「介護タクシー」はこれからどんどん必要になる!?介護タクシーの代解剖!

Taxi on street in Sao Paulo city, Brazil

みなさんが外出の際、車・公共交通機関を使用する方が多いと思われますが、もしみなさんが高齢者世帯で、外出の手段は公共交通機関くらいしかなく、さらに体が不自由で電車やバスにも一人では乗りづらい状態だったとしたらどうしますか。

このような話は現実としてすぐそこまで迫ってきています。
今回は、そういった方たちへの外出支援をしている社会資源「介護タクシー」についてご紹介します。

 

介護タクシーとは

~介護タクシーの種類~

一口に介護タクシーと言っても実は2種類あって「介護タクシー」と「福祉タクシー」に分けられます。
・介護タクシー
正式名称を「通院等乗降介助」と言います。これは訪問介護の一種として、利用する方の通院や外出の際に車の乗降を介助して手伝ってくれます。さらにベッド~車の間の移乗・移動も介助してくれて、降車後の病院内の付き添いをして受診のお手伝いもしてくれるという業務範囲があります。車いすのままでの移送も可能です。
介護保険サービスの中での訪問介護という位置づけのため、運転手は介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の有資格者になり、先述した介助内容に加えて着替えや部屋の消灯・施錠までも必要に応じて行ってくれます。
介護保険サービスになるので、利用するにはケアプランに組み込まれている必要があります。

また、どこのタクシー会社でも良いという訳ではなく、介護保険指定業者番号を取得している所でないとその業務を行えません。利用できる方も、要介護認定を受けている方という制限もあります。
※介護保険を使わずに全額自己負担とする場合、利用の制限はありません
・福祉タクシー
身体に傷害などがある方に対しての車両を使った移動サービスです。介護保険とは関係ありませんので、運転手も有資格者とは限りません。

介護保険によるサービスではないので、利用制限はありません。ケアプランに組み込む必要も特にないので、旅行やプライベートな遊びに利用しても何ら問題はありません。

 

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介護タクシーで開業するためには?

基本的に法人・個人でも車両一台から始められるという特徴があります。これだけ聞くとなんだか手軽に始められるのかなと思いますが、その正式名称を「一般乗用旅客自動車運送事業」(福祉輸送事業限定)と言いますから、その申請をする際に満たしておかなければならない開業要件として当然いくつかあります。
・人的要件
①普通2種免許を保有しているドライバーがいること※事業許可がおりるまでに取得すればよい
②運行管理者、指導主任者がいること
③整備管理者がいること
・設備要件
①使用権限が3年以上ある営業所があり、休憩・仮眠室があること
②営業所に隣接した車庫があり、車両の長さ、幅+1m以上のスペースがある車庫であること。また、点検、整備及び清掃のための水道等の清掃施設があること
③リフト、スロープ等の装置がある福祉車両を保有すること。タクシーメーターも必要となります

・資金要件
①「開業資金全額の50%」と「開業資金+2か月分の運転資金」のどちらか多い方の金額以上の自己資金を保有していること

以上の要件を満たして国土交通省各運輸局の審査を受けて事業許可取得をする流れになり、期間はだいたい3~4か月とも言われています。先述しましたが、この期間の間に普通2種免許を取りに行く事も可能なようです。

 

介護タクシーで必要な資格は?

~介護タクシーで必要な資格について~

・普通2種免許
これは開業自体にも必要な資格です。意外と受験資格に要件(年齢が21歳以上である事。第一種普通免許を持ち取得後3年が経過している事。視力検査において片目で0.5以上両目で0.8以上)があるので注意が必要です。
他にも、教習所に通う場合は25万円程度の費用も発生します。
・介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護タクシーを利用する方は身体に不自由があり、様々な介助を必要とする場合が多いです。介護職員初任者研修はそのために必須となり、研修によって取得となります。※現在現場実習は必須ではありません
取り方は、厚生労働省が定めた基準に基づいた科目を実施する事業者(学校やスクール)のもとに通い、10科目130時間の研修を受講する必要があります(事業者によって通信制あり。ただし40.5時間分までで残りはスクーリングとなります)。資格取得にかかる期間は最短で1ヵ月、平均的には3~4か月と言われています。
費用については事業者によりけりで、5~6万円の所や15万円かかる所もあります。これは、取得後のサポートやキャンペーンの有無で変わってくるようです。

