介護離職ゼロは可能なのか!?介護離職ゼロを大解剖!

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最近は「介護離職ゼロを目指して」という言葉を聞きますが、介護離職ゼロの意味を間違って理解している人もいるようです。介護離職ゼロとは何でしょうか。その意味や政府が打ち出している介護離職ゼロの施策について説明します。

介護離職ゼロを目指すには、その施策をよく知り、制度をうまく利用していく必要があります。

 

介護離職ゼロとは

超高齢者社会になると、介護が必要な人が増えてきます。そんな中で介護をするために離職する人が増えています。そこで、政府は「希望を生み出す強い経済」「夢を紡ぐ子育て支援」「安心に繋がる社会保障」の「新・三本の矢」の実現を目指す「1億総活躍社会」の実現に向けた取り組みがなされていて、その一つとして介護離職ゼロの推進を目指しています。

そのため、政府は「必要な介護サービスの確保」と「働く環境改善と家族支援」を打ち出しています。では、仕事と介護を両立するために従業員に支援している制度にはどんなものがあるでしょうか。

介護休業制度

介護休業に関する制度では、「要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇い従業員を除く)がいる場合は、申し出により介護を必要とする家族一人につき、のべ93日間までの範囲内で3回を上限として介護休業をすることが出来る。」とされています。

ただし、有期契約従業員にあっては申し出時点において、入社して1年以上であることなどの条件があります。2017年1月より介護休業が分割して3回まで取得できるようになりました。

介護休暇

要介護状態にある家族の介護、その他の世話をする従業員は年次有給休暇とは別に当該家族が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として介護休暇を取得することが出来るとされています。この場合の1年間とは4月1日~翌年3月31日までの期間。介護休暇は半日でも取得することが出来るとされています。

介護をするための従業員の所得外労働の制限

要介護状態にある家族を介護する従業員が当該家族を介護するために申し出た場合には、事業の正常な運営に支障がある場合を除き所定労働時間を超えて労働させることはさせることはないと規定されています。

介護をするための従業員の時間外労働の制限

要介護状態にある家族を介護するために申し出た場合には、事業の正常な運営に支障がある場合を除き、1ヶ月について24時間、1年について150時間を超えて時間外労働をさせることはないとしています。

介護をするための従業員の深夜業の制限

要介護状態にある家族を介護するために申し出た場合には、事業の正常な運営に支障がある場合を除き、午後10時~午前5時までの間に労働させることはないとしています。

介護短時間勤務

要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇い従業員を除く)は申し出ることにより、所定労働時間を午前9時から午後4時まで(休憩時間は午前12時から午後1時まで)の6時間とするという規則も設けられています。

介護休業給付制度

雇用保険に入っている被保険者は、介護開始日前2年間に賃金支払い基礎日数が11日以上ある完全月が12カ月以上ある人が支給の対象になります。介護休業中の給付額は原則として休業開始時賃金日額×67%です。詳しくは労働基準監督署でご相談ください。

 

 

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介護離職ゼロの意味とは

介護離職というと、介護職員の離職率が高く介護職員の離職率をなくす施策のことと勘違いしている人が多いですが、政府の施策の介護離職ゼロとは、高齢化社会になり家族の介護のために仕事を離職する人が増えてきたために、介護をするために仕事を離職する数をゼロにするという意味です。

有料老人ホーム・高齢者住宅を運営するオリックス・リビング株式会社は、2016年11月11日の介護の日に向けて10月にネットで全国の40歳以上の男女1,238名(男性747名、女性491名)に対して「介護に関する意識調査」を実施しました。

介護離職ゼロの政府の施策について尋ねたところ次のような結果になっています。

仕事と介護の両立が出来ず、介護のために離職する人をなくす施策・・・44,9%
介護職員の離職を防いで、介護業界の人手不足を解消するための施策・・・24,0%
わからない・・・31,1%
という結果になり、55,1%の人がわからないもしくは意味を間違えていることがわかりました。

特に介護にまだ携わっていない40代の男性39,5%、女性34,0%がわからないと回答しており理解していない人が多いという結果になっています。

介護離職ゼロを実現する意味は、少子高齢化になってきて働き手が少なくなってきています。企業にとって介護離職は、頭の痛い問題で人材不足になる可能性があります。そのため、介護離職をゼロにし、仕事を続けていく人を増やす取り組みがなされています。

