介護用品を大研究する!

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介護を楽にしてくれる、あるいは介護を受ける本人の自立を助けてくれる道具についてご存知でしょうか。いま介護ロボットやAIを使ったケアプラン作成などが話題になっています。そういったものは最先端な介護道具は非常に未来を感じさせます。ですがもっとシンプルで身近な介護の道具(用品)もあります。今回はこちらを紹介します。

 

介護の用品とは

さて一言に介護用品といっても非常に多くの種類、数があります。ここでは介護用品をユニバーサルデザインの定義にもとづいて次のように考えます。
「多くの人が利用可能であるデザインが基本コンセプトに設計された介護に用いる品もの」。

ユニバーサルデザインとは下記の7つの原則にのっとった誰にでも利用できることを想定してデザインされた物のことです。障害者や健常者といったカテゴリー分けをしないことに特徴があります。

ユニバーサルデザイン7つの原則

1.どんな人でも公平に使えること。

2.使う上での柔軟性があること。

3.使い方が簡単で自明であること。

4.必要な情報がすぐに分かること。

5.うっかりミスを許容できること。

6.身体への過度な負担を必要としないこと。

7.アクセスや利用のための十分な大きさと空間が確保されていること。

介護用品はいわゆる介護保険で貸与・購入できる「福祉道具」も含みます。福祉道具の法的定義は、「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具」となっています。この定義をみてもわかるように、介護用品のほうがより広範囲なことがわかります。なお、介護用品は種類が多いので、今回紹介できるのはその中の一部ということをお断りしておきます。

 

 

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介護の用品の種類

介護用品には以下のようなものがあります。
介護靴、車いす、杖、歩行器、介護ベッド、寝具、介護衣服、床ずれ防止、入浴補助用具、ポータブルトイレ、おむつ、介護用食器、住宅改修用品、リハビリ用品など。このうちいくつかとりあげてみます。

介護靴

要介護者がはく靴です。室外用と室内用がありますが、室内用を指す場合が多いです。特徴としては裏にすべり止め効果のある素材が使われていること。履きやすく、脱ぎやすくなっていること。股関節の骨折などで左右の脚で長さが違う人もいるので、高低差をつけたインナーが入っているものもあります。

介護衣服

要介護者は関節の動く範囲がせまくなっている人が多いです。とくに拘縮といって関節が固まってしまっている人は衣類の着脱時に無理に動かすと脱臼したりします。そのため伸縮性にすぐれているものが多いです。またボタンどめは握力の弱った高齢者には難しいので、マジックテープを使うものもあります。

介護用食器(ストロー付きマグカップ)

ストローは何度も使えるよう耐久性が高いものがついている場合があります。使い捨ての市販のストローに変えることも出来ます。またストローの内径が細いと吸う力が必要になりますから程よい太さになっています。手で持つ部分は太めで握りやすい形状になっています。持ち上げる力を軽くしたいので素材はプラスチックが多いです。

介護用食器(取っ手付き茶碗)

高齢になったり身体に障害があると食器をもって食べるのが難しくなります。指だけで持とうとすると落としてしまうので、手全体で持てるよう大きな取っ手がついている茶碗があります。ご飯や味噌汁を飲む時に使えます。

 

 

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介護の用品のポイント

すべての介護用品に言えることですが、ポイントは本人の状態にあったものを選び、使うことです。このように言うと当たり前のことと思われますが、これが意外と難しいのです。なぜなら本人のADLや障害、性格、周りの環境、現在の能力などすべてを勘案しなければいけないからです。病院にいるリハビリの専門家がこのようなことが可能とは限りません。なぜなら病院は生活の場ではないからです。じっさいの生活の場を観ないと本当に必要なものはわかりません。

このように深い介護知識はもちろん、本人の生活全般を知っておく必要があるのです。例えばオムツパッド。吸収量はもちろんですが昼、夜の使い分けの仕方、テープ止めは必要か、場所はどこにあてるか、何枚使うか、皮膚かぶれをおこさないのはどのメーカーのものか。こういったすべての要素を勘案して選定する必要があります。
じっさいに使ってみないと分からないものもあり、継続してモニターしながら、本人に一番あったものを使用するようにします。また介護用品は介護する側の負担軽減にも役立ちます。

介護者が使いやすいもの手に入りやすいものを使用することも忘れてはいけません。

 

介護の用品の注意点

介護用品を使用する上での注意点は2つあります。購入の前にできるだけ一度は試すこと。介護者がいいかもしれないと思って購入しても、本人の状態にあっていないと使えないばかりか余計な負担の原因になってしまいます。また介護用品のなかの自助具(箸、スプーン、コップなど)の既製品は値段が高いものが多いです。種類もたくさんありますので、ほんの少しの違いで使いやすいさが違います。これは経験を積んでいる者でないとわからない部分です。また本人の状態にあったものでも、究極的には本人が使ってくれるかどうかにかかっています。施設には予備の自助具がある場合もあるので、一度使ってもらってその様子をみて自分用のものを購入したほうがいいでしょう。またこれまで使ってきたものと使用方法が大きく異なると、混乱を起こす可能性があります。とくに認知症がすすんでいる人の場合はうまく使えないことも考えられます。逆に最初はうまく使えないと思っても、練習しているうちにいつのまにか使えるようになることもあります。これは脳卒中後のリハビリのときなどによくみられることです。
かといって本人が嫌がっているのに無理やりに使わせるのは控えたがいいでしょう。とくに症状がすでに固定されている人の場合は、それ以上機能が向上することはあまりありません。
また生活の中の行為は普通は無意識な行為です。これがつねに意識しないといけない行為として「やらされる」と、非常に大きなストレスになります。本人に練習する意思がある場合にだけ頑張って使ってもらうようにしてください。

主にこのような介護用品(手で使う自助具)の使い方や評価は作業療法士が得意とする分野です。在宅介護を受けている人なら訪問看護事業所から作業療法士の訪問リハビリを受ける手があります。施設入所の人の場合は介護老人保健施設なら作業療法士がいてみてくれる可能性があります。しかし作業療法士がいる施設は少数派です。そうなると特別に施設に訪問してもらうしかありません。これには医師の指示書が必要になります。受傷後でまだ積極的なリハビリが必要な期間なら有効だと思いますが高齢者の場合は症状が固定されれば機能上の回復は困難な人が多いです。ですから施設に訪問リハビリを頼む人はまれだと思います。
このような場合は経験豊富な介護職か看護師に相談するようにしましょう。普段様子をみている介護・看護士であればどういったものなら使えるか、また本人の負担にならない範囲も把握できているはずです。そこで自立支援が可能な介護用品を使っていくようにしましょう。

 

 

 

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まとめ

介護用品は本人の自立支援のためにも、また介護者の負担軽減のためにもとても有効なものです。しかし、本人の状態にあったものを使わないと逆に自立を妨げたり、負担を重くしたりする場合もあります。

使ってみないとわからない部分もありますが、介護の経験が豊富な人に聞いてみたりして、積極的に利用していただければと思います。

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