口腔ケアは介護の基本!?口腔ケアを大紹介!

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昔から「しっかりとよく噛んだら頭が良くなる」「よく噛む事でボケ防止になる」と言われています。まさしくその通りで、脳の中で口腔内、あご等の噛む力に関する部分も多くて噛む事によって脳は強い刺激を受けます。近年TVでも口腔内の健康と全身の健康への関連も多く取り上げられています。
今回は高齢者の口腔ケアについて一緒に勉強していきましょう。

 

口腔ケアとは?

ひとえに口腔ケアって何?となると簡単に言うとお口の中のケアで、

日頃の歯磨き等のケア(セルフケア)と歯科衛生士や歯科医などの専門職によるケア(プロフェッショナルケア)に分かれています。

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口腔ケアの目的

口の中を清潔に保つだけでなく、歯や口、舌の疾患の予防、口腔機能の維持に繋がります。また口腔機能が維持できることによって、噛む事の刺激により、老化や認知症の進行予防にも繋がります。勿論疾患を予防する事で、全身の健康へと繋がります。
施設で働いているとよく分かるんですが口で食べられる人と食べれない人、自歯、義歯がある人と、ない人では体調に違いがある事がよく解ります。
自歯や義歯で食べられている人は風邪やインフルエンザにもなりにくく感じます。なので口腔ケアの目的には単純に口腔内の清潔保持だけでなく、疾患や認知症の進行予防、全身の健康維持、等の様々な目的があります。
それでは口腔ケアの手順について確認していきたいと思います。

口腔ケアの手順(セルフケア)

ここでは専門家によるプロフェッショナルケアではなくセルフケアについての手順を確認していきたいと思います。
勿論最初は
1;ケアを受ける方への声かけをして口腔ケアを行う事への同意をもらいましょう。「さっぱりする」、「綺麗になる」等のポジティブな声かけをしてからケアの同意をもらいましょう。
2;ケアを受ける方の体勢を立て直し、ケアを受けるのに無理のない体勢にして下さい。
3;前回の状態と違いがないか口腔内の観察をしましょう。(ケアとケアの間で何か変わった事はないか観察して下さい。例えば口腔内に炎症や腫れ、出血が無いか等)
3;ケアを行う際に途中で席を外さないよう手元に物品を準備します。
4;実際にケアに移っていきます、清潔な水でうがいをしてもらいましょう。
5;歯磨き;歯ブラシでしっかりと歯磨きを行います。歯ブラシは力を入れず、磨き残しがないようにブラッシングして下さい。歯間ブラシやスポンジブラシ、舌ブラシがあれば合わせてブラッシングと粘膜清掃を行って下さい。ここで注意してほしいのは歯ブラシで舌を磨かないようにするという事です。せっかく歯磨きした細菌を舌につけてしまうからです。
6;もう一度清潔な水でうがいをします。
最後にあれば保湿剤を塗りましょう。
ケア後は「さっぱりしましたね」等というポジティブな声かけをしてから「ありがとうございました」とケアを行わせてもらった事に感謝とともに
「次もよろしくお願いします」と次回の約束もしておきましょう。

それにより次回のケアがスムーズに行える可能性があります。

 

 

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口腔ケアと高齢者

高齢になるとただでさえ体の抵抗力や免疫力が落ちるため口腔内の細菌を放置すると全身の健康や精神面にまで影響を及ぼします。
8020運動(80歳まで自分の歯を20本以上の歯を保ちましょう)というものがあります。

「80歳になっても20本以上の歯があれば、食生活に満足する事ができ、生涯自分の歯で食べる楽しみを味わえ QOL(生活の質)の向上にも繋がります。その為には日々のセルフケアが欠かせません。

高齢者の死亡原因の第3位は肺炎で、高齢者の起こしやすい肺炎に誤嚥性肺炎があります。
誤嚥性肺炎—年齢と共に嚥下機能が低下し、食べ物が誤って気道に入ってしまったり、唾液を飲み込む際に口腔内の細菌が誤って気道から肺に入ってしまう等の原因から起こりえます。

更に睡眠中などの知らない間に、唾液を誤嚥してしまう事でも起こりえます。
そのような誤嚥性肺炎や口腔機能の低下の予防として専門家であるST(言語聴覚士)のリハビリや日頃からのセルフケアが重要とされています。
中でもセルフケアは自分で行える上に生活リハビリとしても有効です。
なので自分で行える事は行ってもらえるようにするのは大事で、最後に磨き残しが無いか確認させてもらうようにしましょう。

 

