病人に対して「私は看取っている」といったならば、ショックをうけるかもしれません。

専門職としての看取り

最近では、病院や高齢者施設での看取りが多くなっています。看取り介護は最後の瞬間を看取るだけでなく、最後までその人に寄り添い、お互いの信頼関係の中で介護をしていくことです。介護の現場では、医師、看護師、介護士など複数の専門職が高齢者と関わっていきます。専門職の人たちが連携をとりながら、病気の状態やその人の痛み、介護の状態を把握して高齢者と関わっていく必要があります。

在宅での看取り

在宅で看取る場合、本人と家族の看取りに対する考え方を知り、出来るだけそれに沿って関わり、最期を迎えられるようにしなくてはなりません。在宅看取りは手間がかかることも多く家族の覚悟も必要です。専門職として、本人が終末期であることを医師が診断し、家族、訪問診療、訪問看護、訪問介護等が連携をとりながら看取り介護を行う必要があります。

病気によっては痛みが伴う場合があり、様々な苦痛を出来るだけ安楽にできるように医療関係の指示を仰ぎながら介護を行わなければなりません。例えば、末期のがんの方の場合、横にしたりギャッチアッップしたりすることも痛みがかなり伴う場合があります。家族の方に対する配慮も必要です。看取り介護を希望された背景には様々な悩みがあり、心の葛藤もあったかもしれません。家族の手助けになり、家族の大変さを理解していくことが大切です。

施設での看取り

施設での看取り介護は、手を尽くしても回復の見込みがない時にされます。家族や他の連絡先に連絡を入れて、看取り介護計画に基づいて計画を立てます。そして、家族、医療関係者、看護師、介護士が連携をとりながら看取り介護にあたります。急変した時に連絡する相手や服装などについて家族と話し合い、最期を家族が看取れるように手配もします。

施設によっては家族が看取りのために泊まることができる部屋を準備しています。看取り介護はプランに沿って行われるため、本人の病状に合った介護をうけることができます。病院や施設での看取りは24時間体制なので、家族が休息をとりながら任せることができるので安心というメリットがあります。

看取りをどこで迎えるかということは難しい問題で最後は病院というケースが圧倒的に多いです。なぜなら、日本の医療は高度な技術を持っていて安心して任せられるという点にあります。在宅では医療を施すにも病院に比べて限界があり、家族の負担も大きくなります。

 

 

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看取る意味のこれから

高齢化社会を迎えるにあたって、ほとんどの人が自宅で最期を迎えたいと思っているようです。しかし、日本ではほとんどの人が病院で最期を看取ります。超高齢化社会になり、病院のベッド数が足りなくなりつつあります。病院は急性期医療に転換しているところもあり、長期入院ができなくなっています。もし、今までのように長期入院をしていると、必要な人を受け入れられなくなるでしょう。

高齢者の意識の中では、最期を迎えるに理想の場所を病院としている人は30%くらいです。最期まで元気でいて在宅で最期を迎えたい、つまり、ぴんぴんコロリという願いを持っている高齢者がほとんどです。最期は自分で決めたい、家族に迷惑をかけたくないと思う人も多くなっています。最近、終活のためのエンディングノートを書いておくという理由もそのためでしょう。

厚生労働省の「看取り」について見てみると、2030年から2050年の死亡者数の推計が1600万人を超えています。これからの看取りが増えることを考えると在宅での医療的な措置が必要になってきます。厚労省の調査によると、在宅での看取りを行う医療機関は年々増加していますが、病院、診療所ともに5%程度にとどまっています。その反面、訪問看護はかなり増加しています。介護保険でなく医療保険で算定する病院、診療所が増えています。平成24年~平成28年の5年で1,4倍に増えています。

厚労省が打ち出している地域包括ケアでは、病棟は急性期の医療の受け入れや介護施設、在宅の緊急時の受け入れをし、その後、長期療養を介護施設や在宅医療の支援をしながら戻すという方向性を出しています。今後は、病院よりも介護施設や在宅での看取りが多くなってくるでしょう。

 

看取る場合の注意点

看取りというと死が間近であると感じてしまいがちですが、普段通りの介護が必要です。もし、普段と違う接し方をすると本人が死を意識してしまうからです。なるべく死を意識せずに接する方が本人にとっても介護者にとってもいいでしょう。また、専門職の人は家族への言葉には十分に気を付けなければいけません。家族の話に耳を傾けることも必要でしょう。最期まで看取ることができたら、家族は後悔しないですむに違いありません。

終末期を考えると、特別養護老人ホームのように最期までいられる施設に入居を申し込むといいのですが、補助金がでるため他の施設に比べて比較的費用が安い施設だと入居が困難になっています。費用の負担が大きいですが、その反面、家族の負担が少なく、仕事を続けられるというメリットがあります。比較的介護度が4か5の人だと入居しやすいですが、早めに申し込んでおいて看取りに備える必要があります。

最期をどこで迎えるかということは本人が比較的しっかりして元気な時に話し合っておくことが大事です。本人がまだ元気な時にエンディングノートを作成し、いざというときに困らないように備えるといいでしょう。

 

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まとめ

人生の終末期を看取ることは家族や専門職にとって大切なことです。家族、医療、介護の3本柱で連携して行っていく必要があります。現在の看取りは80%が病院ですが、政府が打ち出している地域包括ケアの観点では、今後、看取りは病院ではなく、介護施設や在宅での看取りの方向になっています。

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