介護施設の営業ってみんなどうやってるの?

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営業というと、どうしても売り込みという印象が一般では強く福祉分野ではあまりイメージできないかもしれません。しかし、意外と営業はどこの施設も行っているのが実情です。
どこの施設も自分の施設に利用者さんを獲得するためにあの手この手で営業しています。

では、どんな形で行っているのかをご紹介したいと思います。

 

介護施設の営業とは

~なぜ営業が必要なのか~

介護施設で言う営業とは多くの場合、利用者様の獲得をするための活動全般を言います。
介護保険による報酬単価は決して高いものとは言えずどこの施設も収支には苦労しています。年々上がる職員の給料や必要経費、さらには建物の償却代などもかかってくる中 それらを切り盛りしながら運営を続けていくためには安定した一定量以上の利用者様からの収入がないといけません。

福祉の分野において営業というと何だかよくないイメージを持つ方も見えますが、運営が出来なければいくら利用者様のためと思ってもサービスを提供できません。さらに介護施設は、これからの高齢化社会において重要な社会資源であり今後ますますその役割は高まります。

今は介護施設を運営しているというだけでは利用者様は自然に集まってきませんから、営業に出て獲得していき、しっかりと生き残っていくという事が必要なのです。

~営業の種類~

一口に営業と言っても、内容や目的は様々です。今回は利用者様獲得のための活動に焦点をあてますが、その他にはこんなものもあります。

・職員募集(採用)
職安に募集を出す以外にも、介護の養成校に出向いて直接担当の先生とお話をし、実習受け入れ施設として活用してほしい、新規に職員がほしい旨を伝えたりします。これは、利用者様のご利用あっての介護施設の運営という事の他に、職員がいないとそもそもサービスを提供できないというもうひとつの大きな課題もあるからです。

・地域への働きかけ
今は介護サービスを使うつもりもないけれど、いつか使うかもしれない。そういった方たち向けに地域で体操講座を開催したり、講演を行ったりして施設の名前を同時に宣伝したりします。

 

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介護施設の営業の今の流れ

~在宅系の場合~

在宅系施設とは、主にデイサービス・デイケア、ショートステイや訪問介護などがありますが、基本的に在宅を拠点に生活していく方に対してのアプローチを行います。

ご利用者様が在宅介護に移行する場合の流れは、病気が発症 → 急性期病院に入院・治療 という流れが多いです。
そのあと、リハビリ病院に入院される方、在宅へ帰られる方といった具合に分かれるのですが、在宅系の施設が営業に入るのは、急性期病院又はリハビリ病院を退院する方に対して、という事になります。

もし自分の事業所にケアマネージャーがいるのであれば、それぞれの病院にある「地域連携室(またはそれに相当するもの)」に対して営業を行います。

そこの担当者は、退院を控えた本人と家族の意向を聞いて該当しそうな事業所と連携をとり退院後の生活につなげてくれるという役割を持っていますので、地域連携室にこまめに連絡を取るなどして新規にご利用可能な方がいたらまず自分の事業所に紹介してもらうようにしておくのです。

自分の事業所にケアマネがいない場合は、ご利用者様の紹介は地域の介護支援事業所地域包括支援センターからという事になります。それらの事業所に足を運び、自分の所の事業所のパンフレットなどを持参して、受け入れ可能な選択肢として営業をします。

新規のご利用者様にしても、どこか別の所を利用している方でも、いつどんなケースで自分の事業所に相談依頼が来るかわかりませんので、なるべく多くの事業所に営業にいきます。

~施設系の場合~

居住型の施設の場合、病院からそのままご利用になる方もみえますが、在宅で生活していたのが何らかの理由で施設入所を選択するという場合も多いです。

そういった場合は居宅のケアマネージャーからの紹介・引継ぎという事になりますから、やはり地域の介護支援事業所や地域包括支援センターへ普段から営業をしておく、という事になります。

 

介護施設の営業のポイント

営業におけるポイントはいくつかあげていきます

 

営業のポイント

ケアマネージャーにとって助かる施設

ケアマネージャーは多くの場合、利用者様やご家族の意向に沿う施設が見つからなくて苦労した経験を持っています。その理由としては、施設側が受け入れが難しいと言って難航を示す場合があるからです。他にも自分の施設のやり方を変えてくれないケースにも実は困っています。ケアマネージャーとしては紹介したいのはやまやまなのですが、ご利用者様に我慢してもらって利用していただくよりも、事情を聴いて柔軟に対応をしてくれる施設の方がありがたい訳です。
何より、そういった柔軟な対応はご利用者様自身が助かる事なのですから、本人や家族の意向を反映したケアプランを組みたいケアマネージャーとしては本当にうれしいのです。
ご利用者様一人一人違う生活なのですから、施設側はなるべく柔軟な対応を心がける事で誰もが助かるサービスを提供できます。

