認知症のスケールって聞いたことあるけど何??

Memory Loss

認知症はいまや誰もが知っている疾患となりましたが、その診断については様々な側面から判断されるのが通常です。今回はその側面のひとつでもある認知症のスケールについてまとめてみたいと思います。

簡単な検査から時間のかかる項目の多いものまでありますので、ぜひ知っておいてほしいと思います。

 

認知症のスケールとは

認知症のスケールとは、認知症の疑いがある人に実施して認知機能や記憶能力などの検査をする事を言います。その種類はいくつかあり、簡単にできるものから時間を要するものまであります。
方法も簡単なものから専門的に行わなければならないものがありますので、下に紹介します。

~HDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)~

本人が生年月日を言える状態であれば行えるもので、最も簡単に行える事も手伝って、日本で一番利用されているものです。
テスト内容も、年齢・日時・自分の居る場所・簡単な計算・短い時間の記憶の確認・少し時間がたった記憶の確認・物の名前を思い出すなどがその内容です。
30点満点で評価し、20点以下であれば認知症の疑いとされます。

~MMSE(ミニメンタルステート検査)~

長谷川の次によく使われています。長谷川よりもやや複雑な質問が組み込まれていますし、実際に行ってもらって判断する項目もあります。
その内容としては、右手にこの紙を持ってください・その紙を半分に折ってください・それを私に渡してください・何か文章を書いてください・この図形を描いてくださいなどです。30点満点で、27点以下は軽度認知障害の疑いとされます。

~MoCA~

指示と動作を組み合わせてそれを行えるかなどで、多くの領域の認知機能を検査・評価します。
内容としては、1~5、あ~おまで書いた紙を置き「1、あ、2、い、3、う…」といった具合に指示をして線を引いてつなげてもらったりします。30点満点で、26点以上が健常と評価されます。検査時間も10分程度と短めであり、MMSEよりも糖尿病の人の認知機能障害を見出す事が出来ると言います。

~DASK-21(地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)~

行動の変化を調べて、認知機能障害と生活機能障害について評価を行います。これは介護職員などでも行える内容で、21の質問から構成されているものです。

 

 

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長谷川式の認知症簡易評価スケールのポイント

最も使われている認知症評価スケールである長谷川式ですが、結果的に点数で疑いかどうかを見てもその点数によっての違いなどがあったりますので、ここでは長谷川式スケールのポイントをまとめておきます。

~簡単で早い、誰でも出来る~

長谷川式が好まれている大きな理由です。特に準備するものもなく、出来るだけ静かな環境で行う事が望ましいですが、それ以外は得に準備するものもありません。質問の後半で「5つの品物を見せてから隠し、あったものの名前を言ってもらう」という項目がありますが、手持ちのもので関連のないものであれば良いです。例 ペン たばこ 名刺 など
また、誰でも出来るのもポイントです。いまはネットで調べれば長谷川スケールは出てきますからそのまま実施できます。医療機関に行く前に、自分たちで行ってセルフチェックをしてみる、という事もできます。

~点数について~

長谷川スケールは30点満点で、20点以下の時に認知症の可能性があると判断されますが、もう少し細かいポイントがあります。

認知症の重症度別の平均点

非認知症 24.3点
軽度認知症 19.1点
中等度認知症 15.4点
やや高度認知症 10.7点
高度認知症 4.0点

となっています。単純に20点を割るかどうかではなく、実はもう少し細かい点数の参考があるのがポイントです。21点以上だったとしても気になる事がある場合は医療機関への相談がすすめられます。

 

 

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長谷川式の認知症簡易評価スケールの注意点

長谷川にはいくつか注意点もあります。

~項目の細かい設定~

手軽に出来るのが利点の長谷川ですが、質問に対しての細かい設定がありますのでよく読んでから行う事が必要です。例えば、最初の質問の「歳はいくつですか」というものですが、不正解なら0点ではなく、2歳までの誤差なら正解とするなどがあります。
また、そのまま答えられた場合・ヒントを与えて答えられた場合で点数が違う場合もありますので、よく読み込んでから行うようにします。
なお、当然ですが20点以下ならすぐに認知症とはならずあくまでも疑いの状態です。認知症の診断は様々な側面から医師が総合的に判断するものですので、決めつけてしまうような言動には注意が必要です。

~難聴などのコミュニケーション障害がある~

簡単な質問で行えるのが長谷川の利点ですが、難聴がひどくてこちらの言葉が伝わらない場合は正確にテストが行えない場合があります。紙やジェスチャーで意思疎通が問題なければよいのですが、せっかく行っても正確な結果を得られない場合があるので注意が必要です。
また、失語症の場合も同様です。こちらの言っていること自体が正確に伝わっていない可能性があります。うなづいたからわかっただろうと思っていても実際には伝わっていない事も多いです。それによって得られた回答で点数をつけても、当然正しい内容とは言えません。

 

 

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まとめ

今回の認知症のスケールを知る事で、どういったポイントで認知症と診断されるのかを参考として得る事が出来ます。そうなると、日常の生活の中でも何に注意していけば良いのかにつながっていきやすいのではないでしょうか。
認知症の早期発見・早期治療は予後に大きく関わってきます。これは本人だけでなく周りの人にも大きく影響する事です。

認知症スケールのような知識が広く普及して、セルフチェックが当たり前なんていう時代が来ても良いのかもしれませんね。

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