介護離職ゼロは夢のまた夢!?大介護離職時代を知る!

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介護離職という言葉、一度は聞いた事があるのではないでしょうか。「1億総活躍社会」を実現するためにも非常に重要な事ではあるのですが、自分の身に起こらない内は関心も低いですし、いまいち社会への認識が低い感は否めませんが、実はこれ、あまり他人ごとではないのかもしれません。

今回は介護離職ゼロについて説明していきます。

 

介護離職ゼロとは

介護離職ゼロとは、平成28年4月1日に国会に提出された概要の中にある1億総活躍社会。その内の3本柱は「各自GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」となっており、介護離職ゼロはまさに今、国が重要視してその改善・予防などに取り組んでいるという内容なのです。
よくある間違いが介護職員の離職をゼロに、という事ですがこれは間違いです。正しくは、介護のために会社を辞めざるを得ない人の事を介護離職と言います。

~介護離職するとどうなる。なぜ国は取り組んでいるのか~

介護を理由に離職するという事はそこでその人のキャリアはストップとなります。せっかくの働き盛りであるにも関わらずです。離職すれば当然収入がなくなりますから、中には親の年金や貯金を切り崩して生活していかなければならない場合もあります。国としては今後介護にかかるお金や医療費をもっと自己負担する方向にもっていきたい訳なので、収入がないという世帯が増えると都合がよくないという事があります。
そして実際に介護が終わった時、介護離職した人は一体何歳になっているでしょうか。始めた時は40代だったのに、終わったら60代なんて事も十分あり得ます。

そこで再就職しようとしても容易ではないでしょう。そこで収入源がないという事は、老後の資金がない可能性が高く、もしそれで生活保護をなんて事にでもなれば、結局は国が負担する事になります。

 

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介護離職原因

~原因はさまざま~

年間の介護離職者は10万人以上と言われています。その原因とは一体何なのでしょうか。

・介護サービスや地域の社会資源を知らない
介護サービスには入所出来るものや通所・訪問サービスなどがありますし、地域の支え合いネットが
発達している場合もあります。しかし、そもそもこれらをよく知らないでいる人が多いという事です。
自分の仕事と介護を両立しようとしても、個人では限界があります。そのために介護離職を選択する
ケースがあります。

・ 後ろめたさからやむなく選択する
介護サービスを知ってはいても「自分の家族を他人に任せるなんて申し訳ない」という気持ちから自分で抱え込んで一人でがんばってしまう場合もあります。また、介護のために会社を早めにあがらせてもらうなどが続き、会社や同僚に対して後ろめたい気持ちを持ったり、会社の中でそういった事情に寛容でない場合などで居づらくなったりして介護離職をするケースもあります。

・ 仕事と介護の両立に疲れてしまう
仕事と介護を両立していくと、心身ともに休まる暇がなく疲れもたまってきます。仕事だけでも忙しいのにそこに介護が加わる訳ですから時間も足りませんから体に疲れがたまり、自分の時間を持つ余裕もないので精神的にも疲労してきます。それが続いてしまうと自分の日常生活すら送る事が困難になってきて、結果として介護離職せざるを得ないというケースもあります。

 

介護離職対策

国は対策として各制度を設けているのですが、まだまだ認知度としては低いです。会社がこういった制度に対して理解があるか、または休暇を取得しやすい風土かは取得の有無に大きく関わると思いますが、休暇の取得を理由に不当な扱いをしてはならないという事になっています。

~各制度の紹介~

「介護休業」※入社1年未満、93日以内に雇用が終わる人、週2日以下働く人は対象外
これは介護が必要な家族一人につき93日までとれるものです。有給のような全額の給与保障ではありませんが、賃金の4割が保障されるものです。

「介護休暇」※入社半年未満、週2日以下働く人は対象外
介護する家族などを病院に連れていくなどの理由で年間5日間取得できます。対象者が複数の場合は年間10日まで取得が可能です。