また、そういった対応をしてくれる施設はケアマネージャーによく覚えられますから、次の新規のご利用者様の獲得にも自然とつながっていきます。

施設に信頼できる担当者がいる

ケアマネージャーにとって、同じ施設に連絡をとっていても毎回違う人間が対応をする。それ自体はよいのですが、問題なのは施設内で情報共有ができていない場合です。
先日の電話でしっかり説明しておいたのに、今日の担当者の人はそれを知らない。なので最初から説明しなくてはいけないなんてケアマネージャーは困ってしまいます。
できれば、なじみの関係へと段々なっていくような担当者がいるとケアマネージャーもどんどん相談しやすくなりますから「一度あの人に相談してみよう」と思われるようになっていきます。

施設の特徴を出す

自分の施設の特徴や力を入れている事を営業でしっかりとケアマネージャーに伝えておきます。どこも似たり寄ったりの内容ではケアマネージャーに覚えてもらう事は難しいですが、特徴があると覚えてもらいやすくなります。パンフレットなどにもしっかり記載するのも良い方法です。

 

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介護施設の営業 注意点

多くの場合はそれぞれの事業所のケアマネージャーを訪ねていくと思いますが、利用者様獲得のための営業にはいくつか注意点があります。

~ていねいで手短に~

挨拶や服装、態度などは相手に与える印象に大きく影響しますので言うまでもないですが、訪ねた相手先のケアマネージャーも仕事の合間に対応してくれています。忙しい事がほとんどなので、つい長々とはなしてしまったりすると良い印象を与えません。
なるべく手短に印象の良い対応を心がけ、パンフレットを持参するなどして後でケアマネージャーがゆっくり見られるように配慮する事も大切です。
なお、毎月の月初めから10日までは、ケアマネージャーは請求業務に追われていますので、そういった時期は行かないようにするのも良いと思います。

~他の事業所との違いを伝える~

ケアマネージャーは色々な施設からの営業を受けている事がほとんどです。基本的な役割はどこもほぼ一緒なので、普通に「お願いします」だけでは特に印象に残りません。なので、自分の施設の特徴や力を入れている内容を簡潔に伝え、パンフレットなどの資料でも確認できるようにしておく事も必要です。
実際に写真入りの資料で施設の雰囲気を伝える事も良い方法ですし、本当にあった対応事例なども、具体的で伝わりやすいと思います。
施設の空き状況なども口頭で伝えるのではなく、資料など目で見える形にしておいた方がケアマネージャーとしても助かる事を念頭に置く必要があります。

 

介護施設の営業の将来

介護施設としていまや営業は必須ですので必ず誰かが担当する事になります。その方法や頻度は地域性によってかなり左右されるものです。
しかし、今後は高齢化社会になるのだから営業は必要なくなっていくのではないかとの考えもあります。一見、サービスを使いたい人が増えて提供する施設が足りない、という構図も見えますのでもしかしたらその通りかもしれません。

しかし、実際はそうではないと思われます。今後の需要と供給バランスが崩れるのは目に見えていますので、それに合わせて介護保険の内容がどんどん変わっていく事は間違いないと思います。
一番影響してきそうなのが現在 国が調整中の混合介護(介護保険サービスと独自のサービスを組み合わせて良いとするもの※料金も)になるのですが、そういった変わっていくものに合わせて、サービス提供者側はどんなサービスを持っているのかがかなり問われる時代へと入っていきます。

つまり「選ばれる」という事がますます顕著になっていくと思われます。当然そこには単価の違いが設けられるはずですので、利用者様はたくさんいても単価が低い施設、単価が高い施設、という具合に分かれる事が考えられます。

なので、介護施設としての営業は今までのように外に売り込みにいくだけでなく、自分の施設内のサービスの可能性を考えて改善していきながら営業を行っていく、という形にならざるを得ないと思います。

利用者様がたくさんいても単価が低いままでは、おそらく運営は難しいと思われますので、しっかりと生き残っていく手段が必要になっていきます。

 

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まとめ

いかがでしたか。介護の現場は昔から「現場至上主義」が根強いですが、利用者様にいかに良いサービスを提供するかだけでなく、これからは「いかに生き残っていくか」という事もますます必要になっています。
それは近年の介護施設の倒産件数が表していますね。

重要な社会資源である介護施設は、その社会的な役割も果たすためにも、営業とサービスの改善にはしっかり力を入れて取り組んでほしいなと思います。

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