高齢者レクの決定版!高齢者レク特集

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デイサービスや介護施設の現場ではレクリエーションと呼ばれるゲームが行われています。レクリエーションは外からみると単純なゲームのように見えますが、実際は認知症の方も障害を持った人も参加できて楽しめる、奥深いものなのです。

それでは介護の現場でのレクリエーションとは何かをみていきましょう。

 

高齢者レクの役割

余暇活動と訳されることが多いレクリエーションですが、本当はもっと広い意味を持つ言葉です。英語で書くとRe-Creationとなります。Reは「再び」、「新しく」という意味です。Creationは創造、創作という意味を持ちます。日本語で余暇活動というと余った時間にゲームをしたり、休日にレジャーにでかけるなどの意味に留まりがち。ですがレクリエーションには再び創造する、新しく創作するという、一歩進んだ意味が含まれているのです。

要介護高齢者は老いや病気によっていろいろなものを失っていきます。身体的な機能は落ち、物忘れが増え、友人が少なくなり、社会的役割からも遠のいていきます。介護施設で行われるレクリエーションは、そういった失われていく高齢者の人生に再創造をもたらすものと位置づけられます。

デイサービスでは毎日何かしらのレクが提供されています。利用者にとってデイは自宅とは違う社会的交流の場です。日常の場である自宅から離れ、いわば非日常のデイという場で一日を過ごします。そこでレクを通して自分を再発見、再創造するのです。

自宅に閉じこもり、食事もほとんどとらず、入浴もまったくしなかった人がデイサービスに通うようになってから、食事をちゃんととり入浴もきちんと行うようになった。こういった例はたくさんあります。

 

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高齢者レクのポイント

高齢者レクを選ぶポイントとしてどの様な点を注意すればいいのでしょうか。
利用者の状態や効果によって以下が考えられます。

簡単なレク

高齢者施設でよく行われるレクリエーションに風船バレーボールがあります。風船は不思議な力を持っています。風船のふわふわとした浮遊感が人の視線をひきつけるのか、認知症の人も認知症でない人も自然と風船を目で追ってしまいます。そして手が届く位置まで風船がくると、思わず手が出てしまうのです。それをバレーボールの要領でチームに分かれて打ち返すだけ。風船が床に落ちたら点がはいる。これだけのシンプルなゲームです。

風船バレーボールのよいところはルールの説明が不要なところです。バレーについては誰でも知っています。知らないゲームをやろうとすると、ルール説明をしないといけません。まずこの段階でつまづきます。というか進みません。認知機能が高く保たれている利用者だけで行うゲームなら可能ですが、判断力が衰えている人や、認知症の人、耳が遠い人などがいます。ルールは誰でもわかるシンプルなもの。これが高齢者向けに行うレクリエーションの鉄則です。それに簡単なもののほうが面白いのです。

また人の集中力はそれほど長く続きません。

また運動系のレクは盛り上がると数十秒〜1分程度で息がきれるほどの運動量になります。

短めにして様子をみながら進行するためにもシンプルなものにしたほうがよいのです。レクそのものよりも、内容が楽しくなるかつまらないものになるかは進行係の役割が大きいと言えるでしょう。

 

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運動レク

高齢者施設で良く行われているのが風船バレーボールです。これはまず間違いなく盛り上がる鉄板のゲームです。最低限用意するものは風船1つだけなので簡単ですし、少人数でも多人数でも風船の浮遊感を楽しむことができます。風船をたたくのは上肢を伸ばす方向に動かすので、肩関節の可動範囲が拡がります。体幹も伸びます。すると横隔膜が広がります。神経にも刺激がいきます。縮こまりがちな高齢者の身体にはよい効果をもたらします。

また風船バレーボールとともに人気があるのがベンチサッカーです。これは2チームで行います。相対して椅子に横一列に座ります。そして足でボールを蹴って相手のゴールに入れるサッカーゲームです。これは非常に盛り上がります。ボールをおいかけて足を伸ばすため、椅子からずり落ちる利用者もいます。数セット行うとハアハアと息が切れます。

これは利用者だけでなく介護職員も一緒に行えるレクで、高齢者より体力があるはずの介護職員のほうが先にダウンすることもあるくらいです。一日にこれくらいの運動ができれば、高齢者の体力維持に最適と言えるレクです。他にはうちわを使って風をおこして相手陣地に物を送るレクなどもあり、これもかなり体力を使うものになっています。

 

 

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座ったままできるレク

要介護高齢者は高齢のため足腰が弱っている人が多く、また下肢に障害をおった人もいます。多くの人に同じ条件で参加してもらいたいので、座ったままするレクリエーションのメニューが多くあります。座ったまま行うことのメリットはたくさんあります。

まず転倒の危険性をおさえられること。座ったままでも興奮して勢いがつくと椅子から滑り落ちてしまう人もいるくらい盛り上がるゲームがあります。立ったままだと足がもつれ、となりの人を巻き込んで複数人が転倒、という場面を減らせます。

また、座ったままだと下肢に運動麻痺がある人のハンデを減らすことができます。お尻という人体のなかで一番大きい支持基底面席で身体を支えることで、安定感が増します。そのため多少のぶつかりあいがあっても、ゲームの継続が可能になります。また座位は生活するなかで非常に重要な姿勢です。レクのときには足をしっかり床につけてもらいます。そして運動するときには足をしっかり床に接地させ、体重を乗せないといけません。つまり前かがみの姿勢になります。前かがみの姿勢は生活の基本です。

食事も排泄も入浴もすべてこの前かがみの姿勢をとります。この姿勢作りをレクのなかで無意識に行っていくことができるのです。

さらに進行面からいうと、座ってもらっていたほうが前で立ってレク進行を行う介護職に注目が集まりやすいのも理由にあげられるでしょう。

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高齢者レク 効果

レクリエーションは自然な運動を促します。病院で意識的に行うリハビリよりも効果が期待できる場合があります。また、運動以外にも認知機能面の向上も効果が見込めます。風船やボールを目で追い、手や足を伸ばすことで脳に刺激がいき意欲が増加しますし、直接触れることで刺激効果もあります。

なにより他人と同じ空間で何か楽しいことをすることで、脳内ドーパミンの分泌量が増えるので、覚醒度が格段にあがります。他人数でレクリエーションを行うと、病院で一対一で行うリハビリよりも良い結果を出す場合があります。競争原理がはたらき、夢中になるので無意識な力が出せるからです。

また仲間意識をもつことができ、孤独感が減少します。同じ施設の中で暮らしているだけでは人は一体感を持てないものです。レクリエーションを通して、他利用者の個性を知ることができます。また介護職員も一緒にレクリエーションをすることで、心の距離が近くなります。とくに運の要素で勝敗が決まるゲームをすると、高齢者が若い介護職員に勝つ場面があります。

このような場面ができると非常によい空気が現場にできます。レクにはこのような場の空気を良いものに作り変える効果もあります。

 

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まとめ

デイサービスではレクリエーションは業務の一貫です。介護職員が工夫して毎日とりおこないます。しかし、入所施設では業務としてのレクはあとまわしにされがちです。どうしても食事、排泄、入浴介護のあと、という位置づけになります。施設でもレクの効果を意識して、一日の業務の中に取り入れてもらいたいですね。

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