介護のエプロンはみんなどうしてるの?介護のエプロンを大紹介!

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「介護のエプロン」でネットを検索すると、介護職員が使用するエプロンと要介護者が使用するエプロンの両方が出てきますが、ここでは要介護者が使用するエプロンについて取り上げます。

 

介護のエプロンとは

高齢者を介護する写真やイラストにはよく、介護のエプロンをつけた高齢者が登場します。そのくらい、介護のエプロンは介護度の高い要介護者にとって必須アイテムです。特に、特養やショートステイなどの介護施設では、食事の時にかならずと言っていいほど利用者に使用してもらいます。お食事エプロンとも言います。
エプロンは施設で用意されており、毎回食事の前に利用者全員につけてもらい、食事が終わるごとに洗濯をします。デイサービスなどでは、必要な利用者だけエプロンを使用することもあります。

洗濯されて戻ってきたエプロンを、職員と利用者が一緒にたたむ。介護施設ではよく見られる光景です。かつて主婦として家庭を切り盛りした女性の利用者たちは、職員がお願いすると気持ちよく手伝ってくださいます。エプロンたたみを通して、職員は利用者を見守ることができます。利用者は、職員や他の利用者とコミュニケーションをはかることができ、職員から感謝されることにより自尊心を高めるなどのメリットがあります。
筆者がショートステイに勤めていた頃の80代の男性利用者はやや社交性に欠ける人が多く、たまに笑顔の多い男性利用者が来ると女性利用者に大モテで、食事時に女性利用者からエプロンをつけてもらったりという微笑ましい光景も見られました。

 

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介護エプロンの役割

介護エプロンには次の4つ役割があります。

1.自力で食事を取るのが困難な利用者の衣服の汚れを防ぐ

頭はしっかりしているが、手や口のマヒなどがあり食べこぼす。認知症がすすんでいるため、職員に介助されると嫌いなおかずや薬を口から吐きだす。
こういった利用者にそのつど服を着替えてもらうのは、高齢の利用者を
いたずらに疲れさせることになるので避けるべきです。
筆者の勤めた施設ではポケットなしのエプロンを使用していたので、利用者に
つけてもらったエプロンをテーブルの上に広げ、そこへ食事のトレーを置いて
食事介助をしていました。

2.施設内の床を清潔に保つ

食べこぼしによって施設の床が汚れてしまうという問題があります。
他の利用者が床に落とした食べ物を踏んだり触ったりする可能性もあるため、施設内の床は常に清潔にしておく必要があります。しかし、食事中に職員は皆、介助が必要な利用者に付き、食後はすぐにトイレ介助や居室への誘導、入浴の準備等を行うため、食事のたびに床が汚れてもすぐに掃除ができない場合もあります。皆が食事をしている横でモップや雑巾を用いてたびたび掃除をすること自体があまり良いことではありません。

3.楽しく食事をする

特に、ショートステイやデイサービスではおしゃれな服を着てくる利用者もいます。女性利用者は、認知症があっても食べこぼして服が汚れたら気になるし、恥ずかしい気持ちもあります。エプロンをつけて食事をすれば、食べこぼしを気にしないですみます。

4.職員の雑務を減らす

床を掃除し、更衣介助を行い、洗濯をする。ただでさえ人手不足の職員の仕事が増えれば、結局は利用者へしわ寄せがいきます。これも望ましくありません。

介護のエプロンを食事の時に利用者に使ってもらうことで、介護をする側もされる側も負担は大きく減ることになります。

 

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介護エプロンを選ぶポイント

1.介護エプロンの種類

①使い捨てタイプ(ビニール製や不織布製)
1回使用して捨てるので衛生的です。
また、「色のついたエプロンだと、利用者によっては嫌がって取り外そうとしてエプロンを引っ張ったりする場合があるが、透明の場合にはそういうことがない」という事例報告もあります。
②前掛けショートタイプ(ポケットあり、なし)
③前掛けロングタイプ(ポケットあり、なし)
洗面台での歯磨きが難しい利用者はポケットつきのエプロンをつけて歯磨きを行えます。
④前掛け袖つきタイプ
⑤前掛け袖つきタイプ車椅子用
⑥ファッション性の高いタイプ
⑦フォーマルタイプ(冠婚葬祭の礼服に合わせた黒いエプロン)

2.選ぶポイント

①品質、機能性
丈夫、軽い、扱いやすい、撥水加工、すべりどめ加工、
汚れが落ちやすく洗濯しやすい、早く乾く、
首まわりの調整がきく、ボタンやよけいな飾りがない など
②デザイン性
子供っぽい柄は利用者のプライドを傷つけます。
ネット通販で探せば、高齢の利用者に似合う大人っぽいしゃれたデザインが見つかります。女性用はブラウスタイプやスカーフタイプ、男性用は、作務衣タイプやワイシャツ風のデザインなどがあります。1枚5000円以上の高価なものが目立ちますが、安く購入できるサイトもあります。
個人で購入する場合は、普段づかいのエプロンは機能や経済性を優先して、外出時や特別な日はデザイン性優先という使い分けが良いのではないでしょうか。
施設で購入する場合は経済性を優先しなくてはならないでしょうが、ポリエステル製のエプロンでも落ち着いた色柄のものを何種類か用意して、利用者が楽しんで選べるような配慮は必要だと思います。

 

介護エプロンの注意点

機能的で便利にできている介護のエプロンですが、認知症の要介護者に用いる
時には、やはり気をつけなくてはいけない点がいくつかあります。

注意4点

1.テーブルにエプロンの端を吸盤で固定するタイプは、途中で立ち上がったり移動したりといった動作を妨げるため、落ち着きのない要介護者には使わないほうが安全です。

2.首の後ろでマジックテープで止めるタイプのエプロンは、洗濯をくりかえすとマジックテープの部分にゴミがつき外れやすくなります。そのため利用者が自分でエプロンを外して床に落とすことがあり、他の利用者がそのエプロンを踏んで転倒する危険があります。エプロンに限ったことではありませんが、職員は常に目配りが必要です。使用済みのエプロンを回収する時にテープをとめてから洗濯をすればゴミがつきにくくなります。

3.認知症がすすんだ利用者には異食行動が見られる場合があります。ボタンや細いひものついたエプロンは避けたほうがよいです。また、エプロンのつけ方が分からずに首にしばりつけたりする利用者もいるため、これらに対しても職員の目配りが必要です。

4.ポリエステル加工のエプロンは、乾燥機にかけると熱をもちます。施設で、乾燥直後にまとめて持ってきた大量のエプロンに利用者が触れないように注意が必要です。

 

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まとめ

今回調べてみて、筆者が介護の仕事をしていた頃と比べると介護のエプロンの品揃えが格段に豊富になっていると感じました。
たかがエプロン、されどエプロン。どんな利用者にどんなエプロンを使っているかで、その施設の利用者に対するケアの質が浮きぼりになると言えます。
施設でエプロンを購入する場合は、経済性だけを重んじるのではなく、利用者の身になって商品を選んでいただきたいと強く願います。

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