介護保険で住宅改修できる!?知らないと損な情報を大紹介!

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住宅改修という言葉は、介護業界の人間であれば一度くらい聞いた事があると思います。でもイメージとしては「自宅を改修する」くらいなものではないでしょうか。しかし、住宅改修も所定の手続きを経て申請すれば一定額は補助が出るものなのです。たしかに制度としてはややわかりづらいものはありますので、今回はその住宅改修についてまとめていきたいと思います。

 

介護と住宅改修

~住宅改修って必要なの?~

一般に、要介護状態となった人に必要と考えられるのが、手すりなどでしょう。手すりがあれば歩きやすいからなのですが、これは「あったらいいな」というイメージです。
「家庭内における不慮の救急車事故:平成13年中」(東京消防庁)の受傷形態別搬送人員(65歳以上)によると、転倒が搬送者の69%を占めます。次いで転落(8.7%)です。
65歳以上の高齢者になると、他の年代に比べて転倒による事故発生率が高くなっています。場所としては「居室」「浴室」「階段」での事故が多い傾向のようです。
救急車で搬送されるような事故(高齢者)というと、急な体調不良を原因に考えてしまいがちですが、実は住宅が原因というものがほとんどなのです。今の住み慣れた場所に住みたいという高齢者の気持ちとは裏腹に、その住み慣れた場所が危険な場所になってしまっているという事が、この調査によって明らかになっています。

~住み慣れた場所を安全な場所に~

高齢者が住み慣れた場所で安全に暮らしていくためには、先に紹介したような事故を減らしていく必要があります。特に、要介護状態となった方は身体機能に合わせた住環境の改造をする必要が出てきます。
介護保険制度では、このような住宅改修にかかる費用の一部を、原則として20万円まで補助するという住宅改修費の支給制度があります。※着工前の事前申請が必要です。

 

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住宅改修の介護保険適用

ここでは、対象者や建物、利用限度額などについて説明します。

<対象者>
要支援1・2、要介護1~5と認定され、在宅で生活されている方

※要介護認定を申請中の方は、着工前に事前申請して住宅改修を行う事は出来ますが、住宅改修費は認定結果が出た後の支給となります。認定結果が非該当の場合は住宅改修費は支給されません。

※病院や施設に入院(入所)中の方は、退院(退所)が決まっていれば着工前の事前申請によって住宅改修を行う事は出来ます。その際の住宅改修費は退院(退所)後の支給となります。もし退院(退所)されない事になった場合は、住宅改修費は支給されません。

<対象の住宅>
要支援1・2、要介護1~5と認定された方が居住している住宅
※被保険者証に記載されている住所の住宅のみが対象です
※住宅の新築や増改築(新たに居室を設ける等)は、住宅改修費の支給対象とはなりません

<利用限度額>
20万円(20万円を数回に分けて利用する事も可能です)
ただし、1割は自己負担のため、住宅改修費の支給は18万円が上限となります。
※わかりにくいのですが、介護保険としての「対象」は20万円、「支給」は18万円です。

住宅を転居した場合や「介護の必要の程度」の段階が3段階以上重くなった場合は、再度20万円までの利用が出来ます。

 

介護の住宅改修例

介護保険では、対象となる工事が決められています。それを簡単に説明し、実際にそれを行った場合にどれくらいの費用(自己負担額として)がかかるのかを見ていきます。

~対象となる住宅改修~

1 手すりの取り付け
廊下、トイレ、浴室、玄関、玄関から道路までの通路等への手すりの取り付け
※固定されていない家具への手すりの取り付けなどは対象外

2 段差の解消
スロープを設置する工事、敷居の撤去、浴室の床のかさ上げなど
※昇降機、リフト、段差解消機を設置する工事などは対象外

3 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
居室の畳を板製の床材に変更、浴室やトイレを滑りにくい床材に変更など

4 引き戸等への扉の取り替え
開き戸を引き戸、折戸、アコーディオンカーテン等に取り替え
扉の撤去、ドアノブの変更、戸車の設置など

5 洋式便器等への便器の取り替え
和式便器を洋式便器に取り替え(洗浄機能、暖房機能のついた洋式便器も可能です)
※洋式便器から洗浄機能付き洋式便器への変更は対象外です

6 その他1~5の工事に付帯して必要となる工事
手すりの取り付けのための壁の下地補強や浴室の段差解消に伴う給排水設備工事など

~改修と費用の事例~

住宅改修となると20万円を超える工事もあります。住宅改修費の支給を超える範囲については自己負担となりますので、それを含めての料金一例を出してみます。

<トイレ関連>
・ 洋式便座に変更した
自己負担額¥19.500円
・ 出入りしやすいように段差を解消した
自己負担額¥19.500円
・ 便器をまるごと洋式に変更
自己負担額¥52.500円
・ 手すりをつけて、全体的にスペースを広く確保した
自己負担額¥73.395円

