介護の服はどんなの着るのがいいの?

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ケアワーカーが着ている服をじっくり観察したかたはあまりいないのではないでしょうか。家族が自宅の老人を介護するときに、着ている服をわざわざ着替えないと思います。同じように介護の仕事をしているケアワーカーも普段着で仕事をしているのでしょうか?

今回はこのような意外にしらないその素朴な疑問を取り上げてみたいと思います。

 

 介護服とは

結論から言うと、ケアワーカー用の服にはとくにこれといって決まったものはありません。国が指定してもいませんし、企業がそれぞれに独自の制服を用意するところがほとんどです。動きやすいシャツやジャージ、短パンをはくこともあります。それに対して、ユニット型などの小規模施設ではいかにもといった制服を廃止したり、もしくは最初から設定しないところもあります。職員は自分たちのもっている衣類を仕事着にしています。

なんだ、それじゃやっぱり介護は普通の服でもできるのだ、と思われるでしょう。確かにたとえば消防士が着るオレンジ色の防火衣は主にアラミド繊維でできていて、約500度まで耐えられる服です。基本的に中にインナーがついています。なぜかと言うと、夏場は汗をかくので防火衣の中に熱がこもります。汗を大量にかき熱中症になりやすくなるため、その対策のためにアイスノンを入れられるポケットがインナーについているのです。このように消防士がきる服にはいろいろな工夫がされています。

スーツを着たままおむつ交換するところを想像したり、消防服をきたまま食事介助するときを想像すると違和感がありますよね。それは介護するときの服装として機能的でないからだと思います。それでは介護をするための機能的な服とはどんなものでしょうか?

 

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介護服の選び方

介護する機能に優れた服とはどんなものでしょうか。まず介護の仕事に求められる服の特徴について箇条書きにします。

介護服の求める特徴

・動きやすくて軽く、伸縮性に優れたもの
・耐久性が高く破れにくいもの
・撥水性に優れ、すぐに乾く素材。
・ボタンなどの出っ張りがないもの
・洗濯しやすく汚れが落ちやすいもの
・動きやすくて軽く、伸縮性に優れたもの

軽く動きやすいというのは前提条件です。伸縮性が大事になってきます。入浴介護のときに着替えたりすることも多いですが、入浴介助のときはどうしても濡れます。濡れた素材は肌にぴたりとして脱ぎにくく鳴ります。こういうことを毎日の業務のなかで繰り返すのは非効率です。またや介助するときに、固い素材の服では利用者の身体を傷つけうこともあります。摩擦係数の低い、伸縮性のよいものを選ぶようにしましょう。

・耐久性が高く破れにくいもの

介護は肉体労働です。衣服にも負荷がかかっています。上衣でいうと移乗介助のときに高齢者がつかんでひっぱられます。下衣でいうとなんども立ったり座ったりする動作がありますので、こちらにも負荷がかかります。また洗濯の頻度も多くなることも影響しているでしょう。ズボンをはこうとしてお尻のところがやぶれた、なんてことはよく見ることです。

・撥水性に優れ、すぐに乾く素材

上で洗濯のことを書きましたが、介護後の現場では衣類は汚れやすくなります。介護老人の食べ残しの後加太付けや、おむつ交換時の便の付着、その他感染症にいたるまで。一日の終わりには目には見えなくとも服には汚れがたくさんついていると思われます。すぐに洗濯し、すぐに乾く素材であれば安心です。

・ボタンなどの出っ張りがないもの

おしゃれな服は介護には向きません。とくに袖口に大きな立派な存在感を示すようなエルヴィス・プレスリーボタンは介護の邪魔になります。ベッド臥床している利用者を横にずらしたいときには介護者の腕を背中側にまわして引きますが、ボタンがあると摩擦になって力が使えません。また他の移乗介助のときにもボタンが利用者にあたり、怪我をさせる可能性があります。服装という意味では、腕時計も介護をするときには必要ありませんのではずしておくべきです。

