福祉大相撲をみたい!福祉相撲を大紹介!

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日本のお家芸である大相撲。高齢者はみな大好きですね。介護施設でも夕方の5時から6時まではフロアの大きなテレビのチャンネルはNHKに固定され、数人の入居者が観戦を楽しんでいる光景がみられます。

そんな大相撲ですが、「福祉大相撲」というのがあることをご存知でしょうか?今回は福祉大相撲についてとりあげたいと思います。

 

福祉大相撲とは

福祉という名前が冠されている福祉大相撲。いったいどんな相撲なのでしょうか。

相撲というからには力士の取り回しもとうぜん観戦できると思いますが、どこに福祉的要素があるのでしょう。
そもそも福祉大相撲はNHKとNHK厚生文化事業団が主催、日本相撲協会の全面協力で開催されています。毎年2月11日に両国国技館で行われるチャリティー興行です。両国国技館はこれまでにさまざまな相撲の名勝負が繰り広げられてきた由緒ある場所です。10,000人以上の顧客が収容が可能です。チャリティーとは慈善資金を集めることを目的とした催しです。このあたりが福祉大相撲という名前の由来です。老人介護とは直接関係ありません。
相撲甚句や幕下力士によるトーナメント戦、ちびっこ力士の人気力士への挑戦といった、本番とはまた違った趣のあるプログラムが組まれています。取り組みの本番前に子供力士と勝負したり、子供相手のファンサービスにも力をいれているころがよいです。また本番前にはステージをつくり、毎回ゲスト歌手と力士が歌を披露するのが定番になっています。
意外と力士のなかには美声の歌が上手い人がおり、デュエットをすると様になるので、観客が大満足するようです。力士はその大きな体から声量があるので歌がうまいのですね。試聴者にとっては意外な力士が歌が上手いことをしって、新たなファンが獲得できることも利点であるとのことです。

 

福祉大相撲の歴史

NHK福祉大相撲は1968年に蔵前国技館にて開始されました。1985年に現在の国技館へ移り、2017年までになんと50回を数える花相撲の中でも著名な興行の一つである。花相撲とは、勝敗が番付や給金に反映されない相撲の興行のこと。取り組みのほか初切、相撲甚句、横綱の綱締め、歌謡ショーなどのアトラクションが開催されます。
毎年、本興行の利益で福祉サービスカー「福祉相撲号」を障害者・高齢者の施設団体へ贈呈しています。今までに贈呈された車は303台です。
毎年連綿と続いていた福祉大相撲でしたが、2011年のこのときは波乱の年でした。2011年2月11日に開催される予定であった第44回興行について、主催者であるNHKが前年の野球賭博問題の捜査の過程で発覚した八百長問題などを理由に中止することにしたのです。
記者会見は2月3日にNHK会長の松本正之自らが行いました。これも異例のことでした。既に購入されていた入場券は払い戻しになりました。3日後の2月14日には、NHK厚生文化事業団が当初の予定通り、福祉サービスカー5台を各施設団体に寄贈することを発表しています。
今回の場合は福祉大相撲の収益はなく、事業団の創立50周年事業として900万円を自己負担で賄う形になりました。ただし、毎年恒例だった「福祉相撲」の文字を入れずに贈呈したとのことです。
このように2011年は相撲協会によって苦労の多い年でした。関係者の調整を乗り越えて、2012年の第45回興行以降は通常通り開催されることになりました。

 

 

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福祉大相撲ではこんなことしてる

福祉大相撲は力士とファンの交流が主なテーマであり、さまざまな企画も用意されています。本興行では、太鼓の打ち分け、相撲甚句(は邦楽の一種。大相撲の巡業などで披露される七五調の囃子歌のこと)、初切(とは相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見世物、現在では大相撲の花相撲や巡業などで見ることができる)、幕内力士と横綱の土俵入りと幕内取組など、他の花相撲でも行われているものの他に、力士が相撲とは関係のないゲームで競うコーナーや「お楽しみ歌くらべ」と呼ばれる、女性歌手と力士による歌謡ショーも行われる。
本興行の模様は、開催日から1・2週間ほど後にNHK総合テレビで放送されます。テレビでは第1部はアトラクションを中心に、第2部が「お楽しみ歌くらべ」の内容としてまとめて放送されます。幕内取組を含めると、興行時間は実際には4時間を越える長時間の放送になります。ここでもとくに要介護老人はでてきません。
ちなみに最近開催された平成27年2月11日の福祉大相撲は以下のような内容でした。

平成27年の内容

第一部 太鼓の打ち分け、相撲甚句、幕下優秀力士トーナメント
第二部 橫綱綱しめ実演、人気力士と子どもたちの取組、初っ切り、お楽しみ歌くらべ
「お楽しみ歌くらべ」の出演歌手
丘みどり 伍代夏子 チームしゃちほこ 天童よしみ 夏川りみ 西田あい
第三部 幕内土俵入り、横綱土俵入り、幕内取組

 

福祉大相撲を施設では見てる?

介護施設のうち特養、老健、サービス付き高齢者住宅、介護付き有料老人ホーム、住宅化型老人ホーム、グループホーム、無届の老人ホームすべてにおいて大相撲とみていない施設はないと断言できます。
NHKが写るチャンネルテレビがあれば、入居高齢者のほとんどは(もちろん例外はありますが)、ほとんど全員が相撲観戦に必死になっています。認知症などがなく記憶力・判断力が保たれている入居者は取り組みの勝敗をすべて覚えており、力士の名前を覚えていない介護職員がいると露骨に嫌な表情を顔に浮かべます。まるで仰向けに背中をつけて水面を移動しているアメンボをみるみたいに。
老人施設の老人にとって、巨人と阪神の勝敗と同じように大相撲で贔屓にしている力士の勝敗は大事なもののようです。この勝敗が明日のケアの負担度に関わってきます。そのため、介護職は利用者の好きな野球戦士や力士を把握するようになり、会話の幅を拡げていきます。
福祉大相撲を入世者と一緒にみると、とうぜん入所者は若いアイドルのことを知りません。そこで介護職員が教えてあげる。介護職は介護職で隣に立っている力士のことを教えてもらう。そして力士とアイドルが歌っている歌をテレビの前で一緒に歌う体験を通して密な関係性を獲得する。
福祉大相撲を観ていると、こういったメリットが生まれます。異なる世代を一度ジュースミキサーにいれて撹拌し、新しくできてきたものを入居者と介護職がそれぞれ受け取る。そんなダイナミックなことがおこります。異世代のミックス。そしてその結果として介護施設のケアの質がよくなる。
こうしたミックス効果につながるのは福祉大相撲に限ったことではないですが、典型的なケースとして福祉大相撲は活用できます。観ていない施設はこれから毎年観るようにしたいものです。

ちなみに現地に観に行くと入場料は以下のようにかかります。D席以外は売り切れになることが多いので、チケットは早めに入手したほうがいいでしょう。

溜席:8,400円
桝席S:7,300円
桝席A:6,300円
ボックス席:6,300円
ペア桝席B:6,300円
車いす席:6,300円
2階いす席C:4,100円
2階いす席D:2,600円

 

 

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まとめ

福祉大相撲の観戦には車椅子者は専用のスペースを用意されていると思います。両国国技館までの移動にとくに問題がないのなら、ナマで観に行くのもいいでしょう。よい気分転換になると思います。そうでない方の場合は、テレビで観るしか無いでしょうが、テレビでみるなら介護者と一緒に観ることをおすすめします。

 

そこで大いに笑って、会話を楽しんでいただきたいと思います。

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