高齢者への栄養補給で栄養不足を退散!

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われわれすべての生物に重要な食事。生きている限りはかならず何か食べ物を摂取しなければなりません。しかも年代によって食事の目的も少しずつ異なってきます。高齢者の食事で大事なことはまず「楽しい食事」です。
次に「コミュニケーションとしての食事」も重要な視点です。最後に「低栄養に気をつける」栄養補給としての食事があります。

今回はそんな高齢者に需要な栄養不足の「栄養補給」についてご紹介したいと思います。

 

高齢者の栄養不足とは

低栄養とは、活動量に対して食べ物からとるエネルギーやたんぱく質などの栄養素が足りない状態を言います。高齢者、とくに要介護者の場合は太りすぎの心配よりも、低栄養状態に注意しなれければいけません。

特に、BMI体重kg ÷ (身長m)2が18.5未満の人、または半年の間に体重が23kg減少した人は低栄養状態になっている可能性が高く、注意が必要となります。このような体重の変化は低栄養状態を把握するうえでとても重要です。

血液検査でも低栄養状態がわかります。
・血清アルブミン値3.5g/dl未満
・血中総コレステロール値 150mg/dl

他に栄養状態を示す指標として、血色素量ヘモグロビン値があります。鉄欠乏性貧血の度合いもこれでわかります。高齢者のとくに女性に多い鉄欠乏性貧血を予防するには、肉・魚・卵・大豆製品・緑黄色野菜・海草などの鉄分の多い食品を積極的に食べるようにします。鉄の吸収をよくするために、動物性たんぱく質やビタミンCの豊富な食品をとることも重要です。

高齢者が低栄養状態になると、風邪を引きやすくなったり、回復が遅れて肺炎になったりする可能性が高くなります。また脂肪が薄いと褥瘡ができやすくなりますし、低栄養状態だと褥瘡の治りも遅くなります。

 

 

 

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高齢者の栄養不足原因

高齢者の栄養不足にはさまざまな原因があります。一人暮らしなどの生活環境や、年齢に伴う機能の低下、精神的要因など複数の要因が重なって食欲低下や食事摂取量の減少をひきおこします。食事量が減れば体力も低下し、活動量も減りそれがまた食欲低下の原因を招く悪循環をおこします。
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・生活環境

とくに高齢者の夫婦のみの世帯や独居世帯はほとんどが低栄養状態が危ぶまれています。食事作りが負担、人だから簡単なものですませるインスタントや菓子パン、または単品メニューなど。

・年齢にともなう機能低下

咀嚼や嚥下機能など口腔機能全般の低下により、食べることに障害がおきます。またよくあるのが義歯の不具合によって痛みがあり、肉や野菜などの比較的硬い食べ物や食物繊維が多い食材を控えるようになります。そのかわりに柔らかくて食べやすいお粥やなどの食事が中心になります。おかゆは量にくらべて満腹感をえやすいため、必要なエネルギーやたんぱく質が不足します。

高齢になると味覚や嗅覚が低下しますが、高齢者用の食事は一般に薄味のものが提供されます。そのためおいしく感じられず、食欲もわかないため食べないこともあります。

精神的要因

とくに一人暮らしの高齢世帯によくみられます。うつ傾向をもちやすい人は人だと食べたくならないなどの理由で食事量が減ります。

 

 

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高齢者の栄養不足対策

高齢者の栄養不足には医療的にアプローチする方法と介護的生活的にアプローチする方法があります。

栄養不足対策

・医療的アプローチ

低栄養の治療として、食事量の減少、食欲の低下などの原因をみつけ、根本となる部分を治療・改善します。咬み合せの不具合や、義歯があわないなどの口腔的問題には、歯科治療をうけます。
脳卒中やパーキンソン病などで嚥下に問題がある場合は言語聴覚士のリハビリを受けます。また食事前に口の運動をしたり、嚥下機能を高めるため氷で舌を冷やしたりすることも有効です。

どうしても少食で度に沢山食べられない時は、間食として栄養価の高い乳製品や果物、市販の栄養補助食品からカロリーやたんぱく質を補います。咀嚼・嚥下ができない場合は、病院から処方されるエンシュア・リキッドなどの総合栄養剤で栄養を補給します。

・介護的アプローチ

食事は栄養補給のためだけにあるのではありません。楽しみという側面を忘れてしまうと、食べることが苦痛になってしまいます。そのためいったん治療的なことは忘れることも重要です。まずは好きなものだけ食べることを実践します。いくら栄養になるといっても嫌いな食べ物は食べたくないと思います。しかも相手は高齢者です。好き嫌いをいまさら変えることはなかなかできません。

次に出前をとることも有効です。とくに介護施設に入居している人は施設の食事に飽きているものです。食欲もなくなっていきます。そのときにうな重を注文したりすると、食欲ががぜんわくものです。同じ理由で外食することもよいでしょう。いつもとは違う環境になると気分がかわり食事量が増えることもよくあります。

そして一番は家族と一緒に食べることです。信頼できる家族といっしょの食卓をかこむことは精神的な安心感がありますし、「食べなければいけない」という義務感から解放されることも大事な要因になります。

 

高齢者の栄養不足予防

高齢者にかぎらず、生活のリズムがくずれると食欲も出なくなります。食事を朝昼夕の毎日回、規則正しい時間に食べることによって、生活全体のリズムを整える必要があります。一度にたくさん食べるのは内臓機能が低下した高齢者には負担になりますので、数回にわけて食べることも大事です。

しかし、人によっては一日回にこだわらなくても場合もあります。もともと一日の食事回数が3回だった人で、栄養状態にとくに問題なければ3回でもかまいません。

在宅の生活者にくらべて施設の場合は栄養不足におちいることはあまりありません。3日回食事がきちんとでますし、食べていなければ介護職が把握し、低栄養状態にならないように介助するからです。

このように考えると、やはり在宅の高齢者、とくに夫婦二人世帯や独居世帯の高齢者には栄養不足の予防が必要になります。食事作りが負担になっている場合は配食弁当のサービスを利用する手があります。また地域の町内会で定期的に食事会をおこなっていたりもします。そこで友人をつくり、外食などをすることも大事でしょう。社会的にひきこもりになることで食事がおろそかになるからです。

内蔵の病気や手術などで食べたくても食べられない人もいます。そういう場合は栄養補助食品を摂取します。毎日の食事だけでは補えない栄養素を補うためには便利な食品です。経口から固形物にて十分な栄養を摂取できない人には病院から処方される栄養補助食品にエンシュア・リキッド医薬品経腸栄養剤があります。
これは高カロリーで必要な栄養素がすべて入った飲み物ですので、水分補給も兼ねることができます。非常に甘いので好き嫌いがあるかもしれませんが、低栄養状態の人には最適なものになります。

忘れがちなのは活動量の減少などにより便秘をおこし、空腹感が起きにくくなり食欲低下につながるケースです。低栄養は食事だけでは改善しないことを忘れないようにしましょう。

 

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まとめ

高齢者の低栄養についてみてきました。
食事は長年の習慣もありますから、あまり神経質にならないことも必要です。とくに80歳、90歳の超高齢者は基本的には「食べたいものを食べる」ことが一番大事なのではないでしょうか。

本人は「食べなくてはいけない」、介護者にしてみれば「食べさせないといけない」と考えながら食事をするのもストレスになります。ほどほどを忘れないようにしたいものです。

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