福祉用具はどんな種類あるの?役割?

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福祉用具とは、要介護高齢者や障害者の方の自立を促進するための道具です。障害者には生活、学習、就労に役立てるものとして、要介護高齢者には主に生活機能を高めるものとして、さまざまな用具や機器があります(車椅子や杖、手すりなど)。ここでは、その中でも介護保険制度で利用可能な福祉用具について解説していきましょう。

 

福祉用具とは

介護保険で定められている福祉用具は全13種類あります。このなかで要支援から要介護1までの人が貸与(レンタル)できるものは4種類です。福祉用具は、日常的な介護の用に便するものが対象となっています。レンタル、購入ともに価格は業者が自由に設定できます。レンタルには搬送費やメンテナンス料等を含んでいます。
福祉用具の貸与が必要な場合はケアマネジャーに相談し、福祉用具事業者への連絡はケアマネジャーから行われるのが一般的です。介護保険を使った購入や、保険外の福祉用具購入については業者と直接やりとりしてもかまいません。
店には、福祉用具専門相談員という専門家が配置されています。心身の状態や住宅環境に合わせた用具選びをサポートしてもらえます。
次に該当する場合は、介護保険制度によって福祉用具の貸与(レンタル)、あるいは購入が可能です。

介護保険対象者

□65歳以上の方で介護もしくは介護予防が必要と認められた方
□40~64歳の方で特定疾病が原因で介護が必要と認められた方

要介護1〜5であれば、居宅サービス計画の中で特定福祉用具の貸与や購入をすることになります。軽度の要介護認定者には介護保険の貸与ができないものもあります。
福祉用具の購入については、要介護度・要支援度にかかわらず年間10万円までを限度額として、介護保険からの補助(1〜2割)が受けられます。所得によって負担の割合が変わるので注意が必要です。

 

 

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福祉用具の役割

福祉用具の役割とはどのようなものでしょうか。ここでは脳卒中後遺症をもった人を例にしてみていきたいと思います。
脳卒中(脳出血、脳梗塞の総称)は脳内の血管がやぶれるか詰まる病気です。血管付近の脳細胞が死んでしまいます。脳は場所により司っている身体機能が違いますが、身体にあらわれる後遺症として多いのが左右どちらかの上下肢の麻痺です。
脳卒中後遺症として上下肢麻痺が残った場合、現在の医学では完全には治りません。発症後に効果的なリハビリをすればある程度までは回復しますが、「これ以上は回復しない」という壁があります。
中〜重度の麻痺が残ると、歩行も難しくなりトイレにいくのにも不自由します。それどころか布団から起き上がるのも難しくなります。そのため意欲をなくし、中には寝たきりになる人もいます。心身は相関しているので、身体が精神に与える影響は大きいのです。
そこで布団を特殊寝台(モーター付きベッド)に変え、起き上がりしやすい場所に手すりをつけます。環境を整えれば、上下肢の麻痺で起き上がれないことはありません。また肘掛けがはずれる車椅子を用意すれば自力でベッドから車椅子までの移乗が可能になります。
トイレなどに手すりを取り付ければ排泄も自立するかもしれません。上下肢の麻痺そのものはありますが、ベッド、車椅子、手すりなどの福祉用具を活用することで以前の生活に近づけることが可能になります。
福祉用具は麻痺のある脚を治すような生理的機能は高めてくれません。しかし、ベッドから起きて洗面所にいく、食事をしにいく、トイレにいく、そして外に出かけるという生活上の機能を高めることは可能です。

このように、生活上の障害になっている原因をなくしたり、軽減したり、本人が可能な限り自立した生活を送れるようにするのが福祉用具の役割です。また、もう一つ重要な役割として、介護者の介護上の負担軽減を図るということもあります。

 

福祉用具の種類

介護保険で取り扱っている福祉用具は貸与品が13品目、購入品が5品目です。購入品については、入浴や排泄に関わるものです。直接肌に触れる衛生用品という視点から、レンタル対象ではなく購入扱いになります。下線がひかれたものになります。

 

