「老人ホームのレクリエーション」を大解剖!

Picture: Lorne Campbell / Guzelian
Peregrine House, Whitby, North Yorkshire.
PICTURE TAKEN ON TUESDAY 6 DECEMBER  2011

「レクリエーション」は仕事や勉強などの合間の余暇時間に行うゆとりや楽しみを目的とした余暇活動と定義つけられます。
私たちの日常生活の中でも、楽しみや交流を目的とした行事やイベントに参加する機会がありレクリエーション活動に自然と関わっていることも多いです。
家族や学校、会社や地域単位で様々なレクリエーション活動に参加することで気分転換ができたり、仲間の結束が高まったという充実感を得ることもあります。
生活にメリハリに与えてくれるレクリエーションは、心身の充実にも影響を与えてくれそうですね。
高齢者の生活している環境に置いての役割について詳しく見ていきましょう。

 

老人ホームのレクリエーションとは

一般的には老人ホームという括りの環境では、日常生活において何らかの介護が必要になった高齢者が集団で生活をしている場ということになります。
家族の介護力、何らかの病気、障害を抱えているなど多様な事情をはらんでいる入所者が集団生活を送っている場であるといえます。そのため、老人ホームでは「元気な頃の本来の自分ではなくなってしまった」、「家族みんなで暮らしていた頃はよかった」という想いを内に秘め、妥協や気持ちに折り合いをつけて過ごしている入所者も多いのではないでしょうか。
老人ホームのレクリエーションでは自ら楽しみを見出せない単調な日常に中に、少しでも楽しみの時間や興味が生まれることを目指しましょう。
そして、気持ちの充実や身体の活動が向上することがレクリエーションを行うことで可能になるとしたら・・・。レクリエーションは「生活の質(QOL)の向上」の一助となり、大変意義のある活動といえるでしょう。

 

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老人ホームのレクリエーションの役割

老人ホームのレクリエーションの役割を知るには、老人ホームに入所している高齢者の特徴をまずは知りましょう。

老人ホームを使用しているお年寄りの特徴

身体的な特徴

加齢による筋力、体力低下
高齢になるにつれ、活動性が低くなって筋力や体力が落ちてしまい、動作が緩慢。
膝が十分に上がらないすり足歩行などで躓き、転倒しやすい。疲れやすい。
肘や肩を動かす機会も減っているので、両手がまっすぐに上がらないなど普段の動きではわかりにくい部分の関節の動かしにくさもある。

病気の後遺症などによる麻痺
脳梗塞などの後遺症のため身体に麻痺がある。半身麻痺で車いすを使用しているなど。日常生活に身体的な介護を必要としていることが多い。
麻痺して動かない部位も意識して動かしてもらう等しないと拘縮してしまう。
後遺症として目に見える部分だけではなく、声がでない、言葉を組み立てて発することができない、視野が狭いなど。

精神面での特徴

無気力や虚無感
物忘れの進行や体の動かしにくさなどから、元気だったことのように行動できない。
自分が思い描いているような行動ができないことで悲観的な気持ちや、周囲の反応に傷つく等して気力が低下してしまう。

物忘れ、認知の低下による不安、戸惑い、怒り
いわゆる認知症の進行で、状況判断や理解が出来ないために相手に何を言われているのか、どうして自分のすることが受け入れられないのかがわからないので不安や戸惑いの最中にある。受け入れられないことに対してのイライラから怒りや不満が生じていることもある。

高齢者に対するレクリエーション活動は生活の質の向上を目指す手段でもあるので、身体的には活動や運動の機会の拡大を、精神面では参加への意欲と興味を引き出して集中力や刺激で脳の活性化を図る役割を担っているといえます。
またこの2つの面への働き掛けを通して、多くの人と共に楽しい時間を過ごす体験が大切です。
高齢者にとって複数の人で共感や共鳴し合えることは、自分に対して誰かが反応してくれる感覚を得ることができることです。その感覚を得ることで一時的にでも不安や戸惑いがなくなり、自信を取り戻すきっかけになります。

 

 

