介護の意味を調べてみて見えて来たこと

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介護保険ができてから、特に介護ということをよく耳にするようになりました。一般に介護とは車いすを押すことやおむつ交換、入浴介助、食事介助などで、人のお世話をすることが介護だと思われています。

狭義では、その意味が当てはまりますが広義では介護とは何なのかについて詳しく説明していきます。

 

介護の意味

今まで社会福祉として自立とは何かという問題に焦点を当ててきました。自立とは、身体的レベルだけでなく、経済的、精神的、社会的に自分のことは自分でするということとなります。それとは反対に、介護とは援助を必要とする人に対して行う日常生活面におけるケアのことを意味します。

つまり、介護とは心身に障害があったとしてもその人らしい生活習慣を尊重して、可能な限り自立できるように援助することです。日常生活の行動の中で、不足しているものを補い自立的な生活ができるように支援します。

日本で介護という言葉が使われたのは1982年のころで恩給の給付基準としての概念でした。1980年代半ばから公的な介護の保障を受けて介護人派遣事業が制度化され、障害者の保障制度として最初にできたものです。高齢者の訪問看護、介護は1960年代から始まったがそれは家族介護への支えという考え方でした。その後、医療現場に生活の質を高めるというQOLの考えが介護の考え方として定着し、介護によって、病人、高齢者のQOL(生活の質)を高め、さらに向上するという考え方となってきました。

 

 

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介護の意味を考える

介護をする者は、介護を必要とする人の状況を判断し、介護上の課題を明確にすることが必要です。介護をするにあたって次の点を思いに留めることが大事です。

日常生活を把握する

人それぞれ生活環境が異なります。今までの習慣を修正し変更することは難しいです。ですから、介護者が勝手に変更すると利用者は不快に感じ、信頼関係にも影響するかもしれません。例えば、調理の味付けや歯磨きの習慣、洗濯の畳み方、洗濯の干し方など人によって違います。

利用者の決めたことを尊重する

利用者の主体性を第一として、自分の行動は自分で選択し決定することを尊重しなければなりません。また、利用者の知る、選択する、意見を述べる、安全を守るなどの権利を守られるように介護の方法を選択し、実践することでもあります。

利用者との信頼関係を築く

利用者のありのままを受け入れ、尊重しながら介護をすることによって信頼関係が次第に築かれていきます。介護者の価値観を押し付けてもいい関係は築かれません。

安全に気を付け、配慮をする

介護をしているときに、利用者はトイレに行くために転倒しないか、食事介助では誤えんしないように気を付けるなど、安全性に配慮して行動する必要があります。

少しでも自立できるような支援をする

日常生活で利用者を援助するときに、気を付けなくてはいけないことは何でも手助けするのではなくて、利用者の障害の程度を見極めて、残存機能を使えるように必要な介助をすることが求められます。

他の専門職種と連携をする

利用者の持つ問題や状態を他職種の人と連携をもって、人の力を借りながら介護をすることが大事です。

 

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介護の意味は一つじゃない

介護保険制度は、現在、保険内のサービスと保険外のサービスを明確に区分するという形で、混合介護がなされています。

介護保険内サービス

介護保険が受けられる範囲内でのサービスになります。介護保険は要介護1~要介護5まであり、介護認定がなされた人が介護保険内の適用サービスを受けることが出来ます。それはケアマネージャーの作成したケアプランに基づいて居宅なら訪問介護 訪問入浴 訪問看護 訪問リハビリテーション、デイサービス、ショートステイなどのサービスが受けられます。

入所している利用者はグループホームや有料老人ホームでの適用サービスを受けられます。

介護保険外サービスとは

介護保険外サービスとは、介護保険が適用できないことを自費で行うサービスです。介護保険サービスが尊厳と自立支援を目的としているのに対し保険外サービスは自分の豊かな生活や生きがいのために全額自己負担で購入するものが介護保険外サービスです。

介護保険で認められないサービスには次のようなサービスがあります。

1、本人以外の者のことをするサービス

・介護保険で本人のことでも家族がいる場合、保険内でできないサービス(家族がいる場合は、基本的には生活援助は介護保険ではできない)
・利用者以外の人の調理、洗濯、買い物等
・居室以外の介護保険外の掃除
・自動車の洗車、掃除

2、日常生活援助に含まれないサービス

・草むしり
・花木の水やり
・犬の散歩等ペットの世話
・大掃除や窓ふき
・植木の剪定など
・正月のおせち料理や準備等

現在は介護保険内サービスと介護保険外サービスを明確に分けた混合サービスがなされています。つまり2階建てサービスで介護保険サービス+介護保険外サービス =混合サービスという考え方でなされています。

上乗せサービスと横出しサービス

上乗せサービスとは、訪問介護、訪問看護、通所介護などの枠以上に介護保険サービスを使った場合は、下に介護保険サービスでその上に自己負担分のサービスが乗ります。
横出しサービスとは、介護保険内に含まれないサービスの配食サービス、緊急通報サービス、移送サービスなどが追加サービスに含まれます。

住宅改修などは、住宅改修で介護保険から出て、住宅改修以外で市町村から補助が得られる場合があります。当てはまらない部分に関しては自己負担となります。

 

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介護の意味はこれから変わる

しかし、内閣府で現在議論されていることは保険内のサービスと保険外のサービスを組み合わせて「同時・一体的」に受けることが出来るようにすることです。
現在は、介護保険サービスを受けている時間内は、介護保険外のサービスを受けることが出来ませんでした。しかし、「同時・一体化」されれば様々な種類のサービスを同時に行うことが出来るようになります。

内閣府が東京都に提案している介護サービス

・介護保険の訪問介護サービスがなされている時間内に、本人のものと一緒に家族分の調理や洗濯等も行い、介護保険適用外のサービスについては別途課金する「同時・一体的」なサービスの提供
・健康づくりに関する資格や技能、外国語や方言等の技能を有するヘルパーとして医療、繁忙期の上乗せ料金といった付加価値に対する料金設定の解禁

新しい混合介護が解禁になることによって、利用者の家族にも利便性が良くなり、事業所の収入増加や職員の処遇改善につながります。

しかし、利用者側の負担が増えると利用できる人とできない人と出てきて不公平なサービスになりかねないという問題や認知症などの正しい判断ができない人を適切でない利用から守れるかという指摘もあります。

混合介護の解禁によって次の作業がようになると考えられます。
利用者は介護保険の時間内でも自分に合った様々なサービスを受けることが出来ます。競争の原理で介護業界全体の介護の質が上がると考えられます。事業所は介護保険以外で収入を得られるため、介護職員の処遇改善が出来て介護レベルの高い人材を評価できます。また、事業所の経営が安定する可能性があります。
一方、利用者の負担増の問題やサービスが複雑になるので適切なサービスかどうかの判断がしにくくなります。

事業所としても管理が大変になり作業の手間が増えます。

 

 

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まとめ

介護とはその人らしい生活習慣を尊重し自立できるように援助することです。また、その人の選択や決定を重視し信頼関係を築いたり安全に配慮したりといった支援することです。

現在の混合介護は保険内サービスと保険外サービスを完全に分けていますが今後は介護保険内のサービスと介護保険外のサービスが同時に受けられるようになり多様化した混合介護になると言われています。

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