種類

移動関連

手すり、車いす、車いす付属品、歩行補助杖、歩行器、スロープ、移動用リフト、移動用リフトのつり具部分

ベッド関連

特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器

入浴関連

入浴補助用具、簡易浴槽

排泄関連

自動排泄処理装置、自動排泄処理装置の交換可能部品、ポータブルトイレ

その他

認知症老人徘徊感知機器

上にあげた種類ですが、例えば杖や歩行器一つ取ってみても膨大な数があり、それぞれに特徴があります。車椅子も従来型、モジュラー型、リクライニング型などの大まかな種類のなかに、またそれぞれ少しずつ機能に違いがあるのです。
これらのすべてを把握するのは福祉用具の専門家でも難しいかもしれません。そこでここでは介護の現場でよく貸与、購入されているものについてその使い方を紹介します。

 

 

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福祉用具の使い方例

歩行器

シルバーカーとも呼ばれていますが、歩行器はより概念が広いものです。体を覆うようにして4本脚がついているものです。手でもって歩く度に一度持ち上げなら進む4点歩行器や、上体をあずけるようにして乗せる部分がついている丈の高い歩行器があります。また在宅の高齢者ように小回りのきく買い物かごがついたタイプもあります。坂道を降る時はブレーキを使えたり、座って休みたい時は簡易椅子になるタイプがあります。

車椅子

座位が安定し、楽な姿勢が保てることを第一に考えましょう。次に移乗のしやすさや必要な機能をプラスしていくのがおすすめです。電動車イスは使用の前にかならず試乗します。歩道を走行できるか業者の方が判断します。

特殊寝台

利用する方の日常生活動作に応じて、必要な機能の付いたものを選びましょう。例えば、日中は離床している場合と、1日の大半をベッドの上で過ごす方では必要な機能が違います。ベッド柵に取りつけた柵の位置にも工夫が必要です。数センチ違うだけで自立できるかどうかがわかれます。

ポータブルトイレ

肘掛けの有無でも、タイプによってはそれが移乗の妨げになることもあります。肘掛けはトイレから立ち上がる際には便利ですが、ベッドからポータブルトイレに移るときには固定式だと移乗しにくいのです。また、背もたれや便座は、クッション素材のものが良いでしょう。クッション素材なら、長時間の利用にも負担がかかりにくくなります。

 

福祉用具の注意点

福祉道具は車椅子一つとっても非常に多くの種類があります。従来の自走車椅子、モジュラー型車椅子では、座位保持や乗り移り動作、また自走のしやすさという点がまったくことなります。単純に自力歩行ができないから車椅子、とは考えられず、現状の心身状況、自宅の環境、またどのようのな場合に使うのか?といった総合的なアセスメントが必要になります。

そうしないと道具の効果を100%引き出して使えませんし、逆に自立生活を阻害することにもなりかねません。また使い方に習熟しておくことも必要でしょう。モジュラー型車椅子は肘掛けがはずれることにより、座位のまま移動することができます。下肢に障害がある人の場合、一番難しいのは立ち上りのために体を伸展させる動作です。

その動作をスルーさせることができると、安定したままベッド、車椅子、車椅子、便器などへの移動ができます。肘掛けがはずれないと自力では行えず、介助者が必要になったりします。また肘掛けのみならず、フットレストもはずせます。これで介助が楽な位置取りで介助できるようになり、負担を減らせま。また車椅子の背をバンドで締めたり緩めたりもできます。このことで体形の差にあわせることができます。

福祉用具はそれぞれ使う場面によって少しずつ改良され、工夫された種類のものがあります。まずその種類を見極め、機能が最大限発揮できるように使い方を知っておくことが必要です。このようなことは専門家でないと難しいでしょうから、信頼できる福祉用具業者か、ケアマネージャーを見つけるようにしましょう。

 

 

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まとめ

ここで福祉道具の種類、役割をすべて網羅することはできませんでしたが、いかがだったでしょうか。車椅子も日々進化しており、高機能になっています。しかし、介護現場には従来の肘掛けさえはずれない車椅子が多いのが現実です。介護保険の利用者側が知識をつけ、要望を出していかないと現場の改善がなかなか進みません。こちらから積極的にこういう福祉道具を使いたいんだけど、話していってみてはどうでしょうか。

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