・洗濯しやすく汚れが落ちやすいもの

介護の仕事をしていると、気をつけてていても便がどこかに付着するものです。そのときはすぐに洗わなければいけません。介護用の衣類は普段着る衣類とはわけておいたほうが感染対策としてよいです。そのため何着かもっている必要がありますが、金銭的負担も増えます。すぐに洗濯して汚れが落ちやすい素材のものにしましょう。

 

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介護服のおしゃれ効果

ケアワーカーがよくきている服というと、優しい色のポロシャツとズボンは薄い茶色とか、そんなものが多いように思われます。私服で介護をしている施設でも派手な格好で介護士ている印象はありません。暗めのシャツに紺色のジャージといった出で立ちが多い印象です。

病院の看護師や医師の服はだいたい白一色と決まっています。病院は非日常の場ですから、特徴的なカラーで統一するのもよいでしょう。患者も退院する(この世界からでていく)と分かっていますから、室内着をきていてもしかたないと思っているのです。

しかし、介護は生活の場です。介護職には職場ですが、利用者にはそこで生活している生活者です。生活者の中に自分もはいっていくときには、少しくらい服装に気を配ってもいいかもしれません。同じような色のシャツ、ジャージではなく、もっとおしゃれをとりこんだ服装にすれば利用者にも生活場という実感を感じてもらいやすいようになります。

そして自分もおしゃれしてもいいのかしら、と思えてもらえばしめたものです。施設に入っていても、外出する機会はいくらでも作れます。

病院にいくならまだしも、レストランや美術館に付き添うこともあります。そういう場では利用者はもちろんですが、わきにつく介護者もTPOにあったふさわしい服装にしたいものです。

それが生活を援助するプロの介護職の姿だと思います。

 

 

要介護者の服について

要介護者用の衣類は何をどう選べばいいのでしょうか。着替えは自立した生活の基本です。活動生活に入るまえに着替えを行います。着替えは睡眠から朝の活動時間へと切り替えるスイッチの役目も果たしています。また服を着るのは単にパジャマと普段着の往復ばかりでなく、外出をして生活にメリハリをつけたり、気分をリフレッシュするためにも必要です。

要介護者の場合、第一に脱ぎ着しやすい衣服が大事です。とくに重度な介護が必要な人の場合、既成品では着脱しにくいものが多いと思います。理由は伸縮性が低いからです。要介護者ようの衣服で最も重視されなければいけないのはサイズと伸縮性です。少し大きめのものでよく伸びるものが着脱しやすい衣類となります。

伸縮性が確保されていれば服はなんでもいいのですが、既製品では以外に少ない印象です。あっても、デザインが犠牲にされているものがほとんどです。福祉用具のお店やドラッグストアなどで要介護者用の衣類が購入できますが、場所は限られています。福祉用具のお店なら種類は豊富ですが、店には在庫はおいていないことが多いです。

主にカタログをみて選ぶことが多いと思います。福祉用具のお店が販売している服には一見テープ止めには見えないようなオシャレなシャツなどもあります。ズボンも同様にオシャレかつ介護のことも考えらたものがありますが、大量生産しているわけではありませんので高価です。この部分がデメリットですね。

機能性にこだわりすぎると個性がなくなります。服装はその人の個性をあらわすのに必要なものです。介護施設では機能を重視した衣類を指定し、持ってくる(買ってくる)ように言われることが多いと思います。施設の介護スタッフにしてみれば身体介護業務のしやすさを重視しますのでとうぜんの要求です。介護度が重度になるとその傾向が飛躍的に増します。介護職側が着脱しやすい衣類は、介護を受ける側も着脱時に無理な抵抗を受けません。

そのことは理解してあげた上で、誕生日など特別な日だけは利用者本人のスーツを着用してもらい、ハレの日に参加してもらうように工夫しているいところは多いです。

 

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まとめ

ケアワーカーと要介護者が着る服の特徴について今回はとりあげました。ある施設では入居者がファッションショーをすることがあるそうです。派手な服装をした入居者がこの日は自分が主役、といった感じで舞台を歩き回ります。

もちろん車椅子の人も。人の印象を決める時に服装は大きな影響を与えます。その点をもう一度念頭におきながら、どんな介護の服を着るのがいいのか考えていただければな、と思います。

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