口腔ケアの注意点

口腔ケアはできることなら、利用者自身で行ってもらえるのが1番ですが、寝たきりの方や自分でセルフケアを行えない方も当然います。経管栄養の方もその内の1人です。口から食べてなければ口腔内に食物残渣はなく綺麗だと思う人もいると思います。それは間違いで口で食べていない分唾液の分泌は少なく、唾液の自浄作用が低下し、口腔内に細菌が増えやすい状態になってしまいます。
また、セルフケアは食後が基本ですが、経管栄養の方は食後すぐ口腔ケアをしてしまうと刺激で吐き気を催し、流動食が逆流してしまう事がある為、食後30分程してから行う方が良いでしょう。
口腔ケアの仕方としては口の中を湿らせたガーゼ等の柔らかい物で拭き、潤してからブラッシングを開始して下さい。
但し、口腔ケアによって水を誤嚥し、それにより誤嚥性肺炎を引き起こすリスクもある為、寝たきりの方は体や顔を横に向ける等体勢を考え誤嚥しないようケアを行って下さい。

また様々な感染症のリスクも考えられるので介護者は必ず手袋を着用して行うようにして下さい。
口腔リハビリとして代表的なものでパタカラ体操というものがあります。文字通り「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音する事で食べる為に必要な筋肉をトレーニングする事ができるので、食前や空いた時間等に行ってみるのも良いでしょう。

 

 

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高齢者の口腔ケアに対する拒否について

皆さんは自分の口を大きく開けて歯磨きをしてもらう事はありますか?
小さな子供ならいざ知らず、大人になってからはしてもらう事はなく、口の中を見られたりするのは相当親しい間柄でないと嫌だと思います。
当然施設に入所されている方も同じ気持ちだと思って下さい。それでも我慢してさせて下さっているんです。拒否があって当たり前です。
そんな拒否のある方への対処方法を考えていきましょう。

・先ず何が原因で介助を拒否されるのかを知りましょう。
・その方が自分でするからいいと言われるのならしてもらいましょう。
・過去にケアを受けた際、歯肉から出血したり、痛い思いをされたというのなら、
無理強いせず自分で行ってもらうか、その方が信頼されている人に助けを求め
るのもいいと思います。
・極端に嫌がられたりする場合、口腔内に痛みや変わりがあるかもしれないので口腔内の観察をし、歯科医等の受診、往診を受けてみるといいと思います。
・特に義歯の方に多いと感じますが、介護者を気遣って(迷惑かけるので)いいですと言われる方もおられます。そのような場合は迷惑な事等ないという思いを伝えて下さい。

拒否の原因は人それぞれ色々あると思いますが、その時役に立つのは日頃の観察だと思うので、日頃からよく入所者様の事を観察しておいて下さい。

 

看護面での高齢者の口腔ケア

看護の面での口腔ケアについて考えると口腔ケアのアセスメントシートが思い浮かびます。これは自歯がどれだけ残っているか、経管栄養の実施はないか、虫歯はないか、または何番の歯にあるのか等の細かなチェック項目に分かれていて一目で分かりやすいようになっています。
口腔ケア アセスメントシートはまた別の機会に詳しくご紹介したいと思います。

ただ、ここでは看護師のみならず介護者にも知っておいてほしい、口腔ケアをする上でのチェック点、観察項目を書いておきたいと思います。
(歯)
・虫歯の有無、色、噛み合わせ、歯垢、歯石の有無等

(粘膜)
・色、歯肉から出血はないか、乾燥はないか、触れると痛みはないか、口内炎ははっせいしてないか等
(顎)
・噛む力はどれだけあるか、噛むたび顎が鳴ってないか等
(意識)
・意識障害はないか、覚醒状態は等
(嚥下能力)
・飲み込む際むせはないか、嚥下能力の低下はないか等
特にこの嚥下能力で項目で知っておいてほしいのは、高齢者は嚥下能力の低下によりむせや咳等の起こらないうちに誤嚥してしまう不顕性誤嚥があるという事。

なので、嚥下能力を知っておく事が重要で、そのテストには水飲みテスト、嚥下造影検査等があります。特に造影テストはしっかりと食べ物の動きが解るのでどれだけ誤嚥しているか等がよく分かっていいと思います。

まとめ

口腔ケアの重要性が少しでも伝わったでしょうか?
口腔内の健康を保つ事がひいては認知機能や、全身の健康状態を維持する事にも繋がり、代表的な死亡リスクの減少にもなります。
但し、ケアには介護を受ける方の心情を思い計り細心の注意を払って行うのを忘れてはいけませんね。

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