デイサービスで体操をした時の効果は?種類は?

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高齢者がデイサービスの利用を開始する際の主な目的として「家に閉じこもりがちにならないようにしたい」「身体機能が衰えない様にしたい」などがよく上げられます。
健康寿命や介護予防という言葉が昨今してきた近年、デイサービスで行う体操についての関心が高まっています。

今回はそんなデイサービスで行う体操についてご紹介したいと思います。

 

デイサービスの体操とは

デイサービスで行われる体操は、レクリエーションの一環として行われることが多いです。今やデイサービスでは当たり前のように行われているレクリエーションですが、まずはレクリエーションを行う意義について考えていきましょう。
レクリエーションが高齢者にもたらす効果は一般的に「認知症予防」、「引きこもり予防」、「身体機能の維持・向上」とされています。その効果は、レクリエーションの種類ごとに限定的に得られるということではありません。すなわち、どのレクリエーションでも複数の効果を得ることができるといえます。
例えば、認知症予防のレクリエーションとして計算ドリルや脳トレ問題集を活用するとしても、単に「脳トレは頭を使うから認知症予防になる」ということでありません。計算ドリルや脳トレで、脳を活性化することで血流が良くなる、指先を動かす、言葉を発する、喜びの感情や残念に思うことなど、身体的にも感情面にも刺激を受けることになります。
このように考えると、デイサービスの体操でも単に体を動かして機能維持・向上を目指すという体力つくりの目的にはとどまりません。デイサービスの体操は若い世代のトレーニングとは異なりますので、体力維持とともに認知症予防や引きこもり予防の効果も期待して行うということになります。

 

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デイサービスの体操の種類

デイサービスで行う体操は無理をしすぎないペースで行う、転倒しない配慮という観点から主に腰を掛けた状態で行うことが前提になります。
高齢者が座ったままでできる体操にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。

■タオル体操(主に全身)

タオルの端を両手でつかみ、ゆっくりした動きで体を動かします。タオルをつかむ幅は個々の動きやすい幅で良いでしょう。タオルは伸縮しすぎす掴みやすいので無理なく動くことができます。上肢の上下、左右運動や腰を回す運動を行い、普段は使わない筋肉を動かすことができます。また、タオルの代わりにサランラップの芯で行うことで、ラップ芯で軽く肩や手足をたたくなどの新たなメニューも使い出来ます。

■指体操(巧緻動作、判断力)

歌や号令に合わせて指を動かします。巧緻動作がうまくできるようになるだけではなく、どの指をどう動かすのかを考えることや、瞬時に判断して指を動かすことなど脳トレの要素もあります。

■歌体操(主に全身、五感)

歌に合わせて行う体操。全身を動かすとともに、聴力・視力をよく使うことになります。また、歌を口ずさむなど発声を促す効果も期待できます。
耳慣れた懐かしい歌や季節に合った歌の選択で認知面の覚醒も促します。

■耳つまみ、鼻つまみ体操(ストレッチ)

隣に座った者同士の触れ合いをする体操です。隣の人の耳たぶをつまむ、鼻をつまむなどしてユーモアを誘う体操です。隣の人鼻や耳に触れるためには腰をひねる、手を伸ばすという動作が必要になり、腰の筋肉のストレッチ効果や普段はあまりしない上肢の動きを促します。他者とのボディタッチは、突然行うには抵抗がある方も多いので準備体操や導入の段階で和んだ気持ちになっているような工夫が必要です。隣り合う同志の人間関係にも配慮をしましょう。

 

 

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デイサービスの体操での効果

先にデイサービスで行う体操についての意義を述べましたがここではその効果を詳しく見ていきましょう。
デイサービスの体操は高齢者のために行うレクリエーションの一環ですので、導入から終結まで計画性をもって支援者が意図的な介入をしながら行われます。そして、最終的には体操をすること自体が高齢者個々の生活における目標達成の糧とならなければなりません。

このことを踏まえ、デイサービスでの体操の効果をデイサービス利用目的別に以下のようにまとめてみました。

■デイサービスの利用で引きこもりを予防、解消したい

・体操を行うことで離床できる
→座っているだけでも運動になる。体幹バランスを整える
・家ではしない活動、動きをする
→自分に自信を取り戻し、家でも動くことや活動時間が増えることが期待できる
・集団で体操する、行動することで他者交流ができる。
→会話やふれあいを通じて社会性や人間関係の構築ができる。物忘れ防止も期待できる。

■身体機能の維持向上を図りたい

・体操を通じて体を十分に動かす、運動が習慣化する
→腰痛予防、転倒防止できる。麻痺があっても拘縮防止できる。
・日中に体を動かすことができる
→昼夜逆転しない、規則正しい生活ができる。食欲も増す。

■認知症の防止をしたい

・体操を通じて血流が改善する
→脳の活性化を図る。見る、聞く、理解(動きを真似る)する等に意識が向き集中力が高まる。

 

デイサービスの体操の注意点

デイサービスの体操では、いくつかの注意点があります。デイサービスを利用している方は高齢者が多く、病気や障害を抱えている人も多くいます。怪我や症状の悪化を招かない様にしましょう。

■体操をする前に注意しておくこと

高齢者は目に見えない衰えや障害を抱えていることがあります。特に感覚機能の衰えによって転倒や椅子からの転落の危険があります。視力、聴力、平衡感覚のレベルに応じて体操する環境や介助者や周囲の人との位置関係に配慮しましょう。
また、医療面では病気によって体操をしてよいか、運動量や体を動かす範囲に制限などについて主治医に確認が必要なケースもあります。
直前にするチェックとしては血圧や体温などのその日のバイタルサインに変化がないか、食事や水分はきちんと摂っているかなども安全に体操を行うためには必要です。体操中に体調が悪くなるような予兆は見逃さないようにしましょう。

■体操中の事故防止

体操中は夢中になりすぎて思わぬ怪我や事故が起こる可能性があります。
無理な動きで筋肉を傷める、転倒して骨折をするなどのリスクに注意を払いましょう。特に転倒は、無理な動きや予想もしない動きをしてしまうということのほかに、服薬している薬の成分によって覚醒状態が良好でないままに体操するなどしても転倒の危険性は高まります。

 

 

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まとめ

介護予防が叫ばれる近年、デイサービスにおける機能訓練やリハビリへの取り組みが重視されています。一方で、従来の余暇活動であるレクリエーション活動はこれらに劣るものではありません。古くからレクリエーション活動の一環である体操は、介護の業界では科学的に行われてきました。無理なく楽しい気持ちでできるデイサービスの体操は、高齢者の心身の維持向上に効果を与えてきたといえるでしょう。機能訓練やリハビリと同様にデイサービスの体操が軽視されることなく、これからも多くの場で行われていくことを期待します。

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