「勤務時間短縮等の措置」
要介護状態の家族を介護することを会社に申し出れば、会社は93日までを上限として短時間勤務制度やフレックスタイム制、始業時間の繰り上げや繰り下げ、もしくは介護サービスの費用助成などのいずれかの対策を用意して措置しなければならないというものです。

「介護施設の拡充」
働いている間にみてもらい仕事が終わったら迎えに行くという事が出来たり、泊まりで預かってくれる介護施設を増やす事が求められています。介護施設を増やすと同時に、その認知度を上げて、利用率をもっとあげていく事も課題です。

 

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介護離職 再就職

介護が終わって再就職をしようとした場合、それはなかなか険しい事があるようです。中には実際の介護中は親の年金があったので介護以外は特になにもしていなかった人や、再就職の際に以前働いていた時の肩書や待遇が忘れられずに結局うまくいかない、なんて事も実際にあるようです。
では国はどのように対策をしているのか、介護離職者に対しての支援を行っている会社はあるのかを見ていきたいと思います。

~厚生労働省が再就職支援~

現在全国的に行われている支援制度として「再就職支援準備金貸付制度」というものがあります。これは、介護職員として1年以上働いた経験を持ち、介護福祉士など一定の知識・技術のある離職者が対象となります。この準備金制度は、就業前の準備活動費(子供の預け先を探すなど)として20万円を貸し付けるものです。その人が再就職後2年間介護職員(介護報酬上の介護職員処遇改善加算の対象職種)として働くと、その返済は免除されます。

~近年広がっている各支援制度~

奨学金貸与事業などを行っている日本学生支援機構は、介護を理由にやめた職員の再雇用制度を始めています。介護を終えて職場に戻りたい場合、3年以内だと退職時相当の給与で復帰できます。
亀田製菓(ハッピーターンの会社)は、介護や育児でやめる職員が復帰希望を登録できる「ハッピーリターン制度」を行っています。
大日本印刷は介護や育児で退職した勤続3年以上の職員を再雇用する仕組みとして「re-work制度」を設けています。

 

介護離職 助成金

厚生労働省は現在「介護離職防止支援助成金」という制度を運用しています。これはいったいどんなものなのでしょうか。

~介護離職防止支援助成金とは~
会社がこの助成金制度を利用する場合、職場の環境改善の取り組みを認定される必要があります。
・ 仕事と介護の両立に関するアンケートを行ってから制度を見直す
・ 育児・介護休業法という法律を上回る制度を会社に導入する
・ 研修を行って、まだ介護に直面していない労働者への周知を行う
・ 研修は1時間以上、雇用保険被保険者の8割以上が受講、研修時間内に質疑応答が行われる事
・ 介護に直面した労働者への相談窓口を設ける(窓口担当者は社内研修への参加必須)
・ 会社は、年次有給休暇の取得を促進しながら時間外労働を削減する
・ 上の取り組みから3か月経過後に一定水準以上の実績が認められる事

上記要件を満たした会社において介護休業を取得する社員が出た場合には、1会社2名を上限に1名あたり40万円(中小企業は60万円)が会社に支給されます。
この助成金制度を利用するにはややハードルが高い感は否めませんが、このハードルをクリアした会社は「年次有給休暇の取得が促進された」「時間外労働時間が削減された」事についての一定以上の水準を持っているという事になりますから、介護支援制度を使いやすい職場と言えると思います。

 

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まとめ

介護離職は単純に仕事をやめた、ではすまない問題です。その人の収入やキャリアに対しての問題や、はては人とのつながりまでも絶ってしまう可能性のある非常に深刻な問題です。

そのための支援制度や取り組みは行われているものの、まだ認知度が低いなどの理由で十分に機能しているとは言いがたいかもしれません。安心して仕事に、介護に取り組めるという事が社会全体の生産性向上につながるので、ぜひとも周知されていく事を願います。

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