介護離婚が多くなっている現状を考える!

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世の中に「介護」という言葉は十分に浸透しました。一昔前、老人ホームといえば山の中など目立たない場所にあったものですが、今では街中に看板をたてているのは当たり前で、見栄えも立派なものが増えています。それくらい当たり前のものになったのだと思いますがその一方で「介護離婚」という言葉が出てきました。

これは一体何でしょうか、熟年離婚と違うのか、今回は介護離婚について考えてみたいと思います。

 

介護離婚とは

~介護離婚と熟年離婚~

介護離婚とは、「お互いの親の介護など、介護を主な原因として離婚する」という事になります。お互いの親に介護が必要になるという事は相応の年齢である部分を考えると、大枠では熟年離婚と言っても差し支えないのだと思いますが、介護を直接的な原因とする所が介護離婚のポイントとなります。

相手の親の介護をすることがどうしても受け入れられないというのもそうですし、妻が実の親の介護のために長期間帰省し、結果的に別居状態が長く続いた末に離婚するというケースも介護離婚にあたります。

とは言っても「夫が家庭を顧みない人だった」とか「夫から愛情を感じない」という熟年離婚の要因が根底にある事も多いようですから、親の介護は介護保険サービスで確保できるとかそれ以前に、家庭内の関係がとても大きく影響することは間違いないようです。
また、夫婦関係がうまくいっている事は介護離婚の大きな回避要因になりますが、夫婦とその親との関係はやはり別物です。今は何ともなくても介護が必要になってきそうな状況が見えてくると離婚に至ってしまうという「介護前離婚」という言葉まであります。今までは普通に生活していたのだが、親が倒れて入院したのを機に離婚の話があがってきてしまう、という事もあるようです。

 

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介護離婚 原因

ここでは、わかりやすく妻の目線から原因を考えてみたいと思います。

~親、親族の介護に夫の協力がない~

妻としては自分の親の面倒もみたいのに、義理の親の面倒はみたくないと考える方もいます。最近では働く女性は増えてきたとはいえ、介護となるとまだ女性が優先される風潮も強いです。そんな中で夫婦関係が良好と言えない場合は、妻にとってはとても大きなストレスになります。
親族などにも「義理の親の面倒を見るのは当然だ」などの事を言われる場合もあり、夫に相談したり愚痴をこぼしたいと思っても「仕事だから」などと言われ時間をとってもらえず十分に話せなかったりします。そういったストレスを抱え続けてしまうと、どうしても心身の不調は避けられずに体調を崩してしまう事もめずらしくありません。
そういった事から介護離婚に至ってしまうケースがあります。

~夫婦関係も良くないのに面倒をみたくない~

親や兄弟以外にも、自分の夫に介護が必要になる場合があります。最近では脳血管性の疾患も若い世代に出現していますし、若年性のアルツハイマーも一定の割合でありますから、ないという話でもありません。
こういったケースでは、妻として夫を介護していこうと思っていても実際の大変さを知った時に面倒をみてくれるかどうかについては分かれます。それにはやはりもともとの夫婦関係が大きく影響するといえます。環境としてどうにもならない場合を除いて、多くの妻はそのまま夫の面倒をみてくれるケースが多いですが、積年の不満などがある場合には、これを機会に離婚する、これ以上面倒をみたくないという選択をする方もみえます。

 

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介護離婚 対策

実際に親の介護が必要になった時に、介護の方法に関しては介護サービスを使うなど公的な方法での確保は出来ますが、では介護離婚への対策というとどのような事があるのでしょうか。

~対策その1~

・介護を妻にまかせきりにしない
夫に仕事があるのも理解しているけれど「何で私だけ」という気持ちにもなりがちです。そうならないようにフォローする事が求められます。また、普段は仕事などで介護を妻にまかせている時間が多い事を考えると、妻の自由にできる時間を作る事も必要に思います。
休みの日などは夫が介護をするなどして、妻に自由な時間を過ごしてもらう事も必要です。
また、介護だけに目が行きがちですが普段の家事もあります。これは、介護の上にのしかかってくることですから妻の負担は相当なものです。普段でも自分で出来ることは自分でやる、何か手伝えることはないかこまめに聞く、などの姿勢も有効な対策となります。

