ヒヤリハットってどんな役割?どんな利用できるの?

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皆様はヒヤリハットというものはご存知でしょうか?

医療施設や福祉の現場にいる方ならご存知の方も多いと思います。また、実際に記入したこともある方も多いのではないでしょうか。

人の命を扱う現場において、このヒヤリハットはなくてはないものだと言えます。今回は、このヒヤリハットについてご紹介したいと思います。

 

ヒヤリハットとは

では、ヒヤリハットはどのようなものなのでしょうか。ヒヤリハット(またはインシデント報告書)とは、名前の通り勤務を行う上でヒヤリとしたりハッと気がついたことを報告するものです。同じ役割のものとして、事故報告書があります。ヒヤリハットは、事故が起こる前の出来事を記入するものです。あと一歩遅かったら事故につながっていたものやこういう状態は危ないのではないかと思われる出来事を記入します。

対しての事故報告書は起きてしまったアクシデントや事故を報告するものになるので、この二つは重要な繋がりを持つものです。

 

 

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ヒヤリハットの役割

では、このヒヤリハット報告書はどのような役割を持つのでしょうか。これは、こんな危険なことがあったと他のスタッフに報告することで同じようなミスを防ぐという役割があります。

事故は医療の現場や福祉の現場では絶対起きてはならないものです。それを未然に防ぐ為の書類となるのです。周りのスタッフと情報を共有することで、より強いチームワークを作ることができるでしょう。また、記録として残すということも重要になってきます。

最初は気を付けようと慎重になるのですが、月日が経つと業務に追われどうしても記憶が曖昧になってきます。そこで、その時の出来事を記録に残すことによって、後から振り返った時に思い出すことが出来るのです。また、ヒヤリハットが多い出来事に対しては施設側も何らかの対応ができます。

日頃現場のことが把握しづらい施設幹部に報告することによって、現場の状態を把握してもらえるという利点もあります。注意すべきことや注意すべき利用者の方を皆で把握することによって、より質の高いサービスが提供できるようになります。

 

ヒヤリハットの書き方

ここでは、ヒヤリハットにはどのようにして記入していくかご紹介したいと思います。

⑴基本情報

まず、基本情報を記入していきます。報告月日や報告者の氏名などを記入します。

⑵発生状況

次に、発生時の情報を記入します。発生した時間、場所、月日、利用者の名前などを記入します。そして一番大切な、どのような事があったのか状況を記入します。この部分が、ヒヤリハット報告書の肝になる為、出きるだけ詳しく書く必要があります。よく見られるのが、自分だけしか理解できないような簡略的な書き方です。ヒヤリハットは、報告書です。周りのスタッフに伝えられなくては書く意味がありません。いつ、どこで、どんなことがあったのかをわかりやすく書くことが大切です。

⑶利用者への対応や家族への説明

その時、利用者に対してどのような対応を行ったのか。また、家族に報告や説明は行ったのかを記入します。

⑷原因、対策

どうしてこのようなことが起こってしまったのか、原因を追求する必要があります。原因がはっきりしなければ、事故を防ぎようがないからです。また、同じような事故を起こさない為にどのような対策をとったのか、またはとる必要があるのかを記入します。
以上が記入例になります。後はこの報告書を他部所へと回し、情報共有を図ります。

 

 

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ヒヤリハットの事例

では、実際に事例をご紹介したいと思います。
※報告者の氏名や利用者の氏名は割愛します
(発生場所)
廊下
(発生状況)
杖歩行のAさんと廊下を歩いていた際、ナースコールが鳴った。いつも杖歩行で自立しているので、Aさんに声をかけナースコール対応をしたあと廊下に戻ったら、Aさんが床に座り込んでいた。
(利用者への対応、家族の説明)
すぐに外傷を確認し、看護師へ連絡。外傷、異常なし。その後部屋のベッドへと誘導。夕方、家族が来られたので、状況説明。
(原因・対策)
いつもはほぼ自立しているAさんだったが、この日は入浴してすぐだった。この後Aさんと話しをしたら、立ちくらみがしたとの事。入浴後は、特に気を配る必要があった。また、ナースコールが鳴った時自分しか近くにいない状況だった。仕事用のPHSで、他のスタッフに対応をお願いすべきだった。

対策として入浴後の利用者には必ず部屋まで付き添うようにする事。もしナースコール対応ができないようなら、スタッフ間で連絡を取り合うようにする。また、フロアには均等にスタッフを配置する事。

 

ヒヤリハットの注意点

⑴わかりやすい文面を心がける

報告書は日記ではありません。自分だけが把握すれば良いのではないのです。できるだけ、他部所にも伝わりやすい文面を考える必要があります。その為、専門用語は控えた方が良いでしょう。発生状況がよくわかるような書き方を心がけてください。

⑵出すだけでは意味がない

ヒヤリハットは提出するだけのものではありません。提出してからが大切なのです。定期的に対策はきちんと取れているか、検討する必要があります。その為、何度も見直すことが大切になります。

⑶報告者を責めるものではない

ヒヤリハットは、報告者を責めるものでは決してありません。次の勤務に繋げていくものです。稀に報告者を叱咤する方がいますが、それでは意味が違ってきてしまいます。怒られるのを恐れて報告ができなくなっては意味がないのです。報告者も、自分のミスが言いづらいこともあるかもしれませんが、報告することは自分のためではなく利用者の方の為だということを忘れないでください。

⑷他部所との連携を図る

ヒヤリハットを読む時は、他部所のものも積極的に読む必要があります。介護とは、連携が大切なのです。自分の今後の業務に活かせそうなものを読み取っていく必要があります。その為、施設側はヒヤリハットを閲覧しやすい場所に保管する必要があり、スタッフは空いた時間にきちんと目を通す必要があります。

⑸適切な言葉使いで

報告書は、上司も読むものです。くれぐれもきちんとした言葉使いで書いてください。また、報告書になるので基本的に鉛筆は不可です。消えないボールペンなどで記入を行なってください。

 

 

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まとめ

ヒヤリハットは例えささやかなことでも提出した方が良いと思います。

それで事故を防ぐことができるからです。起きてしまった事故はもうどうしようもありませんが、起きる前の状態であれば防ぐ為の策を考えることができます。施設や病院によってはこのヒヤリハット報告書や事故報告書を元に定期的に勉強会や検討会を行う所もあります。情報を共有し、事故が起こらないように声を掛け合うことが大切です。また、何かあった時に、記録は証拠にもなってくれるものです。

日々の業務は多忙で大変かと思いますが、報告書をきちんと記入し提出することも立派な業務です。そのことを忘れず、もし自分が報告者になった場合は、どのようにして記入したらわかりやすいか考えながら書き込むと良いと思います。

一つでも事故が減らせるよう、また利用者の方が安全に生活できるよう他部所と協力して最善策を考えて行きましょう。

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