介護のレセプト(介護給付費明細書)ってどんなことするの?役割は?やり方は?

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介護保険サービスで重要なのがレセプト(介護報酬の管理給付)作業です。これをしないと利用者にとっては適正な保険負担割合で請求できなくなりますし、事業所にとっても介護保険分が報酬として入ってきません。誰がこれをやっているかというと、在宅ケアマネージャーや介護施設の事務担当者です。ふだんは見えないレセプト業務をみていきます。

 

レセプトとは

介護保険施設が提供している介護サービスの利用費は、保険適用分と利用者負担があります。この保険適用分は国から受け取るお金ですが、受け取るために必要になる書類(データ)があります。これを「介護給付費明細書」、通称「介護レセプト」と呼びます。

サービスを提供している事業所は、毎月レセプトを作成して提出しないと保険分が徴収できません。このレセプトの提出先は事業所が所在している都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)になります。

レセプトと聞くとふつう病院の診療報酬の計算のことをイメージします。診療報酬は1点を10円に換算して計算します。診療科と、一つひとつの診療ごとに診療報酬が決まっています。また病院の規模や在宅診療ごとにも異なってくるなど、非常に複雑な仕組みになっています。そのため医療事務という独立した資格があるなど、専門性の高い仕事になっています。

介護レセプトについても、診療報酬ほどではないですが、年々内容が複雑になっています。サービス種の増加、加算の増加などですべてを暗記することは無理なほどのボリュームです。レセプト業務を行うのは、在宅ケアマネや各事業所の事務担当者です。普通は自事業所のレセプトだけを請求すればよく、また計算ソフトを使うのでパソコンに入力するだけになります。

しかし、利用者ごとに加算がついたりつかなかったりということもあり介護報酬の知識が必須になります。

 

 

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レセプトの特徴と役割

介護サービスをパソコンに入力、書類にプリントする時などは、全て「サービスコード」が使われます。日本語でサービス名を書いてしまうと似たような名前で混乱してしまいますし、なによりコンピュータ処理をしやすいためにコードを用います。

診療報酬は1点10円とすべて共通しているのですが、介護報酬の場合は地域によって報酬単価が異なるので注意が必要です。パソコン入力時には地域単価を入力します。関東で言えば、「東京23区」と「茨城県の郡」では東京23区のほうが単価が高くなります。

これは物価の高い場所で営業している事業者は自然とコストも高くなるためです。こういった意味から、地域区分表というものが設定されており、この中の級地というものが決められています。

級地は1級~6級、その他まであります。1級(東京23区)が一番単価が高いように設定されています。

介護レセプトは介護給付と予防給付の2つに区分され、サービスの種類ごとに明細書の様式が変わります。介護レセプトは事業所が利用者ごとに1件ずつ作成しますが、その書類の様式には様々な種類がありサービスの内容によって異なります。

様式の種類は第二から第十までありますが、その中でさらに細かく区分されているものがあります。たとえば、居宅サービスの訪問介護や訪問入浴介護などは介護給付の様式第二です。一方、同じ居宅サービスでも介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護などの場合になると、予防給付に区分され、様式第二の二となります。

 

 

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レセプトの書き方

このように様式がそれぞれことなりますが、共通してレセプトに記載するものがあります。それが(1)利用者の名前(2)生年月日(3)要介護状態区分(4)請求事業者の情報などです。これらは個人情報で受けるサービスによって変わることのない基本的な情報です。

次に給付費明細欄があります。

給付費明細欄

(1)サービス内容
(2)サービスコード
(3)単位
(4)回数
(5)公費

公費で受けた分など、実際に利用者が受けた介護サービスについての明細です。また請求額集計欄は、明細に書かれている単位や日数を計算し、請求額を計算した結果を記入する欄のことです。

この他にも必要によっては緊急時施設療養費欄、特別療養費欄、特定診療費欄、所定疾患施設療養費欄などもあります。介護保険のサービス利用者は、複数の介護サービスを受けています。とうぜん、各事業所がレセプトを作成することになります。ポイントは自事業所のレセプトのみを間違いなく国保連に請求することです。

様式がさまざまある介護レセプトですが、大体は似通っています。細かな様式は違っても、既に紹介した「給付費明細欄」を覚えてしまえば応用が効くレベルです。ただ、居宅介護支援と介護予防支援の2つは他とは異なる様式になります。

この2つは、いわゆるケアマネージャーの事業所が担当するレセプトになります。一般の介護サービス事業所とは少し違います。また、いまのところ居宅介護支援と介護予防支援には利用者負担がありませんので、他とは様式が変わってきます。

このような介護レセプトの様式やサービスコードの全てを頭に入れようと思っても無理なので、あまり細かく覚える必要はありません。そもそも介護事務は暗記不要です。概要だけを押さえておき、必要な部分だけテキストなどを参考にしていく方が良いと思います。

 

レセプトの流れ

「介護報酬請求」は、サービスを提供している介護事業者が、自分たちが提供したサービス分の報酬を求めることです。この先は国保連です。保険分は国保連に請求し、利用者の1〜2負担分とはわけて考えられています。
ケアマネージャーやサービス事業所のレセプト担当者が、利用者が直近1ヶ月の間に利用したサービスの内容や回数、また加算などの単位数をパソコン上に入力します。月末から月初にかけてこの入力作業があります。

そして毎月10日までに国保連に提出することになります。レセプトの提出は伝送・磁気媒体、どちらでも可能です。ちなみに磁気媒体の場合、MOかフロッピーディスクのみしか受け付けてくれませんでしたが、平成24年5月からはCD−RもOKのとなりました。USBは不可なので注意してください。

近年ではさまざまな専用ソフトが開発されているので、ほとんどがコンピューターを使用したレセプト作成・提出となっています。ソフトを使用すると効率よく計算もすませてくれて楽ですが、とうぜんランニングコストはかかります。

 

レセプトの注意点

介護レセプトで注意したいのは、入力の間違い、漏れがないようにしたいということです。なぜかというと、サービスを提供した月から、国保連に請求し実際に事業所に支払われるまでには2ヶ月かかるという点からです。

レセプトの様式や記入事項に誤りがあって返戻されると、入金が最低でも3ヶ月遅れてしまうことになります。提出した書類は、国保連で内容に誤りがないか厳重にチェックされます。在宅介護サービスの場合は在宅ケアマネージャーが上げレセプトにすべての介護保険サービスの種類とサービス単位数が記載されます。それと各サービス事業所が請求した内容に差異があると、返戻対象となります。

とくにケアマネージャーは全事業所に関連するレセプトを担当していることになります。ケアマネのレセプトが間違っているとサービス事業所の請求が通りません。入金がされないことにより迷惑をかけることになり、またミスが多いと信用問題にもなりかねませんので、注意が必要です。

サービスを円滑に運営していくためには、入金の遅れは避けたいところです。場合によっては多大な影響を及ぼすこともあるかもしれませんから、入力ミスには充分注意するべきです。

 

 

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まとめ

非常に複雑な内容になっている介護レセプトですが、いかがだったでしょうか。レセプトについては使用しているソフトによっても操作方法などが違い、利用者がどの保険者か、どんな加算をとっているか、今月は加算を取れる月かそうでないか、負担限度額を超えた場合は実費計算が必要になるなど、覚えることが沢山あります。

お金が直接からんでくることですので、入力ミスにはくれぐれも注意してください。

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