・望ましい資質
資格ではありませんが、介護タクシーを利用している人によればサービスが良いからとか設備が整っているからという理由ではなく、ドライバーなどスタッフの人柄を重視して利用するという声もあります。
頻繁に利用する方からすればほとんど毎日顔を合わす介護タクシーのスタッフが温かく接してくれる人だと利用する側も明るく穏やかな気持ちで乗車できるからだそうです。なので、選ばれる介護タクシーを目指すなら資格だけではなくドライバーの資質も大切なのがわかります。

 

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介護タクシーの料金は?

~料金体制の複雑さ~

介護タクシーは介護保険サービスなのだから1割負担、という訳にはいきません。先述したように、介護タクシーは訪問介護の位置づけですからその部分に関しては、他の介護サービス同様1割負担です。

しかし運賃(タクシーメーターで計算されるタクシー代)は実費です。
これは、介護の部分は厚生労働省が管轄しているので介護保険が適用されるのですが、移送そのものの管轄は国土交通省ですので、移送の部分に関しては介護の対象にならないという解釈だそうです。
以下に、共通の料金と会社ごとに違う料金体制をみていきましょう。

~共通(介護保険部分)の料金~

介護保険にかかる部分については基本的にどこの会社も同様です。
介護タクシーを介護保険として利用する場合は108円程度。乗車前後で着替えなどの準備が必要でそこに介護が必要な方などは先ほどの料金に加えて、20分~30分未満の介護の場合は271円程度、30分以上1時間未満の方は429円程度の料金が必要となります。これはどこの会社も共通です。

~会社ごとの料金~

こちらは、先ほどの共通の料金とは別に必要な「運賃」となります。

・NPO法人コアラ銚子(千葉)
お迎え料金:なし
初乗り料金:300円(2キロまで)
加算料金 :100円(1キロごと)
その他の料金制度
時間制運賃:30分までごとに1500円

・ケアステーション太陽(東京)
お迎え料金:あり(上限700円)
初乗り料金:700円(2キロまで)
加算料金 :90円(288メートルごと)
その他の料金制度
有償運送料金制度※透析通院等の長期定期継続に限り
お迎え料金:あり(上限400円)
初乗り料金:400円(2キロまで)
加算料金 :200円(1キロごとに)

・株式会社ストーン・アップ介護福祉事業部(横浜)
お迎え料金:なし
初乗り料金:300円(2キロまで)
加算料金 :10円(100メートルごと)

 

介護タクシー 東京では?

~移送サービスにとどまらないサービスへ~

予約を受けて通院の介助を行う普段のサービスは当然ありながら、東京消防庁の認定を受けて「民間救急」として活動している所もあります。普通の救急車はストレッチャー専用車なのですが、介護タクシー系民間救急車は車いす・リクライニング・ストレッチャーなど搬送条件に柔軟です。医療系民間救急車と比べると医療設備が足りない点はありますが、様々な医療機器も搬送中に利用可能(別途料金)で、希望すれば看護師の付き添い(別途料金)も可能です。24時間365日サービス対応を行っています。

他にも、会社として福祉車両ならではのビジネスを展開している所もあります。車いすで入れる温泉などバリアフリーの施設を紹介して介護タクシーで快適な旅行をサポートしたり旅行相談そのものを受け付けていたりします。東京スカイツリーやディズニーランドなど、希望に合わせたコースをめぐる観光サポートを行ったりもし、さらには冠婚葬祭やスポーツ観戦、花見やお墓参り時の車いすサポートまでも行っており、まさにその人の人生をサポートする社会資源へと変革しています。
余談ですが、クレジットカード払いに対応している車両も出てきています。

 

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まとめ

以上紹介してきましたように、訪問介護の一環として通院介助を行うイメージだった介護タクシー業界は、いまや様々なサービスを展開する重要な社会資源となっています。ビジネスとして展開されるという事はそこにニーズがあるからなので、今後来るとされる超高齢社会に向けてますます需要が高まる事が伺えます。

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