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老人ホームのレクリエーションの種類

老人ホームのレクリエーションは、マンネリにならないようバラエティ豊富な方が良いと考えられます。老人ホームを利用している入所者には個別のケアプランが存在していますのでレクリエーションが単なる余暇活動で終わることなく、個々の目標達成の助けとなる時間になるように意識しましょう。
そのため、豊富なレクリエーションのメニューの中から支援者が目的を意識して選択し計画的に進行することが大切です。

老人ホームで行われるレクリエーションの主な種類を以下に挙げます。

老人ホームでのレクレーションの種類

■主に体を動かすレクリエーション

・体操
・ゲーム
・散歩、畑仕事などの屋外活動

■主に考えることを目的とするレクリエーション

・クイズ
・パズル
・脳トレ
・しりとり、古今東西(考えることと発声を促す)

■主に発声を目的としたレクリエーション

・歌、カラオケ

■手工芸などの創作を行うレクリエーション

・手芸
・工作
・調理

老人ホームのレクリエーションの例

さて、実際に老人ホームで行われているレクリエーションについて紹介していきます。
先に紹介したようにレクリーションの種類は多種多様であります。進行役はそれぞれの体操の方法やゲームのルールを知ること以上に、計画的な進行のテクニックを身に付けることが重要です。
ここでは一つのゲームの進行を例に紹介していきます。

ゲームの進行例

【ゲームのタイトル:ボールで古今東西】

<道具>
ビーチボール
<配置>
10~20名程度で輪になって椅子に腰かける
<ルール>
輪になって一つのお題について古今東西で答えていく。
答える人はビーチボールを持ち、答えながら次の人に渡す。
隣の人に渡しても良いし、出来る人は向かい合っているメンバーや一人飛ばしや二人飛ばしでボールを投げて渡しても良い。また、輪の中心にバウンドさせても良い。

<引き出す目的>
動作:手の動き、腰の動き、首、視野
思考:考える、理解力、認知力、知識
その他:共感メンバー同士の協力支援の引き出し(ボールを受け取る補助、お題に対するヒント)

進 行

① 雰囲気作り(緊張をほぐす アイスブレーク)
・進行者あいさつ
今日の日付、天候、季節や地域の話題

・準備体操
隣の人の肩に触れる、隣の人の耳たぶをつかむなどの普段はしないような動きも含めて驚きや笑いを引き出す

② 道具に興味を持ってもらう(とりあえず触ってみたい)
・ボールを隣同士、手渡しで順番に送っていく。
・送る方向を変えてみる。
・一つ飛ばし、2つ飛ばしなどでボールを送る、投げてみる。
・投げる、円の中の床にバウンドさせるなど自由な方法でボールをパスする。

③ ゲームのルール説明を簡潔に(できそう、やってみようかな)
・簡潔にルールを説明する
・支援者で見本を見せる。理解できていそうな利用者と実演してもOK.
・お題は馴染深いものに決まるように話題をつくる。
アイスブレークの中で盛り上がった話題でも良い。また、古今東西なのでたくさん思いつくお題が好ましい。(花の種類、野菜の種類、鳥や動物、食べ物など)

④ ゲーム開始(できるように支援する)
・全体の流れを見る。メンバーの誰もが主役になれるような場面を作る。共感や同調、感心で答えたメンバーが「上手くできた!」と感じることができるような反応をする。
・戸惑っている、できないなどの支援はレベルに応じておこなう。ヒントを出して答えを引き出す、支援者と一緒に答える・動作するなど。

⑤ ゲームの締めくくり(満足感、充実感)
・メンバーの誰もが主体的に出来る場面を得て充実してもらうことができたら締めくくる。
・感想や、「次のお題は何にしようか」など次につながる話題で締めくくる。

⑥ クールダウン(終了)
・気分を整えて一仕事終えた感覚。完結した実感をもってもらう。
・深呼吸や拍手で締めくくる

 

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まとめ

高齢者のレクリエーションでは、大まかに流れをイメージしておくことが大切です。そして、最終的にどんな雰囲気で終了したいのかが重要です。
そのためには適時、必要な言葉がけや介助を行いましょう。時には軌道修正しながら誰もが楽しく過ごすことが出来るように、そして支援者としてはレクリエーションを通して思い描いている効果が得られるように常に意識しましょう。

先回りした介護や支援、計算された援助で老人ホームにおけるレクリエーションがより入所者の皆さんにとって意義のあるものになるように働きかけましょう。

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