介護離職ゼロの実現性

オリックス・リビングの介護に対する意識調査では、また、「介護をする人が出た場合、仕事と介護を両立できると思いますか」という質問に対しての回答は

出来ると思う・・・5,7%
出来ないと思う・・62,9%
わからない・・・・31,4%

という結果になっており、仕事と介護の両立が難しいと感じている人が多いという結果になっています。年齢別では50代の男性が3,3%、女性が4,0%と一番低くなっています。

また、家族の介護に関する不安に関しては

不安を感じる・・・・35,5%
やや不安を感じる・・51,8%

という結果となり、87,3%の人が介護に対して不安を感じると答えています。

「介護休業制度をご存知ですか」という質問に対しては

内容を知っている・・・・17,4%
聞いたことはあるが内容まではわからない・・・53,7%
知らない・・・・・・・・28,8%

という結果となり、介護休業制度を知らない人が多いようです。

「介護休業制度の利用を検討する場合、障害となっているものをすべてお答えください」という質問に対しては

介護休暇を取得すると復帰しづらい・・・46.3%
実際に利用している人がいない・・・・・36,1%
収入が減少するかもしれないとの不安・・53,7%
となっていて、介護休業制度を取得しにくいと感じている人が多いことが現状です。

実際に政府は介護離職ゼロを目指して特別養護老人ホームを建設し、施設を増やすことを打ち出していますが、現場の介護職員の不足は深刻で介護職員の確保が現実問題となっています。介護職員の待遇を改善することの方が必要ではないか、介護士の労働環境を改善しないと施設だけ増やしても働く人がいないと言われています。

現実に施設は建てたけれど、介護職員が集まらないため施設をオープンできないというケースが全国で頻発しています。働く人がいなければ、施設は運営できなくなります。どこの施設も介護職員の確保が難しい現状にあります。ですから介護離職ゼロはかなり難しい現状であると言えるでしょう。

今後は、介護離職を防ぐために制度をよく知り、介護サービスを利用していかに仕事と両立出来るかを探る必要があります。

 

 

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介護離職ゼロのこれから

政府の施策として安心につながる社会保障に関連する取り組みの一貫として2020年代初頭までに家族の必要な介護サービスを確保し、働く環境の改善と家族支援に取り組んでします。介護離職ゼロを施策として進めていくことを課題としています。現在の厚生労働省の有識者の会議では、介護休業を分割して取得できるようにするなどの使いやすくするための制度について検討されています。

施設では介護職員が少なく増やすことが難しい現状を考えると、家族がいかに仕事をしながら介護をしていくかという課題になります。そのためには介護保険制度をうまく利用しながら介護と仕事を続けていくことが必要になってきます。

介護休業制度や介護給付制度をうまく活用しながら、仕事を辞めないで介護を続けられるような取り組みが今後広がっていくと介護離職する人は少なってくるでしょう。

または仕事をしながらでも時間外労働をしなくてすむ制度を活用しながら、仕事中は介護支援サービスを受けて仕事を続けることができます。

介護離職をしないように介護支援サービスをうけるためにはケアマネージャーの支援が欠かせません。今後、ますますケアマネージャーの支援が必要になってくるでしょう。

必要な介護支援サービスを利用するためには、次のような流れで介護保険制度を利用することが出来ます。
介護保険のサービスをうけるためには、要介護認定の申請が必要になります。

要介護認定申請の流れ

1、市町村の窓口で要介護認定の申請を行います。
2、市町村の職員が認定調査をして、主治医の意見書を依頼します。主治医がいない場合には四町村の指定医の診察を受ける必要があります。
3、コンピュータで1次認定が行われ、1次判定と主治医意見書で介護認定審査会にかけられ要介護認定を行い、申請者に結果を通知します。申請から認定まで30日以内で行っています。
4、要介護1以上の場合は、居宅介護支援事業所(ケアプラン作成事業所)、または要支援1と要支援2に関しては地域支援包括支援センターに相談します。
5、担当ケアマネージャーがケアプランを作成します。
6、介護サービスが開始されます。

厚労省は労働者に対する介護サービスや介護休業に関する相談、支援の充実を図るとともに、企業における両立支援制度利用等に関する周知や相談窓口の設置等の取り組みを支援するとしています。今後は、企業に相談窓口を設けて、どんな制度があるか、どのようなサービスが受けられるかなどを周知させていくこと取り組みがなされていくでしょう。

 

 

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まとめ

政府は介護離職ゼロを目指して、まずは介護休業制度があることや介護支援サービスをうけられることなどを職場の従業員に周知してもらい、護離職を予防するための仕事と介護の両立支援モデルを構築し、企業に介護支援プランの推進をすすめています。

今後は企業内の相談役としてのケアマネージャーが必要だと言われています。

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