~対策その2~

・周りの理解を得る(介護者を守る)
義理の親の面倒をみるのは長男の嫁、という風潮はまだまだ強い中で介護をしている妻は多いです。いくら妻の話を普段から聞くように努めていても、普段の介護の中で気持ちを張り詰めている事も少なくありません。
そこで注意しなければならないのが「周りからの思わぬ一言」です。
「ごはん食べさせてるのかしら(やせたねも同義)」とか「家が片付いてない」などの言葉は介護者を傷つけます。中には「やって当然」という態度で言う親族の事もありますが、言う側もそんなつもりでない事があります。しかし、気持ちを張り詰めながら毎日の介護にあたっている妻としては、普段なら何とも思わないような事にも敏感になってしまう時があります。

そういった時にトラブルにならないように、それこそそういった不満が介護離婚に結びついていかないように、夫は周りに理解を促しておく必要があります。時には、妻に代わって発言して守る事も必要になります。

「誰も守ってくれない」という思いからも介護離婚に気持ちが向いていってしまいます。行動を妻に見せるという事は、介護離婚を防ぐ有効な対策だと言えます。

 

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介護離婚 予防

予防という考えのもと、そもそもならないようにするにはという考え方です。

~夫婦関係で予防~

介護離婚と言いますが、その内容は熟年離婚に代表されるような「相手への不満」が根底にある事がほとんどです。なので、普段からコミュニケーションをよくとって、関係を良好なものにしておく事が予防につながります。そうしておけば、いざ介護が必要になった時でも話し合いながら進めていける事ができ、介護離婚への選択肢をなくす事にもつながります。

普段からの妻への感謝が最も効果的との声もあります。

~親の健康を気遣う~

介護離婚は、介護を直接の原因とした離婚ですから周りの人たちが要介護状態にならなければ介護離婚問題自体が起こらない事になります。なので、最も介護リスクの高い親世代の健康を気遣う事は、最も大きな予防とも言えます。

~妻の立場を作っておく~

これは、介護が必要になった時のトラブルを未然に防ぐために、事前に兄弟親戚と話しておく事です。起こりうる事について事前に話し合っておけば、介護が必要になった時に妻の負担が減ります。自宅でみるのか、施設に入ってもらうのか、介護の担当は誰かなどはその典型例です。
そして、万が一遺産相続に関してもめてしまった場合は、介護が終わってからも妻は苦しむ事になります。

そういった事態を避けるために、妻の立場を守るためにも、事前に話し合っておく事は必要な予防措置と言えます。

 

介護離婚 例

では、実際に介護離婚にはどのようなケースがあるのかを見てみましょう。

~親の同居がきっかけのケース~

今までは夫婦と子供だけで暮らしてきた家庭に、夫の親が体を壊して日常生活にも不便を感じるようになったので突然同居する事になりました。
夫としては「自分の親だから看たい」のですが、妻からしたら「他人」という気持ちのずれがありました。看たいと言った夫は特に介護を手伝う事もないので妻の不満もたまっていきます。

親の面倒を看たい夫と面倒をみたくない妻という気持ちのすれ違いがますます大きくなっていき、ついに離婚を決断してしまいました。

~介護される親が原因のケース~

結婚して数年で妻側の父が脳梗塞で倒れて以降、介護の生活が始まっていました。妻の母は他界しており、介護者は妻しかいない状態でした。

妻の父はもともと厳格な性格で、寝ながらでも口うるさく指図をしてきていて、そんな生活に我慢が出来なくなった夫が離婚を告げました。

施設に入所する事も検討しましたが、お金に余裕がないので在宅で介護していく事になり、介護離婚となりました。

~協力してくれる人がいないケース~

病気で倒れた義母との同居が始まった時は「誰でも年をとるんだ」「夫の母なのだからしっかりやろう」という気持ちだったのが、始まってから数年もたったころには夫は全く協力してくれない、義母はとてもわがままで毎日振り回されるという生活に疲れてしまいました。
自分の人生は夫と義母のためにあるのだろうかという考えで頭の中がいっぱいです。
自分の気持ちが毎日暗くなっていき、理解ももらえないなら自分が壊れてしまうので、介護離婚へと至りました。

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まとめ

いかがでしたか。介護離婚をそれだけの問題としてとらえる事は出来ず、多角的に原因や対策、予防について考えていかなければならないのですが、どんなケースにも共通するのは「人との関係性」による問題なのだという事は明らかです。

介護が必要にならない事はもちろん望ましいですが、例え必要になったとしても「介護があったからこう感じる事が出来たね」くらいのゆとりを持った前向きな関係性があると良いですね。

どんな場面であっても、押し付け合うとお互いに疲弊しますが、前向きな関係は元気を与えあいますから、大切にしていきたいですね。

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