<浴室関連>
・ 扉を二枚戸に替えて、開口幅を広くした
自己負担額¥13.125円
・ 段差の解消
自己負担額¥31.500円
・ 浴槽を浅くして介助しやすくした
自己負担額¥52.500円
・ 一人でも入浴できるように腰かけ付きの浴槽にした
自己負担額¥89.250円

<玄関関連>
・ スロープを設置して車いすの出入りをしやすくする
自己負担額¥47.330円
・ 段差解消機を設置して、部屋から直接外出できるようにした
自己負担額¥82.000円

 

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介護の住宅改修でのメリットデメリット

~住宅改修のメリット~

・重大な事故を防いで安全に過ごせる
先の東京消防庁が発表した内容のような重大な事故を防ぐためには、住宅改修は欠かせません。
・費用を一部補助してもらえる
介護保険としての適用は20万円で、実際の支給は18万円。しかし、18万円でもあるのとないのでは違います。受けられる補助はしっかり受けましょう。
・地域によって、介護保険の住宅改修費の支給以外に独自に事業を行っている自治体がある
例を出せば、宮崎県の宮崎市では「宮崎市高齢者等居宅介護住宅改修補助事業」といって、上限50万円を限度として改修工事の費用を助成する事業があります。なので、住宅改修前にはお住みの自治体を調べるか、ケアマネージャーに問い合わせてからにした方が良いと思います。
・分けて使える
最大支給限度額が20万円(要支援・要介護に限らず)という事です。なので一回目で10万円使ったら、残りの10万円はまた別の機会に使えます。
・一回とは限らない
原則として、住宅改修費の最大支給額は一人(同一住宅)につき一回までです。しかし、転居した場合や「介護の必要の程度」が3段階重くなった場合はもう一度最大支給額がリセットされて使えます。
※「介護の必要の程度」について
第一段階:要支援1または経過的要介護
第二段階:要支援2または要介護1
第三段階:要介護2
第四段階:要介護3
第五段階:要介護4
第六段階:要介護5

~住宅改修のデメリット~

・ 一度行った工事は元に戻せない
思ったような工事ではなかったからと言って、元に戻す工事に関しての費用は介護保険では取扱されません。事前にしっかり話し合いを詰めておくことで回避したい所です。
・ 事前申請以外は受け付けない
工事の着工前の申請が原則です。それを忘れた場合には住宅改修費の支給は認められません。
※ただし、入院(入所)中の人が退院(退所)後自宅で生活するために、あらかじめ環境を整えておかなければならないなど、早急に住宅改修に着工する必要があり、事前承認申請を行う事が時間上困難な場合は「やむを得ない事情がある場合の手続きについて」というものがあります。
・ 一時的に費用の全額を払う事がある
一時的に費用の全部を支払って、後で補助費用を返してもらう事を「償還払い」といいます。返ってくるといっても一時的な出費になってしまいます。もしも選べるならば「住宅改修業者登録制度」で調べて、そこに該当する業者であれば初めから一部負担額の支払いのみですみますので、利用できる場合は参考にしてください。

 

住宅改修の介護保険申請の仕方

~住宅改修を行うにあたって~
・ 要介護認定の結果を待っている状態で着工する方~
住宅改修費用の支給制度は、要支援または要介護認定を受けていないと使えず、もしも認定結果が非該当となった場合の工事費用は全額自己負担となりますので、最寄りの地域包括支援センターや市区町村に相談してから行いましょう。

~申請の流れ~

1,利用者からケアマネージャーに、住宅改修の相談をする
※担当がいない場合は、最寄りの地域包括支援センターや市区町村の窓口でも良いです
2,サービス担当者を交えて、住宅改修の必要性について検討する
※ケアマネージャーなどが事前に訪問して、状況の把握に来たりします
3,住宅改修費支給申請がされる
※ケアマネージャーなどの担当者が行ってくれる事がほとんどです
※「工事予定の図面及び工事前の写真」「工事の見積書」「住宅改修の理由書」「支給申請書」「住宅所有者の工事承諾書」が用意されてからの申請です
4,利用者宅に住宅改修の確認書が発送されてくる
5,住宅改修事業者が確認書を確認して、工事が着工される
6,工事の終了
7,住宅改修費の支給について、事後の申請を行う
※工事が当初の予定通り無事に終了した事を保険者に報告、という事です
※「住宅改修費の確認書」「領収書の原本」「工事図面」「住宅改修完成後の状態を確認できる書類」などが作成されます
8,事後の申請を受けた保険者が、本人に費用を償還する
※償還払いの場合です。費用の償還には1~2か月かかる場合があります。
※登録のある住宅改修業者であれば、この8の手順はありません。最初から費用の一割部分の支払いのみになります。

 

じいばあ イラスト

まとめ

いかがでしたか。一見わかりにくい制度ですが、大切なのは「利用できるものがある」という事をまず知る事と「事前に」という部分です。そして、忘れてはいけないのが市町村による独自の事業も必ず利用する、という所です。
住み慣れた場所で安全に暮らすために、受けられるサービスは積極的に活用していきたいですね。

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